
トロフィーワイフになりたい!!
—————————————————————————————————————–
ここは夜更けの隠れ家的カフェ
「イチルノノゾミ」。
今夜も普通の恋ができなくてジタバタしてる女が、恋愛マスターのサブカルママ「めだかちゃん」に助けを求めに来ました。
めだかちゃんは自分のことを“恋愛の救世主”だと言うのですが…
—————————————————————————————————————–
こより「あたし決めた」
めだか「あんたもう5杯目よ。芋焼酎」
「トロフィーワイフになる!」
「あんたトロフィーワイフの意味わかってんの?」
「知ってるわよそんなもん。海外のゴシップサイトにしょっちゅう出てやつでしょ。あれよあれ!大成功した大金持ちのクソ老人が人生の最後にわけー女を妻にするっていう男の夢最終章を彩るあれでしょ!あれ!」
「会話に“あれ”が多すぎるのはババアの証拠よ」
「ババアって言うな!まだ20代なんすけど!トロフィーキメられるんすけど!」
「一応言っとくけど、あれってモデル級のスタイルでバカみたいに美形の金髪で20代前半ってのがデフォルトよ?」
「相手はジジイ!ごまかせるわよ!」
「そこだけポジティブなのやめてくんない?」
「トロフィーワイフになりたいのよー!ジョージ・クルーニーみたいな見た目の石油王とかビル・ゲイツとかの妻になって他の女どもを見下したいのよっ!芋焼酎おかわりっ!」
「あーうるさい。
あんた今日なんかあったわね?いつもだけど」
「まあね。女子会ってむかついて死にそうになるわね」
「何?高校時代の女友達がハイスペ男と結婚して指輪見せびらかしてきた?」
「…なんでわかんの?」
「もう結婚してる女友達はイタリアブランドのベビーカーにガキ乗っけてきて、慶應幼稚舎に入れる話ばっかとか?」
「何でわかるの?!」
「心で殺した?」
「何度も」