【INTERVIEW】『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』出演の俳優・松岡広大に、役者としての構えを訊く!

【INTERVIEW】『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』出演の俳優・松岡広大に、役者としての構えを訊く!


2015年3月に上演され人気を博した2.5次元舞台『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』の、この夏の再演が決定した。初演に引き続き、主役のうずまきナルト役には松岡広大が決定し、熱い期待が寄せられる。そんな松岡広大に、インタビューを刊行。現在オンエア中の資生堂CM「シーブリーズ」の話も聞いた。

撮影/中根佑子 文/池上愛

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――『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』の再演が決まりましたね。

「同じ役でまた出来ることなんて滅多にないので、凄く嬉しかったです。前回の反響として、色んな人から『いい舞台だったね』と言って頂けたので、その期待にまた答えられるように頑張らなきゃと、同時に思いました」

――前作のDVDを拝見させて頂きましたが、映像からも凄さが伝わってきました。プロジェクションマッピングがあって、新しい舞台を観たという気持ちで。ただ役者さんはかなり大変だったのではと。

「はい、結構大変でした(苦笑)。最初は映像もない状態での稽古だったので、自分の頭の中で今はこういう事が起きているから……と、考えながら、タイミングを合わせてやらなければいけませんでした」

――映像は稽古の前に撮影したのですか?

「全部先に撮りました。だけど稽古の時にはまだ映像は出来上がっていなかったので、劇場に入ってからの稽古でようやく映像と一緒に合わせていきました。なんどもリハーサルを重ねて形になっていくという感じでした」

――『NARUTO』は物凄く人気の作品で、初演の時からプレッシャーがあったかと思うのですが、再演に向けて、今の気持ちはいかがですか。

「初演の作品をほめて下さる方はたくさんいるのですが、自分の中ではもっとこうしたい、ああしたいという欲も結構あって。その気持ちが再演の話を聞いてより強くなりました。初演ではまだまだという部分も少なからずあったので、そこはもっと分厚くしていかなければいけないし、原作をイチから読み込んで、どんどん芝居を固めていきたい。再演はもっと芝居力をつけていかなければと思っています」

――芝居力というのは具体的にはどういうことですか?

「言葉の重さとか意味を改めて考えることが必要かなと。再演っていうと、どうしても慣れみたいなものが多少なりとも生まれてしまうと思うんです。舞台は一回一回が命がけだし、言葉のニュアンスの違いが活きてくると思うので、まずは再演でも新鮮な芝居をしたいです」

――どういう部分が、初演の時はまだまだだなと思いましたか?

「ナルトの孤独の部分。孤独って普遍的なもので、どの時代でもやっぱりつらいと思うんです。だからその孤独っていうのを、もっとじわっと出せたらなと考えていて」

――感情って難しいですよね。

「難しいですね~ホントに。自分も孤独だなと感じた事はありますけど、ナルトみたいに親がいないとか、そんな環境になったことはないですし。だからそのリアルさを出す作業は凄く難しいんですけど……とことん考えるしかないと思っています。考えてイメージしたものを稽古で出して、自分なりに納得したり、演出の児玉さんに聞いたりして作っています」

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――自分なりに考えるということは、何かを参考にとかはあまりしない?

「そうですね。影響されやすいんです、僕。全然違う作品の孤独なキャラクターを観て、そこから何かをキャッチするというやり方だと、その参考にしたキャラクターに影響を受けてしまいそうな気がして。なので、あくまでナルトの孤独を考えるようにしています」

――原作のアニメは観ないんでしょうか?

「はい。僕は声優さんも役者と変わらないので、アニメもその人のナルト像だと思っています。なので『NARUTO』に限らず、原作がある作品を演じさせて頂く時は、漫画しか読まないです」

――それは絶対に決めてるポリシーですか?

「そうなのかもしれません。アニメは原作が動いているのを想像出来るという利点もあるんですけど……やっぱり生身の人間がナルトを演じるとなったらどうなるんだろうというのが、2.5次元の魅力だと思うので、そこを大切にしたいんです」

――最近マンガ原作の実写化が多いですが、実写映画とは違う、舞台での2.5次元の魅力はどんなところに感じていますか?

「まず言えるのは、舞台自体に親近感が湧くというところです。舞台って映画に比べると、そんなに気軽に行けるものではないと思うのですが、でも、自分の好きなアニメやマンガが舞台になるだけで、舞台に行くきっかけにもなる。そしてお気に入りのキャラクターを役者が目の前で演じていたら、もしかしたら役者に興味を持つかもしれません。それにそのキャラクターが目の前で動いている感動は舞台でしか出せないと思うんです。もちろん映画やドラマはCG技術とかあってクオリティーの高い作品に仕上がりますけど、目の前で自分の好きなキャラクター、好きな作品が動いてくっていう程、感動するものはないと僕は思っています。そこが原作のある作品を舞台にするよさだと思います。僕も2.5次元の舞台を観る時は、自分の知っている作品には親近感が湧くし、このキャラクターをこう演じたか! とか刺激になるんです」

――舞台だけに限らなくてもいいんですけど、役作りをする時、どんなことを考えながら演じる役に気持ちを入れているんでしょう?

「まずは台本を読んで、そのあとに声色からはいっていきます。『NARUTO』でいうと、うずまきナルトはまだそんなに大きくないし、声変わりもしてないから高い声だろうなとか、両親がいなくて友達もいないからこんな性格かな。強気のキャラクターだけど落ち込んでいる時は凄く純情なんだろうなとか考えていきます。あと家系図も書いました」

――家系図ですか。

「A4ノートに父、母、ナルトと書いて、ナルトはこんな役というのをバーっと書き出す。で、両親はこういう性格の人だから、ここは母に似ている、こっちは父に似ているとか。こういうデータを書いておくと分析が出来るんです」

――理系ですか(笑)?

「あはは(笑)。なんていうか、最初に整理しときたいタイプなんです。役に対して全て網羅していきたいというか。セリフの前後を考えて、この時はもうちょっとこうやったらいいとか自分で喋りながら試してどんどん近づけていくんです。凄く時間はかかりますけど、でも役に近づくんだったら、どれだけ時間割いてもいいなって思えるので」

――その試行錯誤とか家系図は、役作りの初期の段階ですよね?

「そうです。ほんと初期の段階です」

――稽古が進んだら見返します?

「うーん、あんまり見返さないかもです。頭に叩き込んでから臨みます」

――頭に入ってる状態で稽古に入るんですね?

「そうですね。稽古に入る前の予習のようなものかもしれないです」

――稽古に入って自分が準備してきたものと演出家と実際に合わせてみて、あれ、やっぱこっちのほうがいいかも、みたいなことはありますか?

「もちろんあります。自分の中になかったことが稽古で出てきたらもう一度考えます」

――軌道修正になったら、ノートに書きますか?

「軌道修正した場合は自分の頭の中で考えます。自分の頭の中で右往左往して、それでどれだけ遠回りになってもいいからとにかく悩もうと」

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