ねこ視点で暮らしてる? ねこ×建築の専門家が、家ねこの気持ちを代弁するアイデアBOOK


空前のねこブーム! 筆者はいぬを飼っているのですが、いつかねこも飼ってみたいな~と思っています。でも、ねこって、いぬより難しそうなイメージ。可愛がってもあんまり懐いてくれないような? 気づけばいなくなっているような? そんな不安を払しょくしてくれたのが、『ねこと暮らす家づくり』(小社刊)です。

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著者は、建築士・家庭動物住環境研究家の金巻とも子さん。動物との暮らしでお悩みの方に、住まいの改善策を指導している「ねこ×建築」のスペシャリストです。ねことの暮らしについて、「ねこの目線になって考えてみることが大切」と金巻さんは言います。一体、“ねこの目線”とは、どういったものなのでしょうか。

ねこはテリトリー意識が強い動物である一方、人間と絆を深めるのが大好き。飼い主を母ねこのように思うコもいるそうです。「あんまり懐いてくれない」というイメージは、誤解だったんですね。しかし、可愛いがあまりぎゅっと抱きしめるのは、ねこにとってはうれしくない。飼い主が大好きだから、じっと我慢してくれるのだとか。なんてけなげで、いじらしいねこ…!

「ねこにしてみれば、人間は『巨大な猿』のようなもの。共に暮らす中で、ねこにとって我慢を強いられることも多いのです。こうしたねこの気持ちを理解したうえで、その我慢を少しでも減らせるように住空間を整えたいものですね」と、金巻さん。まさに「ねこの目線」になるということですね。

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ねこを多頭飼いしている人も多いのではないでしょうか。でもねこは基本的に単独生活を好み、自分だけの空間を大切にする動物。「1匹じゃ寂しいだろう」と思う飼い主は多いですが、そんなことはないそうです。多頭飼いをする上で、注意すべきことがあります。

「5匹以上になると、グループに関係なく全メンバーの中で特定の1匹が劣勢になる『パリア(仲間はずれ)』というポジションのコが発生してしまいます。ボスねこをはじめみんなに牽制され、パリアのコは他のねこたちと同じ場所にいられません」

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ごはんをなかなか食べられず、みんなが来ないような窮屈な場所に避難したり、ねこウォークなどから降りてこられないこともあるそうです。より深刻になると、ねこウォーク内で自分の居場所を確保し、食事も排泄も全部そこで済ますようになるのだとか。そんな悲しい思い、愛する我がコにさせたくないですよね。

本書には、このような「知っているようで知らない」ねこにまつわる知識や、ねこと暮らすためのアイデアが盛りだくさん。ねこを飼っている人も、これから飼いたい人も、ぜひ手に取ってみてください。目から鱗が落ちること、間違いなしです!

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(文=尾崎ムギ子)