あるある編集者語


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書籍編集者となってはや9年目の春です。

本ブログがリニューアルし、
仕事のことを中心に書くことになって
どんなテーマにしようかとけっこう悩んだのですが……

近年編集部に若い人が増えたこともあり、その姿に重ねて自分が入社した当初のことをときどき思い出しまして、当時は先輩が知らない言葉を使うたびに「おお……編集者っぽい!」と新鮮に感じていたことを思い出しました。
そこで今回はそんな編集者語の中から、他業界の方でも便利に使えるのではないかと思う言葉をピックアップしてみます。

①“ナリユキママ”
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初めて知ったときは「なんと便利な言い回しがあるのか!」と感動したものです。
“ナリユキ”=“成り行き”、“ママ”は“その状態のまま生かす”という意味なので、“ナリユキママ”=物事の流れの過程をそのまま続ける、といった意味になります。

基本的にはデザイナーさんやDTP会社さんに文字の流し込みをお願いする際、たとえば原稿の文字量が多くてレイアウトからハミ出すときなどに「前の流れを汲んで良い感じに配置してください」というなかなか相手任せのお願いをこの6文字に託すことができます。
使うシーンが大変限られていますが、汎用できないこともない……かもしれない。

③“親和性が高い”
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辞書にも掲載されている言葉ですが、大学生のときはまったく使わなかったのに社会人になってからやたらめったら使うようになった言葉の中では断トツ1位かと。
意味は、“物事を組み合わせたときの、相性のよさ。結びつきやすい性質。”(goo辞書より)

「あの商品とこの商品は親和性が高いから、販売店では並べて置いてほしい」的なシーンでよく使われるので、出版社でなくても製造業の企画開発や営業の方々も使われているのではないかと想像します。
“親和”という名詞には意味が2種類あり、
(1)なごやかに親しむこと
(2)異種の物質がよく化合すること
一般的に名詞単体では(1)の意味で使われることが多いかと思いますが、“親和性”は(2)の意味に接尾辞の“性”をくっつけた言葉なので、その用法の意外性により、初めて聞いたときに「おっ」と思わせられるのではないかと思います。
編集者よりも営業の皆さんのほうが日々口にする頻度は高いかもしれません。

③“分水嶺”
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①と②で早くもネタが切れてしまいまして、編集者語ではないのですが。
分水嶺(ぶんすいれい)とは、“物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。”(goo辞書より)

物事の重要な局面でふと登場するのがこの言葉です。
「ここで○○できるかどうかが分水嶺だ」といった使われ方をします。
そもそも雨水がふたつ以上の水系へ分かれて流れている山稜のことを分水嶺と言うそうで、
そのどっしりとした山岳(イメージ)を背景に感じさせることで大変重みのある言葉となっています。

以上、ことわざでも故事成語でもなく本をつくる現場で生まれた独自の言い回しを探してみたのですが、意外と思いつかず。
(「青天井」とか「生き馬の目を抜く」とか、なんらかの語源がある言葉がさらっと口に上る人も大人だなあと思います)
ほかにも何かあるはずなので、もう少し気を付けて用語採集してみたいと思います。

杉本