ふたごと帝王切開 その②【出産編】

ふたごと帝王切開 その②【出産編】


 

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舞台や雑誌などエンタメ業に携わる
YURIさんが、双子の子育てを
あったかくもちょっとコミカルに綴ります。
子育て1年生さんにも役立つ実用もお伝えします。

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こんにちわ。

今回は、前回の続き、帝王切開で出産した後のお話です。

ドラマのような感動のお産とは程遠いお産の後、傷口を形成外科の先生が縫ってくれることになっていたため、麻酔を強くしてくれたのか、「終わりましたよ~」と肩をたたかれて起こされるまで意識を失っていて、起こされたときは、「これから縫うんですか?」と聞いたほど一瞬に感じました。

が、待ってるほうの家族は一日千秋。

予定時間を少し過ぎ、手術室から2つ連なって保育器が出てきたときは相当安心したようです。

そして、保育器×2から遅れること数十分。すべて処置が終わった私は、ストレッチャーに乗せられ、カラカラと手術室を出ると、涙目の家族が迎えてくれ、パパさんは「ありがとう!ありがとう!」と言っていました。

はい。感謝ぐらいしてください。

こちらは、人生で確実に上位に入る壮絶な経験を成し終え、ボーっとした頭と下半身の半端ない違和感を抱え、まだまだ思考回路が停止したまま。ねぎらいの言葉をいくつかけられても足りません。

そして当の赤子たちは、次男は1524gしかなかったのでしばらくはNICU(新生児室集中治療室)で過ごすことに、長男はギリギリ2000gを超えていたため、NICUより状態が安定してる子たちが入るGCUで過ごすことになったため、パパさんはGCUとNICUをハシゴし、写真を撮ってきてくれたのですが、自分のお腹からこの子たちが出てきたのが信じられないという思いと、写真でも感じる愛しさに、月並み過ぎますが、ただただ「産まれてきてくれてありがとう!」という思いのみでした。

そうかー、古来から母親陣が口を揃えて言ってたのはこれだったのねー。うんうん、確かにこの言葉しか浮かばない。

そして、その日は、母体の回復を優先し、母子別室が許されている病院だったため、母子面会はなし。病院によっては、帝王切開でも、当日から母子同室のところもあると聞きますが、なにかの冗談としか思えません。ホント、この状態で新生児のお世話とか絶対りーむー。

なんせ、その夜は、お腹には帯の数倍きつく包帯が巻かれた上、尿管が繋がり、両足にも血栓防止のためのポンプのような機械がつけられ身動きがとれず、術後の発熱にうなされている中、絶飲食なため水も飲めないという地獄絵巻。

つ、つらい・・・。

そして、つらい本番は数時間後。麻酔が切れた後に襲ってきた痛み・・・。

これがウワサの後陣痛なのか傷の痛みなのかはわかりませんでしたが、とりあえず下腹部が痛い。

「痛かったら痛み止め出せるので言ってくださいね」と看護婦さんから言われていたのですが、座薬なこともあり、なんとなく我慢してしまい、ただひたすら時が経つのを待っていたとき、フと先輩帝王切開ママから、“痛かったら1秒も我慢せず痛み止めを使ったほうがいい”というアドバイスを受けていたことを思い出し、即ナースコールで痛み止めの座薬を投与してもらいました。

すると、効いてるんだかどうだかも判断不可能なつらさの中、間もなく眠りにつけたので、眠れたってことは痛みが引いていたんだと思います。座薬、神。

そんなこんなで、産まれた我が子を気にかける余裕もないまま、初日の夜は更けていきました。

ということで、今回は、帝王切開のときのおススメとして私から2点。

まず、痛み止めは絶対我慢しないということ。我慢するだけ無駄な時間を稼ぐことになります。

そして、2つ目。待合室の風景をビデオに収めておくこと。

後日、パパさんが撮っていてくれてた待合室の様子を動画でみて、ソワソワが止まらない私の両親が、動揺を隠そうと病院の待合室でヨガを始めるという、逆に動揺をさらけ出す結果になっている様を見て、家族で大爆笑。

なにより、ふたごにとって、“生まれてくることをこんなにも皆が待ち望んでたんだよ”といういい記録になるな~と思いました。

待合室の撮影は、きっと、ご家庭それぞれの素敵な光景が記録されることでしょう~。

その日のふたご。次男おうちゃんは若干痛々しい姿。

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それから3年後。元気いっぱい。さすがお腹に一緒に入ってた期間はダテではなく、異常に仲良し。

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Banner design&Illustration:CHALK BOY
http://chalkboy.me/


Written by YURI

YURI(ゆり)/ライター・舞台演出家
学生時代からストリートダンスをはじめ、ダンサーとして活動。ケガにより現役引退後、ダンサーとしての経験を活かし、演出・制作など、数多くのダンス公演に関わる。2005年からダンス舞台の演出家として活動。ダンス舞台のプロデュースなども手掛ける傍ら、ダンス専門誌の編集・ライターをはじめ、さまざまな分野の、書籍、web、などのライターとして活動中。
2014年3月。アラフォー真っ只中、二卵性の男子ツインズを36週で出産。

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