ニットとあったか小物

ニットとあったか小物


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季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事。
杉浦さやかさんがスケッチする折々の暮らし。
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クラシックなニットが大好き。
アランニットにフェアアイルセーター、ノルディック柄……
英国や北欧の寒冷地域で生まれ、伝統と歴史を育んできたセーターたちは、
永遠のベーシックでありながら、数年おきに流行を繰り返してきました。
まさに今季は、そんなニットの花盛り。
街を行き交う人たちのウォッチングも楽しい今日この頃ですが、
私はこれらのセーターが、なかなかしっくり着こなせない。
肩幅ががっちりしているせいか、ニットの厚みとボリューム感で
ひとまわり太く、たくましく見えてしまうのです。
ノスタルジックな柄が出まわる古着店を中心に、何度も試着してはあきらめて、
ここ数年は薄手のニットしか着なくなっていました。

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そんなある日。
知人のアクセサリー作家・Hさんと待ち合わせて、
現れた彼女に釘付けになりました。
たいがい全身古着で固めているHさん、
赤いワンピースにスモーキーな色合いのノルディックカーディガンを合わせていました。
まるで少女のような、それは可憐なお姿。
この日はじめて彼女の年齢を聞いてぶっ飛んだ。
来年、還暦……?!!

 

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いやいや、若い娘さんがやるとあますぎる格好も、
雰囲気たっぷりに歳を重ねたHさんだからこその着こなし。
「50代になったら、60代になったらどんな格好をしていけばいいんだろう」と
漠然と未来に不安を抱いていた私。
いくつになっても、好きな服を着ればいいんだ! と勇気づけられました。
カーディガンは古着といっても最近のもので、
「ヤフオク!」で千円で見つけたのだとか。
古着にこだわっていたけれど、素敵な色合い、柄のものが出ているんだなぁ。
私もあきらめず、自分の一着を探そう。
たくさん出まわっている今季こそ! と誓った冬の午後でした。

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そして今季、お気に入りのニットがあります。
数年前に、“おばあちゃんになっても着たい!”と思って買ったものの、
ほとんど着ていなかったざっくり編みのピンクのカーディガン。
大きめで本当におばあちゃんみたいになってしまい、
「歳をとるまで、タンスのこやしかも……」としまいこんでしました。
ところがオーバーサイズばやりの今、引っ張り出してきて
よく着るようになりました。
ますます、ピンクを身につける照れが吹っ切れてきたというのもあるのかも。

 おばあちゃんになったら、大きなニットもピンクもレースも、
なにもかも嫌味なく着こなせるようになる気がして、
今からとても楽しみです。

 

*次回は2月9日(金)更新予定です。
 

Written by sugiura sayaka
sugiura sayaka

杉浦さやか(すぎうら・さやか)/1971年生まれ。日本大学藝術学部美術学科卒。大学在学中の1993年よりフリーのイラストレーター。 独自のタッチと視点で描くイラストエッセイが人気を博し、街歩き、旅、映画、おしゃれなど様々なテーマで執筆。『週末ジャパンツアー』『上海を歩こう』『はじめてのハワイ』(小社)、『スクラップ帖のつくりかた』(KKベストセラーズ)、『レンアイ滝修行』(祥伝社)、『うれしいおくりもの』(池田書店)、『おきにいりと暮らす ABC』(白泉社)など著書多数。最新刊は『マーマリング・トーク おしゃべりなつぶやき』(二見書房)。

»https://twitter.com/saa_aya

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