
たのしい雛まつり
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季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事。
杉浦さやかさんがスケッチする折々の暮らし。
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雛まつりの前日は娘・ふきの誕生日。
3月に入ってから雛まつりまでの3日間は、“ふきまつり”の様相を呈しています。
誕生日に力を入れる分、あまり手間をかけないけど、節分が終わると雛人形だけはいそいそと準備します。
私も姉もお雛様を持っておらず、小さいころは母の5段飾りを飾っていたみたい。
その人形がやけに怖かったことだけは覚えている……。
自分のための人形を手に入れたのは、30代になってから。
趣味で集めていた伝統こけしの産地・鳴子温泉に通ううちに、雛こけしのかわいさに目がいくようになり、
お気に入りのセットを購入しました。
大人になってから自分らしいものを手に入れることができて、意外なほどにうれしかった。
雛人形にはまったく思い入れがないと思っていたけど、欠けたピースが埋まったような心持ちになったのかしら。
ふきには、孫を溺愛する夫の父がいの一番に買ってくれました。
そしてもうひとつ、なかよくしている鳴子のこけし工人さんが、
ふきが生まれたときに作ってくれた雛こけしも宝物。
うちにある3セットの雛人形、
今までは家のあちこちにバラバラに飾っていたけれど、
今年はまとめて飾ってみたら、なかなか壮観。
夫の実家に帰省したときに行った、“佐賀城下ひなまつり”で
たくさんの雛人形や道具が並んでいた光景が素晴らしかったことに感銘を受けたのでした。
雛人形を飾ってからのひと月は、娘の成長をしみじみ噛み締め、
春を待ちわびる日々です。
*次回は3月10日(金)更新予定です。