「梅雨のむくみ」解消!体質別・自律神経セルフケアをご紹介【体が重だるい、足の冷え・むくみ…】

「梅雨のむくみ」解消!体質別・自律神経セルフケアをご紹介【体が重だるい、足の冷え・むくみ…】


梅雨に入った頃から「夕方になると足がパンパンに」「靴が履きづらい」「体がいつも重だるい」……そんな不調に見舞われている人も多いのでは? じめじめとしたこの時期は水分代謝が悪くなり、低気圧で自律神経も乱れるので、むくみに悩まれる方が多いのです。


(イメージ:写真AC)

ここでは、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として訪問治療をしながら、書籍やテレビ、SNSなどを通じて自律神経の整え方やツボの取り方、不調との向き合い方を発信している、TC鍼灸マッサージ院院長・森田遼介先生に、なかでも“40〜50代の女性”の不調を改善するヒントを、体質・症状別に教えていただきます。

それでは、ご自分の体質にぴったりと合うセルフケアを見つけ、この時期特有の不調を体質別に改善していきましょう!

【※この連載では、東洋医学の観点から体質を「気虚」「血虚」「気滞」「瘀血」「陰虚」「水滞」の6つのタイプに分けてご紹介しています。まずは第1回でご自分の体質をチェックしてみてください】

 

むくみ対策には「入浴」で血流を促進させる!

ただでさえむくみやすい梅雨時期ですが、更年期のむくみの特徴として、朝はスッキリしているのに夕方になるとパンパンになる、靴がキツく履きにくいといった症状が、冷えやのぼせと同時に起こりやすくなります。

そんな時は、入浴がおすすめです。体を温めながら血流を促進させ、水圧で末端の水分を排出しやすくなるためです。水温42度以上では、交感神経が刺激され血管は収縮し湯冷めもしやすくなるため、41度以下のお湯に15分ほどゆっくり浸かると良いでしょう。

そして、むくみに効果的なツボが、ふくらはぎの内側にある「陰陵泉(いんりょうせん)」です。内くるぶしから骨の際に沿って上がっていき、膝の下あたりに指がピッと止まるところがあるはず。その付近で圧痛点(圧迫すると痛みがあるポイント)を探してみてください。

この陰陵泉は婦人科系や泌尿器科の不調にも効果があるので、お灸やカイロなどで温めてあげると効果的です。


(イメージ:イラストAC)

また、下半身には体中の約60~70%の筋肉が集中しているため、スクワットをして血管を動かし筋ポンプ作用を促しましょう。

とはいえ、スクワットは体を壊しやすいため注意が必要です。日々臨床の現場にいると、スクワットを始めてすぐに膝や腰を痛める人を多くみます。体を痛めないポイントとしては、体を落とす時に「膝がつま先よりも前に出ない」こと。そして、腕は胸の前で組み、腰が反らないように気をつけてください。

はじめてスクワットを行う、もしくは久しぶりに行うという人は、滑りのいい壁やドアを背中に付けてもたれるようにして、負担が少ない形で行うと良いでしょう。

それでは、6月の梅雨の時期特有の不調にうってつけのセルフケアを、まとめておきましょう。

まとめ 必須セルフケア

1.お風呂に浸かる
2.陰陵泉というツボにお灸をする
3.スクワットをする

 

不調が出やすい「体質別ランキング」とその改善法

次に、特にこれらの不調を感じやすい「体質と対策」をランキング形式でご紹介します。ご自身の体質に合ったセルフケアを見つけてください。

第1位:水滞タイプ

【体質】
体に余分な「水」が溜まりやすく、むくみと重だるさを覚える。

【対策】
むくみ対策は歩くことが大切で、厚生労働省が推奨している一日の理想的な歩数は、男性:8,000歩前後、女性:7,000歩前後が目安とされています。陰陵泉のツボをお灸で温めたり、指圧することもオススメです。

また、着圧ソックスを愛用している女性は多くいらっしゃることと思います。着圧ソックスは、簡単にいうと体に圧力をかけて血流を良くし、余計な水分を排出しやすくする効果があります。

ただし、一時的には改善効果があるかもしれませんが、筋肉や血管の働きを助けている分、長く使っていると自分の筋肉や血管の働きが悪くなってしまいます。ですので、病気など特別な事情がある人や次の日にファッションで足を出したい時など、一時的に使用する程度にしておきましょう。

 

第2位:気虚タイプ

【体質】
「気」が足りずにめぐりが悪くなり、代謝が低下してむくむ。

【対策】
このタイプは「関元(かんげん)」というツボを温めることがおすすめのセルフケアになります。関元は「元気(原気)」を蓄える場所。


(イメージ:イラストAC)

また、下腹部は五臓の「腎」に関係が深い部位とされるため、ここを温めることで気を増やしやすく、めぐりやすくなります。カイロや、腹巻、耐熱ペットボトルにお湯を入れて関元を温めましょう。

 

第3位:瘀血タイプ

【体質】
「血」が滞り余計な水分が溜まりやすく、むくみと重だるさを覚える。

【対策】
このタイプには、むくみにもダイエットにも良い「酢納豆」がおすすめです。納豆のナットウキナーゼが血液をサラサラにし、カリウムが塩分を排出し水分バランスを整えてくれます。


(イメージ:写真AC)

酢のクエン酸は冷えや代謝低下によるむくみ解消に良く、酢は脂肪燃焼・血糖値の安定化からダイエットにも効果的。納豆のタレをそのまま使うよりも痩せやすくなりますよ。

〈「納豆酢」レシピ〉
1.納豆を冷蔵庫から出して20分ほど常温に置いておく(これによってナットウキナーゼの活性化が期待できます)。
2.タレの代わりに酢(米酢・黒酢・リンゴ酢)小さじ1~2を入れてよく混ぜる。

〈むくみ改善におすすめのアレンジ〉
・黒酢+刻みネギ+すりごま → 血流改善、代謝アップ
・リンゴ酢+オリーブオイル+黒コショウ → 美肌&抗酸化作用アップ
・ハトムギ粉+酢納豆 → デトックス効果アップ

 

ただでさえ心も体もジメジメしやすいこの時期は、入浴して体の血流を良くし、水分バランスを整えてくれる食材を摂るなど、めぐりとデトックスを意識して過ごしましょう。

自分にぴったりのセルフケアを見つけたら、無理なく習慣化させてくださいね。

*次回は7月16日更新予定です。

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自律神経にいいこと大全100
著:森田遼介


Written by 森田 遼介
森田 遼介

TC鍼灸マッサージ院 院長
国家資格:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師。鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行う。予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立し、4か月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。
治療の特徴としては、全身の筋肉や内臓の調整をしつつ、不調の改善以降は再発の防止や他の大きな病気にかかるリスクを最小限にする、「未病」に対する治療で人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。
2021年2月NHK特番「東洋医学ホントのチカラ」・2021年4月NHK「あさイチ」・2024年4月フジテレビ「ホンマでっか!?TV」出演。
初の書籍『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス)のほか、『しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)ツボ監修。
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note @harikyumorita 

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