
ナイトメア・ビフォア・クリスマスイブ
—————————————————————————————————————–
ここは夜更けの隠れ家的カフェ
「イチルノノゾミ」。
今夜も普通の恋ができなくてジタバタしてる女が、恋愛マスターのサブカルママ「めだかちゃん」に助けを求めに来ました。
めだかちゃんは自分のことを“恋愛の救世主”だと言うのですが…
—————————————————————————————————————–
クリスマスに誘われない女
「やばい…」
「誰とやったか覚えてないの?」
「いきなりのビッチ扱い、ありがとうございます。つかビッチじゃないですから。そこまでいってないし!」
「じゃあ今度は何?」
「来ちゃうよー!クリスマス来ちゃうよ~」
「え?だってあんた今、いい感じの男がいるんじゃないの?」
「でもまだちゃんと付き合ってるわけじゃないし…告白されてないし」
「別にそれでもいいんじゃない?クリスマスに会っても」
「誘われてない…」
「あ、他に女がいたのね」
《ゴン》
「……」
「その男、あんたより大事な女と一緒に過ごすのよ」
《ドゴン》
高いプレゼントをするのは「痛い女」の証?
「そろそろ店閉めたいんだけど、いつまで即死してんの?」
「即死してません…つか、これどうかな?」(スマホのショップサイトを見せる)
「彼へのプレゼント?」
「うん。ここはせめてプレゼントで差をつけたいじゃない! 大人の女として」
「……1万円超えのデオドラント…って、あんたジェームズ・ボンドと付き合ってんの?」
「だめ?だったらプラダの…ちょっと!お客におしぼり投げないでよっ」
「アラサー女が金で男を落とそうとしたら終わりよ」
「はっ!!」
「若いのに金とかモノで男を釣ろうとする女は、単にカモられるか、逃げられるだけよ」
「何で?嬉しくないの?」
「まともな男はそんな重い物、迷惑なだけよ」
「ええ?」
「相応のお返ししないと、裏でディスられるって、プレッシャー半端ないわよ」
「あ」
「金持ってる遊び人とかなら、女の欲しがる高いモノくらい見繕えるけど、そういう男は他にも女がいるしね」
「え…」
「女なんかRPGに出てくるモンスターくらいにしか考えてないしね」
「経験値目的?」
「スライムね」
「さ、最弱」
「付き合ってもせいぜい、ホイミスライム扱いよね」
「かっ回復専用…」
男が言って欲しい言葉
「男が彼女とデートの計画してる時に1番言って欲しい言葉って何だと思う?」
「え?女に言って欲しい言葉?…『肉じゃが作ってあげる』とか?」
「いつの時代の王様のブランチ情報よ」
「えー?何?エロいこと?エロいこと?!裸エプロン?!」
「ばーか『あなたと一緒ならファーストフードでもいいんだよ』よ!!!」
「えええええ…」