更年期に多い「尿漏れ・頻尿」を改善! 体質別・自律神経セルフケアをご紹介【トイレが近い、くしゃみで尿漏れ…】
更年期に起こる症状はじつにさまざまですが、なかでも「尿漏れ・頻尿」は多くの女性が経験する、女性ホルモン・エストロゲンの減少に起因する不調の一つ。
更年期に限らず若い女性でも決して珍しい悩みではありませんが、デリケートな話題のため言い出しづらく、誰にも相談できないまま悩んでいるという人も少なくありません——。

(イメージ:写真AC)
ここでは、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として訪問治療をしながら、書籍やテレビ、SNSなどを通じて自律神経の整え方やツボの取り方、不調との向き合い方を発信している、TC鍼灸マッサージ院院長・森田遼介先生に、なかでも“40〜50代の女性”の不調を改善するヒントを、体質・症状別に教えていただきます。
それでは、ご自分の体質にぴったりと合うセルフケアを見つけ、更年期特有の不調を体質別に改善していきましょう!
【※この連載では、東洋医学の観点から体質を「気虚」「血虚」「気滞」「瘀血」「陰虚」「水滞」の6つのタイプに分けてご紹介しています。まずは第1回でご自分の体質をチェックしてみてください】
「腹式呼吸」&「肛門・膣トレ」が効果的!
「くしゃみでチョロっと……」「トイレが近くて外出が不安」など、40代後半から増えてくる尿漏れや頻尿。恥ずかしくて相談しづらいという方も多いのですが、多くの女性が鍼灸を受けているときにカミングアウトされる症状の一つです。その原因の一つが「骨盤底筋のゆるみ」。
対策としては、骨盤底筋を鍛える基本のトレーニング「腹式呼吸」があります。ゆっくり丁寧に、4秒で吸って8秒間で吐きます。しっかり息を吐き切るところがポイント。これを、朝10回、夜10回を目安に行ってください。
また、肛門・膣トレも効果的です。やり方は、肛門と膣をキュッと締めて息を止めずに5秒キープ。これを5秒のインターバルを設けながら計5回行いましょう。
最初は一日3セット、難なくできるようになったら5セットが目標です。地味な運動ですが、お腹のインナーマッスルが落ちていると最初は大変に感じる人もいることでしょう。

(イメージ:写真AC)
ちなみに、骨盤底筋がうまく使えずに緩んでいるサインは、意外にも「ヘソの形」に現れます。「一」や「へ」の字のように横に伸びてしまっている人は要注意。インナーマッスルが弱く骨盤底筋が内臓の重みに負けて膀胱を圧迫している可能性が高く、尿漏れや頻尿に繋がってしまいます。
さらに、東洋医学では膀胱の機能は、五臓(ごぞう)の「腎(じん)」の働きと考えます。
トイレを我慢できない、ちょっとした拍子に漏れる、何度もトイレに行く、尿が出切らずスッキリしないといった症状は、腎気の弱り。お腹の中で下腹部は「腎」のエリアになりますから、そこに存在する「関元(かんげん)」のツボを温めましょう。

(イラスト/関根庸子(Cc:荒井敬)『更年期と自律神経をととのえる本』より)
それでは、「尿漏れ・頻尿」の症状に、うってつけのセルフケアをまとめてみましょう。
まとめ:必須セルフケア
1.腹式呼吸を朝10回、夜10回行う
2.キュッと締める肛門・膣トレ
3.関元のツボを温める
「尿漏れ・頻尿」の不調が出やすい「体質」とその改善法
次に、特に尿漏れ・頻尿の不調を感じやすい「体質と対策」をランキング形式でご紹介します。ご自身の体質に合ったセルフケアを見つけてください。
第1位:陰虚タイプ

【体質と対策】
陰が不足し、「腎」が司る排尿コントロールやホルモン調整が弱まり、不調が起こります。このタイプは「腎」を補う必要があるので、“ぽかぽか腎活”が有効なセルフケアとなります。
ちょうど腰とお尻の間にある骨盤の中心、腎エリアの、仙骨(せんこつ)をカイロや温灸シールなどで温めてください。

(イラスト/関根庸子(Cc:荒井敬)『更年期と自律神経をととのえる本』より)
ここには腰の下に左右4つずつある八髎穴(はちりょうけつ)」というツボがあり、「血の道症(ちのみちしょう/女性ホルモンの変動に伴う精神神経症状や身体症状)」に効果があるとされています。
また、足湯&ツボ刺激もおすすめです。
足湯に5〜15分浸かったあとに「腎経(じんけい)」のスタートとなるツボ「湧泉(ゆうせん)」を気持ちの良い強さで3秒キープ╳3回を左右指圧してください。足湯の準備が大変な人は、ホットマットで代用するといいでしょう。

(イラスト/関根庸子(Cc:荒井敬)『更年期と自律神経をととのえる本』より)
第2位:気虚タイプ

【体質と対策】
排尿をコントロールする筋力・エネルギー(気)が不足し、不調が現れます。そこで、自律神経を調整してくれる「ヒップリフト╳ 腹式呼吸」を習得しましょう。
ヒップリフトを呼吸と組み合わせることで、骨盤底筋やお尻周りの筋肉をより深く、効果的に鍛えることができます。呼吸で横隔膜が動くことで、骨盤底筋とも連動しやすくなります。
1.仰向けに寝て、両膝を立て(膝の角度を90度よりも小さくするとお尻に効果的)、足は腰幅に開く。
2.息を吐きながら、お尻を肩―股関節―膝が直線になるようにゆっくり持ち上げ、肛門とお尻をキュッと締める。
3. 上で2~3秒キープし、息を吸いながらゆっくり戻す。

(イラスト/pum 『更年期と自律神経をととのえる本』より)
最初はできる回数を自分のペースで設定し、慣れてきたら10回1~2セットが理想的。呼気で筋肉を締める、吸気で緩めるというリズムによって自律神経のON・OFFが自然に整うため、トイレの不安や緊張にも良いトレーニングとなります。
第3位:水滞タイプ

【体質と対策】
排出するべき水分が身体に停滞し、不調を引き起こします。このタイプは、下半身ストレッチ&マッサージをセルフケアに取り入れましょう。
下半身に溜まりやすい余分な水分を動かすことで、頻尿やむくみの改善に繋がります。まずは太ももの前面にあり身体で最大の筋群である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチから。
1. 床に座り、片方の膝を正座のようにたたむ。
2.ゆっくり深呼吸をしながら重心を後ろへ倒す。
3.左右2~3回ずつ行う。

(イラスト/pum 『更年期と自律神経をととのえる本』より)
筋肉を緩ませたあとは、筋ポンプ作用を促し血流を良くするストレッチです。椅子に座った状態で行ってください。
1.片方の太ももの上に、開脚した反対の足首を乗せる。
2.指でふくらはぎを掴み、少しずつスライドしながら揉んでいく。

(イラスト/pum 『更年期と自律神経をととのえる本』より)
余計な水分は、「血管9:リンパ管1」の割合で排出されるため、血流を良くしましょう。時間に余裕のある人は、これらを始める前に股関節周りのストレッチをし、より水分を排出しやすくなる身体の準備をしておくとベストです。
家族や友人との外出時など、地味に苦しいのが、この「尿漏れ・頻尿」です。
しかし、腹式呼吸や肛門・膣トレなど、コツさえ掴めばしっかり骨盤底筋を鍛えて症状を改善していくことができるので、もう我慢しなくてOK!
それぞれの体質に合ったセルフケアと組み合わせながら、不調を手放していきましょう。
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