
夏の不眠を改善! 体質別・自律神経セルフケアをご紹介【寝つきが悪い、睡眠が浅い、途中覚醒…】
猛暑日がつづくこの夏は、夜になっても熱帯夜(最低気温25℃以上)になることが多く、日中と同様に注意が必要です。
一年を通じて悩まされる人の多い不眠ですが、寝苦しさのせいで「寝つきが悪い」「睡眠が浅い」など、昨今ではとくに睡眠障害の多い季節になっているようです。また、猛暑日の寝不足は、命に関わる症状につながりかねません……。
(イメージ:写真AC)
ここでは、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として訪問治療をしながら、書籍やテレビ、SNSなどを通じて自律神経の整え方やツボの取り方、不調との向き合い方を発信している、TC鍼灸マッサージ院院長・森田遼介先生に、なかでも“40〜50代の女性”の不調を改善するヒントを、体質・症状別に教えていただきます。
それでは、ご自分の体質にぴったりと合うセルフケアを見つけ、この時期特有の不調を体質別に改善していきましょう!
【※この連載では、東洋医学の観点から体質を「気虚」「血虚」「気滞」「瘀血」「陰虚」「水滞」の6つのタイプに分けてご紹介しています。まずは第1回でご自分の体質をチェックしてみてください】
「後頭部や背中」のストレッチで、睡眠の質UP!
病院で不眠症状を訴えると多くの場合で睡眠薬を処方されますが、東洋医学の分野ではより細分化して診ていきます。たとえば「入眠障害」「中途覚醒」「睡眠の質の低下」で起きても寝足りないのか、日中眠気に襲われることが多いのかなどを細かく聞いていきます。
背中や肩の筋肉は後頭部から始まる僧帽筋(そうぼうきん)や脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)などで繋がっていますが、これら後頭部や背中の筋緊張を抑えることで副交感神経が優位になりやすく、実際に睡眠の質が良くなるのです。
ですので、疲れやストレスからくる筋肉のコリや緊張を緩和させるためにも、次の「首・肩・背中のストレッチ」をこまめに行うようにしてください。
「首・肩・背中のストレッチ」のやり方
△『自律神経にいいこと大全100』(著:森田遼介)より/イラスト:日江井香
①呼吸を止めずに左右の肩甲骨を寄せ、無理のない範囲で頭を上に向ける。
②その状態で5秒間キープする。
これを3セット行いましょう。1分以内に終わるため、デスクワークや家事をしている合間にも行えます。
また、東洋医学ではヘソを温めると良いと考えます。ヘソの中心には「神闕(しんけつ)」というツボがありますので、腹巻きなどで温めながら眠りにつきましょう。
そして、経験のある人も多いかと思いますが、疲れていなくても疲れすぎていても眠りにつけなくなる傾向があります。つまり、ほど良い肉体疲労こそが睡眠向上の鍵であるというわけです。
気や血(けつ)、水(すい)のめぐりは、運動不足でも運動のし過ぎでも滞りやすくなります。適度な運動をして血流を良くし、睡眠時には陽気がお腹に集まってリラックスできるような環境づくりを心がけましょう。
ここで言う適度な運動とは、次の日に疲れを溜めない程度、または少しだけ残る程度に抑えて行う運動のことです。特に「第二の心臓」といわれる、ふくらはぎを使う運動や散歩などは、気血のめぐりをよくするのでおすすめです。
(イメージ:写真AC)
それでは、夏の不眠にうってつけのセルフケアを、まとめてみましょう。
まとめ:必須セルフケア
1.後頭部の筋緊張を抑える
2.適度な運動をする
3.ヘソを温めて寝る
不調が出やすい「体質別ランキング」とその改善法
次に、特にこれらの不調を感じやすい「体質と対策」をランキング形式でご紹介します。ご自身の体質に合ったセルフケアを見つけてください。
第1位:気虚タイプ
【体質】
「気」の不足から寝る体力もなく、夜に思い悩むことが多く不眠になりやすい。
【対策】
