【INTERVIEW】ドラマ『明日の約束』でキーマンとなる高校生・圭吾を演じる遠藤健慎にインタビュー!

【INTERVIEW】ドラマ『明日の約束』でキーマンとなる高校生・圭吾を演じる遠藤健慎にインタビュー!


現在放送中のカンテレ・フジテレビ系ドラマ『明日の約束』(毎週火曜21:00~)。高校のスクールカウンセラーである主人公・藍沢日向が気にかけていた男子生徒が不可解な死を遂げてしまうという衝撃の展開で話題を呼ぶ本作。その物語のキーマンであり、不可解な死を遂げる男子生徒・圭吾を演じるのが、俳優・遠藤健慎だ。初めての連続ドラマとなる本作で、たくさんのことを吸収しているという彼に、今の思いを聞いた。

撮影/中根佑子 文/池上愛

 ――『明日の約束』の出演が決まった時のお話を聞かせて下さい。

「一度、面談というような形で制作の方々とお話させて頂きました。そこから一カ月経ったぐらいに連絡があって、凄くビックリしたのを覚えています。正直、面談してから一カ月も経っていたので自分もマネージャーさんも多分だめだったのかなって思っていた矢先だったので。連絡があった時は『ま…まじか…?』というぐらい実感がなく、しばらくして本当に受かったんだなってジワジワ感じました」

――連続ドラマは初めてということですが、初めての現場ってどうですか?

「今までの現場ではカメラがひとつだけだったんですけど、同時にカメラが2台動いているのにはビックリしました。最初に自分のスケジュールを見た時に、明らかに今までのどの現場よりもビッシリなんです。だからこれは撮影時間も凄いんだろうなと思っていたら、カメラが2台動くからめちゃくちゃ早くてビックリしました! あとは、台本が2話目、3話目と入ってきて。撮影も話数バラバラで進んでいくので、最初は切り替えるのが難しかったです。今はクランクインして一カ月ぐらい経ったので少し慣れてきたんですけど、最初は、自分はどう動けばいいか、どこにいればいいとか(笑)。本当に基本的なことがわからなかったですね」

――具体的にはどんなことが?

「割本っていう、その日に行われる撮影シーンだけの台本を初めて見たし、前室(出演者やスタッフが待機するスタジオ前の部屋)っていう場所も初めて知りました。だから自分はどこで待っていればいいんだろう? っていうのに戸惑ったり。最初は色んなことがわからなかったので迷惑かけちゃったりして。ちょっとずつ慣れてはいるんですけど」

――1話は、遠藤さん演じる吉岡圭吾が不可解な死を遂げるというところで終わりました。圭吾の死によって物語が動いていく、キーとなる役どころですね。

「圭吾がなんで不可解な死を遂げたのか。1話では『いじめられてる』っていうアンケートが書かれていたり、『先輩のせいで死にます』っていうメッセージが出てきたり。色々と謎めいてるんですけど……。圭吾って、基本的には自分の感情を周りには隠しているヤツなんです。猫かぶりというか。台本を読み進めて思ったのは、周りに心配をかけないように感情を隠すというよりも、見栄っ張りな部分があるような気がしました。自分の恥ずかしい部分やダサい部分を悟られないようにしている男の子なんじゃないかなって」

――なるほど。

「でも素直に自分の感情を出せる相手もいる。幼馴染の香澄(佐久間由衣)とのシーンは、比較的感情を出している気がします。でもそこで難しいのは、撮影シーンがバラバラだから、今は感情を出すシーンだけど、次は猫を被ってるシーンに切り替えなくてはいけなくて。そこのコントロールが効かずに苦戦中です。監督に『そこはもうちょっと表情隠していいよ』とか『もっと嘘の表情出していいよ』って言われたりしちゃって。なかなか出したい表情に切り替えられないっていう部分があります」

――監督との話し合いは多いですか?

「結構話します。井上真央さん演じる日向先生に告白するシーンでは、単純に台本を読んだ時に、なんで圭吾は先生に告白するのか明白にわからなかったんです。話の流れ的にもそんな告白をするようなシーンじゃないし。そういう疑問は監督に聞きました。自分の考えを言って、その上で監督の考えを聞いてっていう風に話し合って演じています」


――井上真央さん、母親役の仲間由紀恵さんと、素晴らしい俳優さん達と共演されていますね。みなさんの演技を見て刺激になることはありますか?

