【日本〇〇ブス図鑑】追っかけ科/アイドルオタブス

【日本〇〇ブス図鑑】追っかけ科/アイドルオタブス


『可愛い子をみると本能的に「守りたい」って思っちゃうんだよね』

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よくこのタイプで疑問にあがるのが
「本当に好きなの?」

ですよね。
同性で、可愛くて、輝いている女子をみて、嫉妬心もなく「本当に好きなの?」と。

 A. 好きです。

可愛い女の子を愛でれる、その自分の懐の深さが好きです、愛しています。
「こんな子を応援している」そんな私こそが真のアイドル。
アイドルのグッズを買うのも、憧れと言うより「君と一緒だよね」という気持ちで購入しています。

 実は、可愛いアイドルを好きになることで、自分をカモフラージュできる部分もたくさんあります。
「アイドル好きなの?」と言われると、
「だって可愛いじゃん」
「歌がいい」
「ダンスがいい」
「衣装がいい」
「メンバー同士のの掛け合いがいい」
「事務所の売り方がいい」
など、いろんな言い訳ができます。
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 しかし、このタイプは少なからず自分が可愛くなりたい人。
本当はこのアイドルみたいな立ち位置に立ちたい。
でも人に「アイドル好きなの?」と言われると「おばちゃん的な目線で可愛いなって思っちゃうんだよね〜」とはぐらかします。だって、恥ずかしいから。

確かに可愛い女の子は癒される。そんな癒し効果が自分を真のアイドルにしてくれるんだからwin-winの関係なのですが、癒しとはそもそも自分の存在がその隙間に入りこむ余地のあるものに抱く感情ではないでしょうか。

小動物は自分の思うままに動いてくれそうだし、雰囲気イケメン俳優もどうかしたら自分もいけるんじゃないかという隙があるからこそ「癒される」

つまりアイドルに癒されるのは、その「自分が入り込めそうな隙」を見つけるのが楽しいから

 

 「もしかして、私もいけるんじゃないの?」

更に、こういった若手アイドルを応援したい気持ちは、自分の方が上の立場にいてその子を引っ張ってあげようとする気持ちから起こります。

親戚のお姉ちゃんなり、実の姉なりの感覚でいるので、その子が褒められると「ありがとうね」「良い子なの」とさも自分のことのように喜べます。
そしていつ親戚として紹介されてもいいように自分も小綺麗にするのを忘れません(実際に親戚だと紹介されることはないんだけど、気分的に)。
「○○ちゃんのお姉ちゃん、口ひげ生えてたね」なんて言われたら“一緒”じゃなくなっちゃいますから。同じ平行線に立っていると思われるレベルの小綺麗さはマストです。
仮にも彼女を引っ張る立場である自分がボロボロでは説得力がありませんから。

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 ついにライブ会場。会場でいつも聴いていた曲のイントロがかかると「…っ、ついにここまで来たね(一緒に)」となり、応援していた汗は涙に変わります。

アイドルの口から「みなさんのおかげです」と言われた瞬間。ふと、彼女がいつのまにか自分よりも上の立場になってしまったのかと、彼女に抱いていた「私の所有物」という癒しを感じにくくなり、ライブのアンコールあたりは曲もあいまって物悲しい気分になります。
ライブが終わると「すごく、良かった。」の一言以外出てこない。
立派になってくれて嬉しい。あの、すぐに泣いていた○○ちゃんが。ダンスが下手でいつも自信無さげにしていた○○ちゃんが。私服が超絶ダサかった○○ちゃんが…この日の勇姿、しっかり見届けたからね。

 ライブ後に飲んだスポドリの味は、胸一杯の彼女にはわかりません。
推しが立派になりすぎるとアイドルオタブスは感傷的になります。
歴代のグッズを元カレとの写真のように涙目で眺め、初期のライブ映像を見ては切ないため息。

「○○ちゃんも、そろそろ卒業かな」

ある一定のレベルを境に、内面で思っていた「君と一緒だよね」を外面で言っていた「おばちゃん的な目線で可愛いんだよね」に全面的にシフトし、一旦思い出に蓋をします。

この子のことは好きだけど。忘れなきゃ。なんだか遠くに行ってしまったよう…遠距離恋愛は出来ないもの。
複雑な気持ちを抱えながらアイドルオタブスは推しカラーのグッスを仕舞い(捨てる勇気はない)、新たな癒しを求めて小さな劇場のアイドルに目を光らせるのです。

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Written by tsuboyuri
tsuboyuri

つぼゆり(大坪ゆり)九州・大分県出身。多摩美術大学 情報デザイン卒業。フリーランスのイラストレーターとしてイラストレポや毎日の1コマ漫画など日々ゆるく生存中。自身も2.5次元、K-POPヲタク。

»http://cargocollective.com/tsuboyuri/12977878

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