胃腸の調子を整え、就寝前からお腹に陽気が集まりやすい状態をつくるために、ヘソとみぞおちの中間点にあるツボ「中脘(ちゅうかん)」を温める習慣をつくりましょう。
中脘は、胃腸の調子を助けて腸内環境を整わせる効果があり、美肌効果が期待できるツボなので美容面でも活躍します。
また、「考えたくないのに、気がついたら頭の中で悩み事がグルグルしてしまう……」という人は、脾(消化器系)の働きが低下しているかもしれません。
東洋医学には『五行論』という考え方があり、脾は感情の「思」と関わります。そこで、胃腸に優しい食事を心がけることも大切です。
第2位:血虚タイプ
【体質】
「血」が不足しているため、「血」の巡りが悪く不眠となる。肝の働きの低下から「血」が少なくなり寝る体力が落ちる。
【対策】
血虚タイプには「レバーとほうれん草のにんにく炒め」がおすすめ。レバーは最強の補血食材で、ほうれん草&にんにくを組み合わせることで、鉄分の吸収率がアップします。
〈レバーとほうれん草のにんにく炒め〉
材料
鶏レバー 150g
ほうれん草 1/2束
にんにく 1片(みじん切り)
ごま油 大さじ1
にんにく 1片
A———————————–
酒 大さじ1
醤油 小さじ1
塩こしょう 各少々
————————————-
作り方
1.レバーは流水で洗い、牛乳(または水・分量外)に10分つけて臭みを取る。水気を拭き、食べやすく切る。
2.ほうれん草はサッと茹で、水気を絞って3センチ幅に切る。
3.フライパンでごま油と、みじん切りにしたにんにくを熱し、香りが立ったら(1)のレバーを入れて炒める。
4.レバーに火が通ったら、ほうれん草と(A)を加えてサッと炒める。仕上げにお好みで白ごまを振る。
第3位:気滞タイプ
【体質】
「気」の巡りが滞り、眠りが浅くなってよく夢を見る。少しの物音で起きやすい。
【対策】
「気」は五臓の「肺」と関係が深く、気の巡りの滞りは呼吸から整えます。しかし、就寝前に運動をしてしまうと脳が覚醒して眠れなくなりますよね。
そんな時は、ベッドに入ったタイミングで腹式呼吸をゆっくりと10回行ってみてください。「気」がスムーズに流れ、心身の緊張が落ち着いてくるはずです。
(イメージ:写真AC)
また、寝る前だけでいいので仰向けで親指を外側に向けると、筋の繋がりから胸が開いて呼吸がしやすくなります。パソコンや家事などでは親指を内側に向けて作業をすることが多い現代人ですが、「本来は親指が外側に位置することが基本姿勢」だと覚えておきましょう。
第4位:陰虚タイプ
【体質】
「陰」が不足して身体の潤いが不足し、熱がこもりやすい。
【対策】
寝る前に足がカッカしてほてり眠れないという人は陰虚タイプかもしれません。東洋医学ではこれを「五心煩熱(ごしんはんねつ)」といいます。
水分補給はしっかりと行っているでしょうか。陰虚タイプで気をつけるべきことは、身体が潤い不足のため、汗をかき過ぎると不調が悪化しやすくなるという点です。
白きくらげ、クコの実、山芋、梨、豆腐、黒ごまなど、潤いを補う食材を意識するようにしましょう。
また、辛い食べものは発汗を促し、身体を乾燥させやすくすると考えるため、生姜や胡椒、山椒、唐辛子などの香辛料の摂りすぎには注意が必要です。
寝汗がひどくなる場合があるほか、これまでの長い臨床経験の中で、陰虚タイプの人は更年期に不眠に悩まされる方が多くいらっしゃることもわかっています。寝る前のスマホは陰の消耗に繋がりますので控えましょう。
ひと言で「不眠」と言っても、その症状と背景に隠れている原因はさまざま。睡眠薬を活用するのも一つの手ですが、まずは自分の体質を知ることで、ぴったりのセルフケアを見つけてみてください。
無理なく習慣化させることで、質の良い睡眠を取り戻していきましょう。
*次回は9月17日更新予定です。
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『自律神経にいいこと大全100』
著:森田遼介