梅シーズン間近! 貴重な梅を余さず使う「梅味噌」と、生梅がなくても作れる「梅醤」のレシピ【梅仕事】


もうすぐ年に一度の梅シーズンが到来! 初夏の手仕事を今から心待ちにしている人も多いのではないでしょうか?

じつは、2025年、雹(ひょう)の被害による梅の深刻な不作が見込まれています。梅仕事を恒例にしている人の中には、2024年も大不作で「梅が思うように手に入らなかった」という記憶も新しいかもしれません。

そんな今だからこそ、ここでは貴重な梅や傷のある梅を余さずに活用する梅仕事のレシピをご紹介! 

傷のある梅でも美味しく作れる梅仕事はたくさんあります! 教えてくれるのは、120年続く梅農家の5代目であり、新進の梅干し屋社長である梅ボーイズ・山本将志郎さん。

2025年4月21日に発売され、Amazonベストセラー2冠(和食カテゴリ、専門料理カテゴリ、2025/3/22)に輝いた山本さんの著書『120年続く梅農家が教えたい まいにち梅づくし生活』の中から抜粋してお届けします。

 

傷梅を救済! 梅を余さず使い切る「梅味噌」

山本さんが自身のYouTubeで発信している梅農家ならではのレシピの中でも、特に人気なのが、梅味噌。味噌に梅を漬けることでコクが増し、いつもの料理がひと味違って感じられます! 

野菜スティックにつけたり、豚肉を梅味噌に漬けて焼くだけでも◎。少量から作れて、初心者でも挑戦しやすい梅仕事です。

梅仕事の時期:5月下旬~7月上旬
食べごろ:1週間後~
保存:冷蔵で1年以上

材料(作りやすい分量)

青梅または完熟梅…200g
合わせ味噌…200g(梅と同量)
はちみつ(またはてんさい糖、グラニュー糖)…140g

用意するもの

保存容器(ガラスやプラスチックのもの)
竹串またはつまようじ

梅の選び方

おすすめは青梅。完熟梅はフルーティーな甘めの味噌になる。また、傷がある梅や、冷凍梅でも美味しく仕上がります。深い傷(かさぶたのようになった傷)や、範囲が広くて大きい傷はその部分だけ切り取る。

作り方

1. 梅を洗い、キッチンペーパーでしっかり水けをふき取る。
POINT:ヘタの部分に水分が残りやすいので注意。梅味噌を作る場合は、青梅でも水にさらしてアク抜きする必要はありません。

2. ヘタを竹串またはつまようじで取る。
POINT:完熟梅の場合はヘタがついていないので取る必要はありません。

3. 清潔な保存容器に味噌とはちみつを入れ、よく混ぜる。
POINT:砂糖でも作れますが、コクが増すのではちみつがおすすめ。はちみつや砂糖を入れても梅の酸で意外とスッキリした味噌に。

4. 梅を加え、上から軽く味噌をかける。
POINT:梅の水分が抜けてしぼんでいくので、完全に味噌がかぶらなくても問題ありません。

5. 冷蔵庫で1週間以上漬ける。3~4日に1回かき混ぜる。

6. 梅はずっと漬けておいても、1週間経ったら取り出してもよい。取り出さずに熟成させる場合は、その後1週間に1回程度かき混ぜる。
POINT:取り出した梅はもう一度同様に味噌を漬けることができます。2回漬けた後の梅は、種を取りのぞいて料理に使ったり、刻んで味噌に戻して一緒にいただけます。

 

生梅がなくても作れる「梅醤」

「梅不足で梅が手に入らない!」「梅シーズンが待ちきれない!」という方におすすめなのが、梅醤(うめびしお)。梅干しを使うので、今こそ作りたい梅仕事です。こちらも梅味噌と同じく、鶏肉にもみ込んで焼いたり、野菜につけたりすると美味しいですよ。おばあちゃんの秘伝の味です。

梅仕事の時期:いつでも
食べごろ:完成後すぐ~
保存:冷蔵で1年以上

材料(作りやすい分量)

梅干し(塩分18%)…種をのぞいて100g
砂糖(てんさい糖またはオリゴ糖、はちみつ)…60g(種をのぞいた梅干しの60%)
※梅干しの塩分15%の場合は50g(種をのぞいた梅の50%)に調整する。

用意するもの

鍋(ホーロー、土鍋、テフロン加工のもの)
木べらまたはゴムべら
保存容器(ガラスやプラスチックのもの)

作り方

1. 手で梅干しを潰すようにしながらトゲに注意して種を取りのぞき、重量を測る。
POINT:皮が破れていたり、古くて乾いてしまった梅干しでも問題ありません。

2. 鍋に()の梅干しを入れ、中火にかける。へらでかき混ぜながら1分ほど加熱する。

3. 果肉がなめらかになったら弱火にして、砂糖を加える。焦げないようにかき混ぜながらさらに1分ほど加熱する。

4. ふつふつしてきて、テリが出たら完成。

5. 熱いうちに清潔な保存容器に詰める。すぐにふたをして、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存する。

 

さらに本書『まいにち梅づくし生活』では、梅の選別方法を一つひとつ詳しく紹介。


梅を知り尽くしたプロがどこよりも簡単に、そしてどこよりも丁寧に伝授します。梅の選別から仕込みまで全工程写真つきで解説し、よくあるトラブルや疑問にも一つひとつ答えているので、初めての梅仕事でも安心です。

美味しくて、しかも健康にもいい。そんな梅の魅力が詰まっているんです。2025年の梅シーズンは、この1冊を片手に梅仕事に挑戦してみては?

写真/柿崎真子

\好評発売中!/
120年続く梅農家が教えたい まいにち梅づくし生活
著:山本将志郎

クラウドファンディング実施中

ひょうで傷ついた梅を生かして「梅ボーイズ」が商品化します!
詳細は下記URLから
https://camp-fire.jp/projects/845104/

山本将志郎 

梅ボーイズリーダー
和歌山県日高郡みなべ町で120年続く梅農家の5代目。昔ながらのすっぱい梅干しを残すため、令和元年に梅干し屋「うめひかり」を開業。塩と紫蘇だけで漬ける甘くない梅干しを作っている。
YouTubeチャンネルでは、農家ならではの梅仕事のコツや梅の知識、梅料理が好評を博している。
梅の魅力を伝えるとともに、日本の一次産業の基盤を作るという志の元に、林業や海の事業へと活動の幅を広げている。

公式HP https://umenokuni.com/
YouTube 梅ボーイズ