【前編】「ごめん、寝てた」は、信じていいのか?

【前編】「ごめん、寝てた」は、信じていいのか?


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ここは夜更けの隠れ家的カフェ
「イチルノノゾミ」。
今夜も普通の恋ができなくてジタバタしてる女が、恋愛マスターのサブカルママ「めだかちゃん」に助けを求めに来ました。
めだかちゃんは自分のことを“恋愛の救世主”だと言うのですが…
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プリント

 004

彼が「怪しい」
「ごめん、寝てた」は、信じていいのか?

KOYORI


 

 

「きた…」

MEDAKAMAMA

 

 

「何?通販?」

「通販の通知じゃないです。彼からのLINEです」
「バイブでも買った?」
「ホント、下品な上に昭和のオヤジ風セクハラ、ありがとうございます」
「彼から連絡がなかったのね」

「……あったもん」
「でも、昨夜はなかった…と」

「既読スルーいただいております」
「で、1日たったと」

「………」

「で、その男、”ごめん寝てた”って言ってきた?」

「え……まさにそれ!」

「ふふ」

「”ふふ”じゃないでしょ!何それ?ヤバいのこれ?信じてていいんだよね!?これ!!それが余裕のある”いい女”なのよね?!!」

「余裕のある女の顔には見えないわよねえwww」
「ここで草生やすのやめて!!!!」

地獄のSNS調査隊

「そんなの騒ぐような事じゃないじゃないわよ」

「でもさ、あの人基本マメなんだよね。連絡も普通に返してくれるし、だから何か突然の既読スルーとかされるとイライラすんのよね。できない子じゃないから。あの人」

「上から言うこと」

「だって、怪しいんだもん。あいつタバコ吸わない職場も禁煙なのに、たまにすごくタバコ臭い日があるし、絶対クラブとか行ってると思う、行ったとか言わないけど」

「彼ってどんな人なの?」

「33歳で独身のSE、1人暮らし。それはいいんだけど、元カノが近くに住んでるみたいなんだよね

「最強の敵が近くにいるわね」

「やっぱそうよね!! なんか別れたくせにその女、バレンタインにチョコとか渡してきたみたいなんだよね。それをFacebookで……」

「あ」
「あ?」

「やっちゃってるわね」

「……やっぱり?ダメ?彼のSNS調査隊」

「確実に地獄行きの調査隊よ、それ」

「いいじゃん、これって非公開じゃないし、そもそも彼女に公開できないような事はしないって信じてるし! あとはスマホのチェックすれば…」

「あはははは」
「え?……やっちゃってる?私?ヤバイ女?」

「いいんじゃない?不幸が好きなんでしょ?中島みゆきの夜会の行こ。オカマ仲間呼んで」

「わーーーーん!!!!絶対ダメってことじゃん!もー!何で“そういうのは止めろ”って言ってくんないのよ!人が不幸になるのがそんなに見たい?!」

「やめろって言ったって、見る女は見るから言っても意味ないだけよ。つか、何で男のスマホ見たがるの?バカだから?」

「だって!被害は最小限にしておきたいじゃん!ずっと騙されてたとかの方が嫌じゃん!」

「それでもし“クロ”だったら別れる?」

「は、反省させる…」

「“うざい女”って思われたら?」

「えーー!!! だってそんなの自分が悪いんじゃん!」

「人のスマホを勝手に見るのは悪くないの?」

「きーーーーーーー!!!!」

「まあ、こうなるわね」
「何がよ?」

「見たらダメになる女ほど、スマホを見たがるのよ」
「う…」

「もし彼のスマホに知らない女の画像があったら、彼はその女と寝てると思う?」
「え?うん、多分」

「相手に別れを言われる前に、自分から言いたい派?」
「う~~~うん…」

「ほらね」
「何が?何が?」

「あんたは自分から幸せを壊したいタイプの女なのよ」

「どーーーーーーーん」

 

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Written by yamadareiji
yamadareiji

山田玲司(やまだ・れいじ)/漫画家 1966年東京都生まれ。20歳で漫画家デビューし、恋愛のマニュアル化を風刺した『Bバージン』で一気にブレイク。近年は“モテ”の絶対理論を語った注目作『モテない女は罪である』を発表。大人の恋愛サイト「AM」で様々なケースの恋愛相談を受けるなど、「いったい男は何考えてんの?」の問いに答えられる稀有な存在となる。著名人との魂の対談漫画『絶望に効く薬』シリーズや、『非属の才能』(本屋大賞、中2賞受賞)といった新書でも知られる。「山田玲司のヤングサンデー」(ニコニコチャンネル)、「スーパースーパーブルーハーツ」(クラブサンデー)連載中。

»http://yamada-reiji.com/

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