「今までテレビで見ていた方々と一緒に演技する訳なので、本当に緊張しました。だけど、今は慣れたって言ったら失礼かもしれませんけど、ちょっとずつ先輩達と演じることで気負いは少なくなりました。それに凄く恵まれてるなとも思っていて。特に1話目は先輩方とのシーンも多かったので、みなさんのカメラが回る前の集中力、スイッチが切り替わるスピードを間近で見られて圧倒されました」

――家庭訪問のシーンですね。

「はい。井上さん、仲間さん、担任である霧島先生役の及川光博さん、そして僕っていう4人のシーン。撮影の合間は3人ともリラックスしてお話されてるのに、監督が『やるよ』って声をかけるといきなりスイッチが入るんですよ。僕だけ、まだオフの時間に残されてる感じがして(笑)。でも今はまだまだだけど、少しだけ先輩方のスイッチに一緒にのれるようになりました。めちゃくちゃ成長することも出来る現場だと思ってます」

――1話での、圭吾を見守る仲間さんが怖かったです(笑)。

「優しそうで怖いですよね。そういう微妙な雰囲気を感じさせるのが凄いなって。僕の後ろに立っているシーンでも、僕からは見えないのに怖いんです! 見えない圧みたいなものが…。でも実際の仲間さんは全然そんなことなくて。なのに撮影中は本当に怖いオーラがぶわっと出ていて。本当に凄いです」

――井上さんの演技で凄いなと思ったシーンはありますか?

「井上さんはスクールカウンセラーの役なので、僕にとても優しく語りかけてくれます。家庭訪問のシーンで『保健室でも来たらどう?』っていうセリフがあって。僕は、そのセリフが凄く優しくて温かいな~って思ったんですけど、監督から『もうちょっと優しく出来るか?』っていうリクエストがあったんです。“こんなに優しいのに、もうちょっとってどうやるんだろう?”と思っていたら、次に出た井上さんのセリフは、確かに優しくなっていて。うわ、すげ~って(笑)」

――井上さんといい、仲間さんといい、微妙な具合で物凄いことをやってのけているんですね。2話以降も見逃せない展開になってくると思うんですが、今実際にどれぐらいまで撮影は進んでいるんですか?

「今4話まで台本を頂いているんですが、僕自身も圭吾に何があったのか詳細はわからないんです」

 ――先がわからないっていうのは演じる上でどうですか?

「正直ちょっと難しい部分はあります。どうして圭吾は死ぬことになったんだろう? とか。それこそ1話目で、日向先生に告白するのはなんで? とか。でも連続ドラマの面白い部分でもあると思います。ストーリーが面白いから、台本が届くのが凄く楽しみなんです」


――更にドラマ放送後には、各話に繋がる重要な物語を描いた「チェインストーリー」もGyaO!で配信されていますね。

「チェインストーリーも本編と同時に撮影しているんですけど、まだ聞かされていない設定をスタッフさんから聞いて、“ん!?”ってなることもあります(笑)スタッフさんは先の展開を知ってるので『この回では圭吾はこうなるから』って説明されるんですけど、“え! そうなの!? もう少し詳しくお願いします”みたいな(笑)」

――知らない設定が突然出て来るという。

「なんとか頑張っています(笑)」

――台本はどうやって覚えていますか?

「初めての連続ドラマなので台本覚えが不安だったんですが、ストーリーが面白いので結構するっと覚えています。僕、何シーン出てるのかな? とかも気になっちゃったりするので(笑)、最初は一気読みします。そのあとセリフを確認して、あとは現場でしっかり確認する感じかな」

――本を読むのは好きなんですか?

「いやぁ、好きじゃないんです(笑)」

――そうなんですね(笑)。

「台本だから読んでしまう。でも小説は全然読まない。やばいぐらいに読まないです(苦笑)」

――マンガは?

