東村アキコ×山田玲司 豪華対談!【後編】漫画みたいな恋って本当にできるの…?とか言ってて彼氏ができない人は、すぐにこれを読んでください。

東村アキコ×山田玲司 豪華対談!【後編】漫画みたいな恋って本当にできるの…?とか言ってて彼氏ができない人は、すぐにこれを読んでください。


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―前編はこちらから―

 

文/トミヤマユキコ
撮影/森 菜穂子 

 

少女漫画という宗教から脱出可能!?
究極の「恋愛」を求めると……

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-これまでのお話を伺っていると、やはり少女漫画っていう宗教があるんだと思うんですよね。

東村:そうだね。

-以前、アラサーで仕事ができてすごく綺麗な人たちばかりを集めた座談会に立ち会ったことがあるんですよ。私はその座談会の記事を構成することになっていて。その時、参加者の半分くらいに不倫の経験があったんですね。で、経験者のひとりがすごく印象的な話をしてくれて。

「少女漫画が小さい時から大好きで、少女漫画みたいな恋をしたいとずっと思っていたんだけれども、大人になって分別がついてくると、そんな恋は滅多にあるものではないとわかってきた。それと同時に、この世界で少女漫画っぽい恋愛をするとすれば、不倫だということに気づいてしまった」

……つまり、少女漫画という宗教を信じすぎるあまり不倫に走ってしまう、っていう話です。不倫の恋だと、ものすごくスイートな事を言ってもらえたり、おいしいものを食べさせてくれたり、いいプレゼントもらえたりするらしくて。会える時間が短いこともあって、全力で恋愛に没頭できると。

東村:生活臭がしないんだよね。

-そうなんですよ。「私の夢に思い描いていた少女漫画の世界は不倫、っていう結論が出ちゃったんですけど、どうすればいいですか?」みたいな感じでした。

山田:どうすればいい?って言われてもね(笑)

-その方はいつかは結婚したいみたいですよ。出産のリミットも気にしてましたし。

山田:まず、「いつかは結婚」って考えが前の世代の考え方で、そこに捕らわれてるうちはずっと苦しいんじゃないかな? そこから解放されれば、相手が既婚者だろうが独身だろうが関係なくなって、フラットに考えられると思う。

大切なのは、自分を幸せにしてくれる人を探すか、自分が幸せにしてあげるか、っていう、それだけのこと。相手がどんな人だろうが、自分が相手を幸せにしてあげたいってタイプの人は、ちゃんと幸せになれる。
でも「今の相手じゃ幸せになれないから他の誰かが幸せにしてくれ」って思ってる人は、まあグルグル悩んじゃうのも仕方ないよ。

-そうですね。

山田:結婚って言うのは「永久ライセンス」が欲しいってことなのね。死ぬまで変わらない契約をしたいっていう、最もエグイ欲望なわけ。その欲望があらわになった状態で「私は仕事できるし、綺麗だし、私にふさわしい男が永久に私を養ってくれるハズ」というフラグをデカデカと掲げちゃうと、普通の男の子は「ムリっす!」ってなるよ(笑)。

その重みに耐えられなくなって、ちょっと距離を置くよね。そうすると女の子は「なぜ私はこんなに頑張っているのに報われないの?」っていう苛立ちを募らせていく。それを回避するためには、まず男を許さないと。そして自分自身も許す。まあ、審査員が多すぎるんだよね。みんなジャッジばっかりしてる。でもこれ、ほんとは恋愛じゃなくて教育の問題なんだよな……。

-教育の問題?

山田:そうだよ。だってみんな小さい頃から「あれはダメこれはダメ」ってジャッジされながら大人になるでしょ。
その上、順位もつけられるし。地元の学校では何位だったとか、ここから飛び出してもっと自由になるためには一位にならないと駄目だとかっていう話になって、ずっとずっと頑張り続けなきゃいけない。
その延長上を生きてしまうと、他人を見た時につい「あなたは何位?」ってやってしまう。
これは苦しいよね。恋愛の場においても、独身の人たちは、審査員席に座ってる感じがするな。

東村:そうそう、オーディションなんだよね。

山田:例えば人妻がモテるのは、審査員席から降りてるからなの。ゴールしちゃってるから、もうジャッジしないし、寛容なんだよ。だから男たちは人妻に向かっていくわけ。これが反転すると、既婚者の男が独身女にモテる、ってことになる。不倫はいけない、って言って人を裁くことは簡単だけど、何が本当の原因なのか考えると「不寛容」の問題が出てくるし、教育の問題が出てくるんだよ。

-ジャッジする、っていうのはほんとにそうだと思います。『タラレバ娘』の最新刊でも、他人の戦闘能力を測れるスカウターがあればいいのにというくだりがありますし。

東村:『タラレバ』関連の仕事で、オーディションの審査員席に座ってる『タラレバ』の三人娘のイラストを描いたことがある。

「はい次~!」
「君、え、なーに、君身長何センチ?飲酒は?」
「え、私たちの映画に出たいの?」
「演じられるの?ちゃんと?」

みたいなのを描いたことがあるんだけども、まさにジャッジしてるわけだよね。

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