忘年会シーズンの「胃もたれ・胸やけ」対策! 体質別・自律神経セルフケアをご紹介【胃痛、腹部の不快感、胃腸疲れ…】

忘年会シーズンの「胃もたれ・胸やけ」対策! 体質別・自律神経セルフケアをご紹介【胃痛、腹部の不快感、胃腸疲れ…】


忘年会シーズン真っ只中の12月は、ついつい食べ過ぎ&飲み過ぎに。とくに脂っこいものやアルコールは胃腸に大きな負担をかけるため、「胃もたれ」「胸やけ」に悩まされる人の増える頃です。ただでさえ消化力が低下しやすい更年期の女性にとっては、これから年明けにかけて、楽しくも悩ましいシーズンの到来となるかもしれません。


(イメージ:写真AC)

ここでは、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として訪問治療をしながら、書籍やテレビ、SNSなどを通じて自律神経の整え方やツボの取り方、不調との向き合い方を発信している、TC鍼灸マッサージ院院長・森田遼介先生に、なかでも“40〜50代の女性”の不調を改善するヒントを、体質・症状別に教えていただきます。

それでは、ご自分の体質にぴったりと合うセルフケアを見つけ、この時期特有の不調を体質別に改善していきましょう!

【※この連載では、東洋医学の観点から体質を「気虚」「血虚」「気滞」「瘀血」「陰虚」「水滞」の6つのタイプに分けてご紹介しています。まずは第1回でご自分の体質をチェックしてみてください】

 

「更年期」には「胃腸の働きが低下」する

更年期には、女性ホルモン「エストロゲン」の減少が自律神経に影響を与え、胃腸の働きが低下しやすくなります。

消化力の低下から食後の胃もたれを起こしやすくなったり、胃酸の分泌が不安定になって胸やけや胃痛も起きやすくなります。ストレスから胃腸の働きが鈍くなることもあるため、日頃からこまめに発散することを心がけましょう。

消化に良い食材としては、お粥や豆腐、白身魚、温野菜、ヨーグルトがおすすめ。胃を守る食材としては、キャベツや長芋、オクラなどが粘膜を保護してくれます。


(イメージ:写真AC)

また、逆流性食道炎のリスク軽減や胸やけ防止に、食後2~3時間は横にならないように気をつけてください。胃腸の調子が悪くなると、エネルギーが作れないため、体力が一日を通して持たなかったり、食後に眠たくなりやすくなります。

エストロゲンの減少は、食欲にも影響を与えます。食欲の抑制が効きにくくなり、加えて、胃腸の調子が悪くなると満腹中枢が正常に働かなくなるため、いくら食べても満足感がなくなるのです。

さらに、インスリンの働きが不安定になり、血糖値の急上昇・急降下が起こりやすいため、くれぐれも食事には気をつけてください。血糖値スパイクを防ぐためには、一日3食、朝食もしっかり摂るようにしましょう。

それでは、この時期に出やすい症状に、うってつけのセルフケアをまとめてみましょう。

まとめ:必須セルフケア

1.消化に良いもの・胃を守る食材を選ぶ
2.食後すぐに横にならない
一日3食、朝食をしっかり食べる

 

不調が出やすい「体質別ランキング」とその改善法

次に、特に「胃もたれ・胸やけ」の不調を感じやすい「体質と対策」をランキング形式でご紹介します。ご自身の体質に合ったセルフケアを見つけてください。

第1位:気虚タイプ

【体質と対策】
気の不足から胃腸の動きが弱まり、食後に胃もたれしやすいタイプ。疲れやすく、だるさを併発しやすいでしょう。

そこで、気を補う食材をたっぷり使った「ほっこり胃腸いたわり味噌汁」をご紹介します。さつまいもが消化に優しく気を補い、粘膜を保護して消化を助けます。キャベツ、大根、味噌は気血(きけつ)を補います。


(イメージ:写真AC)

〈ほっこり胃腸いたわり味噌汁〉
材料
さつまいも 1/2本(約100g)
大根 3~4cm
キャベツ 2枚
だし汁(鰹だしor昆布だし) 500ml
味噌 大さじ1と1/2~2
生姜(すりおろし) 適量
白ごまor黒ごま 適量

作り方

1.さつまいもは薄めの半月切りにし、5分ほど水にさらしてアク抜きする。大根は、いちょう切りにする。キャベツはざく切りにする。
2.鍋にだし汁、()のさつまいもと大根を入れ、7~10分ほど煮る。キャベツを加え、さらに2分ほど煮る。
3.弱火に落とし、味噌を混ぜ溶かす。仕上げに生姜とごまを加えて完成。

 

第2位:気滞・瘀血タイプ

【体質と対策】
気や血(けつ)の滞りで、胃酸の逆流や胸やけが起こりやすくなります。
このタイプは散歩やヨガなど、軽い運動で気血のめぐりを促すことが良いセルフケアとなります。ポイントは、「できるだけ少しずつ始めること」。胃もたれや胸やけがあるということは、すでに胃腸は疲れています。


(イメージ:写真AC)

その状態で頑張り過ぎると、より胃腸が疲れる恐れがあるため、少しずつ様子を見るようにしましょう。次の日に疲れが残らない程度に運動量を調整して始めると、脳も新しいことへの挑戦に拒否反応を起こさず、良いスタートが切れるはずです。

 

第3位:水滞タイプ

【体質と対策】
水(すい:津液)のめぐりが悪く、胃腸に水が溜まり不快感を覚えやすくなります。このタイプは、「足三里(あしさんり)」や「陰陵泉(いんりょうせん)」といったツボにお灸や指圧をするとよいでしょう。

理想は足三里と陰陵泉の両方にお灸をすることで、できれば3回ほど繰り返します。どちらかに絞る場合は、指圧をして特にズーンとする反応が強いほうを選んでください。



(イラスト/関根庸子(Cc:荒井敬)『更年期と自律神経をととのえる本』より)

このタイプには、よく足がつるという人や、膝から足首の間に細絡(さいらく:赤紫色の糸ミミズのような細かい血管)が出ている人が多く見られます。これらは血流が悪いというサインです。冷たい飲み物・水分の摂り過ぎや、乳製品の過剰摂取に気をつけましょう。

 

消化に良いもの・胃を守る食材を摂るといった食養生だけでなく、食後すぐに横にならない、軽い散歩に簡単ツボ押しと、今すぐ取り入れたい簡単セルフケアも——。健やかな胃腸の働きは、体調を整える上で非常に重要なポイントになります。

自分の体質に合ったぴったりのセルフケアを見つけて、楽しい「年末年始」を過ごしてくださいね。

 

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