「五月病」に効く!体質別・自律神経セルフケアをご紹介【やる気が出ない、疲れやすい…】

「五月病」に効く!体質別・自律神経セルフケアをご紹介【やる気が出ない、疲れやすい…】


皆さん、ゴールデンウィークは、どのように過ごされましたか? 張り切って旅行や遠出をしてみたものの、心身ともになかなか通常の生活に戻れず「やる気が出ない」「疲れやすい」「体が重い」……といった、いわゆる“五月病”のような不調に悩まされている人も多い頃かもしれません。


(イメージ:写真AC)

ここでは、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として訪問治療をしながら、書籍やテレビ、SNSなどを通じて自律神経の整え方やツボの取り方、不調との向き合い方を発信している、TC鍼灸マッサージ院院長・森田遼介先生に、なかでも“40〜50代の大人の女性”の不調を改善するヒントを、体質・症状別に教えていただきます。

それでは、ご自分の体質にぴったりと合うセルフケアを見つけ、この時期特有の不調を体質別に改善していきましょう!

【※この連載では、東洋医学の観点から体質を「気虚」「血虚」「気滞」「瘀血」「陰虚」「水滞」の6つのタイプに分けてご紹介しています。まずは第1回でご自分の体質をチェックしてみてください】

 

「五月病」の改善法は「腸内環境の改善」から!

「やる気が出ない」「体が重い」「疲れやすい」などの不調に悩まされている人は、まずは腸内環境を整えましょう。

腸内環境が乱れて悪玉菌優勢の状態になると、「やる気がでない」「だるい」などの症状に代表される、軽度の抑うつ状態に陥りやすくなるためです。また、太陽の光やウォーキングなどのリズム運動は、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促します。


(イメージ:写真AC)

セロトニンが不足し、やる気が出なくなることを東洋医学的には「気虚(ききょ)」「気滞(きたい)」と捉え、体が重だるい・疲れやすいといった症状は「水滞(すいたい)」に当てはめることが多い傾向にあります。

また、下半身の血流は腸の血流と関係しているため、ふくらはぎ等の下半身の筋肉を鍛えて動かし、余計な水分を排出しやすくする体作りが大切です。

そして、お腹が鳴るのは腸内で大掃除が始まったサインだとご存じでしょうか。腸内を整えると便秘や重だるさを改善できるだけでなく、お肌の調子が良くなります。

できればお腹が鳴ってから1時間後を目安に食事を摂るようにしましょう。お腹が鳴って1時間も待てないという人は、30分だけでも我慢をするように心がけると、お腹が張る、イライラしやすいといった症状まで改善される人が多くいらっしゃいます。

以上は、この「五月病」の時期特有の不調に、すべての体質の方に積極的に行っていただきたい必須セルフケアです。

まとめ 必須セルフケア

1.朝日を浴びる
2.一日10分でもウォーキングをする
3.お腹が鳴ってから1時間後に食べる

 

不調が出やすい「体質別ランキング」とその改善法

次は、特にこれらの不調を感じやすい「体質と対策」をランキング形式でご紹介します。ご自身の体質に合ったセルフケアを見つけてください。

第1位:気虚タイプ

【体質】
「気」が足りずにエネルギー不足でやる気が減退、疲れやすい。脾の働きの低下から体がむくみやすく重だるい。

【対策】
このタイプは、胃腸が疲れて栄養を吸収できていません。できるだけ消化の良いものや胃腸を冷やさないといった胃腸に優しい食事を心がけ、よく噛むことが最大のセルフケアとなります。

よく噛むことは消化促進効果だけでなく、リズム運動になってセロトニンの分泌を促す効果もあります。また、米・芋・鶏肉・卵・味噌を温かい食事に加えられると気を補うことができるので、意識的に摂るようにしてみてください。


(イメージ:写真AC)

 

第2位:気滞・瘀血タイプ


【体質】
「気」と「血」の流れが滞り、やる気が出ない、疲れやすい、冷えが強い。

【対策】
香りは気血のめぐりを改善させますが、なんといっても即効性が抜群です。一般的に香りは0.2秒で脳波を変えると言われており、一瞬で気持ちを切り替えることができるのです。

そこで、やる気がない、体が重い、疲れやすいという症状は、身体がOFFモード(副交感神経優位)状態なため、ONに切り替えるアロマを選択しましょう。

ローズマリーや柑橘類、ペパーミント、ユーカリ、ライムなどがあります。また低気圧時にも身体はOFFモードになりやすいため、自分が心地よいと感じる種類のアロマを常備しておきましょう。


(イメージ:写真AC)

 

第3位:水滞タイプ

【体質】
体に余分な「水」が溜まりやすく、重だるさを覚える。

【対策】
雨の日に調子が悪くなる人も多いですが、特に水分代謝が悪くなっているという体からのサインとして、重だるさという症状が出やすくなります。そこで、室内で「踵上げの反復運動」をしたり、「半身浴」をして汗から体内の余計な水分を出すと良いでしょう。


(イメージ:写真AC)

 

「やる気が出ない」「体が重い」「疲れやすい」といった不調は、「五月病」の時期によく陥りやすいお悩みですが、もしかすると一年を通じてこれらの症状に悩まされている方もいるかもしれません。

ぜひ、この機会に自分にぴったりのセルフケアを見つけ、無理なく習慣化させていきましょう!

*次回は6月18日更新予定です。

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自律神経にいいこと大全100
著:森田遼介


Written by 森田 遼介
森田 遼介

TC鍼灸マッサージ院 院長
国家資格:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師。鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行う。予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立し、4か月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。
治療の特徴としては、全身の筋肉や内臓の調整をしつつ、不調の改善以降は再発の防止や他の大きな病気にかかるリスクを最小限にする、「未病」に対する治療で人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。
2021年2月NHK特番「東洋医学ホントのチカラ」・2021年4月NHK「あさイチ」・2024年4月フジテレビ「ホンマでっか!?TV」出演。
初の書籍『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス)のほか、『しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)ツボ監修。
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