新入園の準備

新入園の準備


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季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事。
杉浦さやかさんがスケッチする折々の暮らし。
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2歳になってすぐ、待機児童のための保育所に通いはじめた娘。
一度転園して3歳の途中でようやく認可保育園に入ることができたのですが、
結局3回も違う保育所の新入園を経験することに。

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3回目がまぁ、ひどかった。
初めて保育所に預けた2歳のときもしばらく荒れたけど、言葉がまだあまり出ていなかったので、なんとかなだめてやり過ごすしかなかった。
2回目のときは「3歳になったら新しい園に変わるんだよ」と言い聞かせていたので、渋々ながら泣かずに通えていました。
頑張って耐えていた矢先の最後の転園は、もう限界だったのか、ひと月半以上荒れ狂いました。
毎朝「行きたくない」、と大泣き。
家から出すのに苦労して、保育園では私から引きはがすのにまたひと苦労。
無理やり先生に抱っこしてもらい、振り切るように園をあとにしていました。
娘の泣き叫ぶ声、それをうまく慰めることのできない自分に、涙しながら帰ることもあったっけ。

それがふっと、突然泣かずに別れられる日がやってきて、朝の大荒れはピタッと止みました。
鬱々とした朝を2ヶ月近く過ごしていたので、霧が晴れたような瞬間でした。
3歳になって本格的な友人関係が築けるようになり、大好きなお友達が徐々にできてきたおかげかな。
今では毎朝ニコニコ、元気に登園しています。

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そんな落ち着かない身の上だったこともあり、
保育園で使うものにはなにかしら手を加えることにしています。
時間がなかなか取れないけど、作ることは大好きなので、楽しいのよねぇ。
2度目に入った保育所は、規定のサイズの掛け布団カバーと敷布団カバーを作らねばならず、洗い替えの分まで夜なべしてミシンで縫ったなぁ。
それがひと月後のまさかの転園で、すぐ違うサイズに仕立て直すはめになったのには泣けましたが……。
カバーなどの大物以外は、不器用ながら、ちくちく手縫いで針仕事。
娘が園で不安なとき、そばで抱きしめてはあげられないけど、
代わりに元気づけられますように、と願いを込めて。

あと2年は今の環境で過ごせるけれど、同じ小学校に進む子はひとりもいません。
そのときはまた、ぶきっちょ応援団としてがんばるつもり。
人みしりで毎年4月が憂鬱だった私と違って、人好きで社交的な娘。
きっと乗り越えていってくれるはず。

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*次回は4月14日(金)更新予定です。

Written by sugiura sayaka
sugiura sayaka

杉浦さやか(すぎうら・さやか)/1971年生まれ。日本大学藝術学部美術学科卒。大学在学中の1993年よりフリーのイラストレーター。 独自のタッチと視点で描くイラストエッセイが人気を博し、街歩き、旅、映画、おしゃれなど様々なテーマで執筆。『週末ジャパンツアー』『上海を歩こう』『はじめてのハワイ』(小社)、『スクラップ帖のつくりかた』(KKベストセラーズ)、『レンアイ滝修行』(祥伝社)、『うれしいおくりもの』(池田書店)、『おきにいりと暮らす ABC』(白泉社)など著書多数。最新刊は『マーマリング・トーク おしゃべりなつぶやき』(二見書房)。

»https://twitter.com/saa_aya

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