【フランス暮らし】空気を読まないフランス人パートナーと、空気を読んでほしい日本人妻の衝突

【フランス暮らし】空気を読まないフランス人パートナーと、空気を読んでほしい日本人妻の衝突



フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。


 

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。フランスの地方都市ナント在住の大畑典子です。
私は7年前にフランスに移住するまで、海外に住んだことが一度もありませんでした。ですから、海外旅行だけでは知り得なかった、住んでみて初めて学んだことも多く、文化の違いに戸惑うことも少なくなかったのです。

その一つが、自分の「当たり前」は日本での「当たり前」であって、それぞれの国ではまた違った「当たり前」がある、ということでした。
「当たり前」の違いが国際カップルのケンカの発端になることも多く、その違いが見つかる度にお互いに歩み寄っていく作業こそ国際カップルにはとても重要なのです。

 

フランスに「察する」文化はない!?

まず、フランスには日本のような「察する」文化というものがありません。場の空気を読んで行動を起こすことよりも、きちんと言葉に出して相手に伝えた上でアクションをとる、ということがフランスではスタンダードなコミュニケーションの方法なのです。フランスに住んで、肌感ではなんとなくコミュニケーション方法の違いを感じつつも、ある時その文化の違いをしっかりと感じた出来事がありました。

フランスでは夕食前にアペリティフ(軽くお酒を飲みながら時間を過ごす談笑タイム)の時間を設けることが多いのですが、うちでは大抵、私が夕食を準備している18時半ごろにアペリティフを始めます。飲み物と一緒に軽いおつまみを食べますが、うちではナッツやドライフルーツを食べます。


△フランス人のアペリティフ。

ある日の夕食の準備中のことでした。パートナーがお椀に入ったピスタチオを料理中の私に「食べる?」と言って差し出してきたのです。でも、私はその時両手がふさがっていたので、ピスタチオの殻は剥けません。
「手が離せないのは見て明らかなのに、殻を両手で剥かなくては食べられないピスタチオを差し出すなんて」
この時日本人である私は、パートナーには状況を見て提案して欲しいなと思ってしまったんです。
ですので、お椀を差し出してくれたパートナーに「この状況でどうやってピスタチオが食べれると思うの?」と答えたわけなんですが、そこでパートナーはすかさずこう返してきました。
「今食べられないのだったら、今はいいって断ればいいじゃないか、もしくはそこに置いておいてって言えばいいでしょ」

まさにカルチャーショックでした。
私がこの時のパートナーと同じ立場だったら、「ピスタチオをここに置いておこうか?」と聞くか、殻を剥いて口まで運んでいける準備をして声をかけると思うんです。
でもそれは私が思う「正解」でしかありません。彼にとっては、提案を受けた側が忙しくて手が離せないのなら、その状況を言葉で説明する、ことが正解なのです。

例えば、声をかける相手が忙しそうにしていても用があったらとりあえず声をかけ、相手は「今は取り込んでいるから5分後に対応します」と返答するのがフランスで正解とされるコミュニケーションなのです。私だったら「今忙しいの見てわかるでしょ」と言いたくなってしまいそうですが……。

 

国際カップルにとって大切なこととは?

国際カップルとして生活していると、こうした価値観の違いに日々遭遇します。その中で大切なのは、お互いが違う価値観を持っていると理解した上でどう歩み寄るか、ということです。夫婦というのは元々は他人同士ですから、考え方に違いがあるのは当たり前。特に国際カップルとなると、さらに多くの違いに気付かされます。

ちなみに私たち夫婦の場合は、私は日本とフランスの両方の暮らしを体験しているので、フランス以外の国に住んだことのないパートナーよりも多くの違いに気づくことができます。ですので、自分の歩み寄り具合が相手よりも自然と大きくなって、それが知らず知らずのうちにストレスと感じてしまい、そういう時にケンカに発展してしまうのです。


△パートナー誕生日のお祝いに夫婦でお出かけ。

「フランス人にとっての正解はこうだから」と、なるべく歩み寄るようにしていますが、最近は「日本だと実はそうじゃなくて、それを理解した上で行動してもらえると嬉しい」と言葉に出して伝えるようにしています。
今までたくさんのケンカ・衝突がありましたが、その度にきちんと向き合い、一つひとつを一緒に乗り越えてきたからこそ、今の良好な関係が築けているのだと思います。

それではまた次回、アビアント〜!

*次回は6月12日(水)更新予定です。


Written by 大畑典子
大畑 典子

フランスでのリアルな生活を、日常ブログや実際に体験したエピソードなどを通してYouTube『Nolie France / のりふら』で紹介している。
フランスの食卓の様子や休日の過ごし方など日常のVLOGをアップし、その豊かでほのぼのとした空気が人気を博し、チャンネル登録者数は13万人を超える。
日本の大学を卒業後、設計建築事務所で経験を積み、27歳で一級建築士の資格を取得。「海外でシンプルな暮らしを体験してみたい」という思いから2016年に渡仏。フランスの建築学科の大学院に留学し、語学を学びながら研鑽を積む。大学院在学中にフランス人のパートナーと出会い、第一子を出産。育児のため途中休学を経て、2020年に卒業。休学期間中に『Nolieフランス三人暮らし』でYouTubeデビュー。2021年に第二子を出産し、現在の形にタイトルを改めた。YouTubeのほか、音声メディアSNS『Voicy』やInstagramでの発信も行っている。
YouTube: Nolie France / のりふら
Voicy:アラフォーフランス生活異文化交流記
Instagram:@nolie_a_nantes

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