「マンガは大好きです!」

――マンガ原作の実写も多いですからね。

「そうなんです。マンガは大好きなので、自分の好きな作品とかにも出られる機会があったらなと思っています」

――これまで、遠藤さんの出演作を見て、家族や友達からどんな反響がありましたか?

「今までは放送地域が限定されているものが多かったんですけど、映画『ホットロード』の時は友達がたくさん見てくれて、“出てたじゃん”って言われたりしました。このドラマは全国で放送されるので、もっとたくさんの人に見てもらえるんじゃないかなと思います」


――初めてのお仕事って覚えていますか?

「小学校2年生ぐらいだったかな。雑誌のお料理コーナーで、子供でも簡単に作れるサンドイッチの撮影でした。映像のお仕事は『BUNGO -日本文学シネマ- 黄金風景』っていう向井理さんが主演の作品。初めての演技は、共演者の優香さんの肩を蹴るっていうシーンだったんですけど。今だったら服をかすめるように蹴ったり、当たるギリギリで蹴るとわかってるんですけど、ちょっと台本を素直に読みすぎてしまって優香さんの肩を本気で蹴ってしまってびっくりさせてしまいました。そうしたら優香さんが『本気できていいからね』と言って下さって、何回も蹴っちゃったんですよね。今振り返ると、ダメだろ! って反省しています(苦笑)」

――基本的にはオーディションを受けて役を勝ち取って?

「そうですね。でも勝ち取ってなんていません。何十回も受けては落ちてを繰り返していました。中学の時は、僕は部活をやっていて全然レッスンを受けられてなかったんです。静岡から通ってたっていうのもあるけど、レッスンに通わなくてもどうにかなるだろって思ってたんですよね。でも演技うんぬんのまえに、基本的な発声とか基礎的な演技の知識を知らなかったんです。高校生になって、レッスンを受け始めて、ようやく基礎が備わった感じです。最初は恥ずかしかったです。僕よりも年下の子は基礎が出来ているのに、僕だけ基本的な用語すらわかんないみたいな」

――レッスンを受けて変わりましたか?

「変わりました! 今までは渡された台本を音読して自分なりに演技つけるだけだったんです。それがわざとらしいっていう風にとられる時もあったんですが、レッスンのお陰で少しはリアルに表現出来るようにはなれてるかな…自分でも手ごたえを感じる機会が増えています。運や縁もあると思うんですが、今まで全然通らなかったオーディションでも何かは残せるようになりました」

――レッスン以外で自主的にやっていることはありますか?

「自主的……ではないんですが、マネージャーさんに前から言われていて、お風呂で発声練習をやってます。あとは筋トレ。LINEが来るんです。マネージャーさんから毎日のように。『やった?』って(笑)」

――トレーナーのようですね(笑)。

「ずっとマネージャーさんから“滑舌!!”って言われてたんですけど、そこまで深く考えたことはなくて。でもこのドラマで『好きです』っていうセリフが『ちょっと聞こえない』って何回も言い直したシーンがあったので、“俺、滑舌悪いんだな”ってちょっとショックを受けたんです。ああ、これがマネージャーさんの言ってたことかと。なので、発声の大事さを改めて気付かされました。なので……毎日やってます(笑)!」

――(笑)。では最後にドラマの見どころを教えてください!

「圭吾がなんでこうなったのか、視聴者のみなさんには驚いてほしいです。物語が進むに連れてどんどん暴かれていく真実もたくさんありますので楽しみにして下さい」


 ●プロフィール
遠藤健慎/えんどう・けんしん

2000年生まれ、静岡県出身。2009年から芸能活動を始め、2014年の映画『ホットロード』で、主人公の弟・春山強役を演じ話題となった。近年の出演作は映画『がらくた』(16年)、『グッバイエレジー』、短編映画『なぎさ』(共に17年)など。『明日の約束』が連続ドラマ初出演となる。


  ●作品紹介

『明日の約束』
毎週火曜よる9時~9時54分(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
<ウェブサイト>https://www.ktv.jp/yakusoku/
<Twitter>@yakusokuktv
GYAO!配信「明日の約束 チェインストーリー」も配信中!
https://gyao.yahoo.co.jp/special/yakusoku_drama/