【INTERVIEW】森三中・大島美幸、ガンバレルーヤのよしこ、まひるの音楽ユニット『MyM(マイムー)』がヒップホップユニットKOMOREBIとコラボ。リリースしたのは、1990年代のヒット曲『DA.YO.NE』である。
YouTubeチャンネル『大島本気チャンネル』内の「本気でアーティストを目指すプロジェクト」から誕生した音楽ユニットMyM。5月23日に1stシングル『ASOBOZE』で鮮烈デビューを果たして半年。早くも2ndシングル『DA.YO.NE』がリリースされた。今回は『Giri Giri』で注目されるヒップホップユニットKOMOREBIとのコラボレーションである。さて、30年前の大ヒット曲はどうやって時空を超えた令和に生まれ変わったのか。3人らしいテンポの良さで語ってくれた。
撮影/浦田大作 文/あらいかわこうじ
――11月20日にリリースされた『DA.YO.NE』ですが、オリジナルは知っていましたか?
よしこ「聴いたことはありますけど、当時は知らなかったです」
大島「当時のよっちゃんが4歳で」
まひる「私は1歳ですから(笑)」
大島「私は14歳。ど真ん中でしたね。妹と2人で暗記して歌っていました」
――オリジナルの『DA.YO.NE』にはどんなイメージを持っていますか?
よしこ「聴いた覚えがあるのはサビくらいで。この曲をつくることになってサビ以外も聴いたんですけど、カッコいいというか、ラップの部分はどこか聴き慣れている曲というか」
まひる「喋り言葉のような、話しているように歌っているなあと」
大島「確かに」
まひる「今、そんな口調で歌う曲はあまりないじゃないですか。“ねえ、ちょっと聞いてよ”とか。普通に喋っているから凄く新鮮で面白いなと思いましたね」
よしこ「歌詞の内容も男女の関係を歌っていたんだって。サビだけ聴くとキャッチーで可愛らしい歌かなと思ったら、凄い恋愛の曲で(笑)」
――今回の歌詞は、コラボしたヒップホップユニットKOMOREBIと一緒に考えたんですか?
大島「打ち合わせの段階で、KOMOREBIはそれぞれのパートを書き上げていました。私達は(今回のプロデューサー)PESさんと一緒に。恋愛のことを色々話しながら」
よしこ「あ、そうでした(笑)」
大島「経験したことを教えてと言われて」
まひる「ふふっ」
大島「だから、後半の“男に家誘われた”の部分はよっちゃんの実体験」
よしこ「実体験(笑)…、そうですねえ」
まひる「恋愛の実体験です」
よしこ「本当はもうちょっと具体的で。デートに誘われて、家に行ったら遺品整理させられたという内容なんです(笑)」
まひる「歌詞の“掃除”は、“遺品整理”」
大島「うん、遺品整理だね」
よしこ「それをPESさんがその場で歌詞にして」
まひる「だから、本当は“遺品整理させられた。遺品持って帰った。霊に取り憑かれた”」
大島「あははは」
まひる「という流れなんですけど、それはさすがに…」
大島「ちょっと書き直して」
よしこ「かなり手を加えて(笑)。共感を得られるように」
大島「しかも、よく考えると『だよね』でもないんですけど、『だよね』と言っています」
――その部分はどうしても笑ってしまいます。
大島「“あれ?”と思いますよね」
よしこ「恋愛話を聞かれた時、私達にはなかったんですよ」
大島「ないです」
まひる「ないです」
よしこ「だから、大島さんが“よっちゃん、あれがあるんじゃないの。遺品整理の話”と言ってくれて(笑)。唯一の恋愛話を。それしか出せなかったんです」
大島「3人で1個(笑)」
まひる「“幼稚園まで遡りますけど、いいですか?”と言ったんですけどね」
よしこ「(笑)」
大島「“幼稚園はちょっと…”と。本当は大人っぽいのが良かったんだよね。あるあるみたいなの。ないんだよなあ」
よしこ「ないんですよ」
大島「その時はちょっと困りました」
――最初の方に彼氏の話をする歌詞がありますが、これは?
大島「多分、KOMOREBIです。そこはオリジナルの『DA.YO.NE』も“ちょっと聞いてよ”から始まって彼氏の紹介をしますけど、KOMOREBIをモデルにそれっぽくしているんだと思います」
まひる「そのあたりも含めて、基本の歌詞を考えたのはPESさんです」
大島「そうなんです」
まひる「その場でPESさんが手直しもして」
大島「歌詞、完成です」
よしこ「早かったですよね」
まひる「めっちゃ早かった」
よしこ「私達が弁当を食べている間に」
大島「30分くらいで」
――レコーディングはスムーズに進みましたか?
大島「レコーディングは2回だったかな」
よしこ「2回でしたね」
まひる「1回目の前半に仮歌を録って」
大島「2回目はKOMOREBIと一緒にでっかいスタジオで8人。緊張しました」
よしこ「本当に緊張しました」
――1stシングル『ASOBOZE』では即興で歌うこともありましたが。
まひる「ありましたねえ」
大島「今回はなかったです。その場でPESさんを中心に作り上げていきました。我々は出来上がるの待っていた感じです」
よしこ「待ってた、待ってた」
まひる「でも、ずっとドキドキしていました」
大島「ドキドキしてた」
まひる「いきなり“ブースに入って、もう1回声を下さい”と言われたらどうしようと思って。なるべく目を合わせないように」
よしこ「確かに(笑)」
大島「下を向いて」
よしこ「でも、1日目の終わりにマイクをみんなで囲んで、好きなようにヤジを飛ばして下さいと」
まひる「イエーイとか」
大島「あれ、全然出来なかった」
よしこ「出来なかったですね」
まひる「KOMOREBI、すげえと思いましたよね?」
よしこ「凄かった」
大島「カッコいいんだよね」
よしこ「おしゃれで」
大島「私達は黙っちゃって」
よしこ「そうそう(笑)。黙っちゃいますよね、ああいうの」
まひる「KOMOREBIが“間違いも正解もないからやりましょうよ”と言ってくれましたけど、私達はどうしたらいいのかわからなくて。とりあえず体を揺らしていたんですけど、KOMOREBIのノリで」
まひる「フー!とか、エーイとか言ったけど」
よしこ「イエー!とか」
大島「ありきたりな感じですね(笑)」
――今回のレコーディングでMyMから提案したことはありますか?
まひる「仮歌を録って1週間ちょっとありましたっけ?」
よしこ「うんうん」
まひる「仮歌で練習していたら、本REC(本番のレコーディング)当日にPESさんが“歌い方を変えてもらっていいですか”と。抑揚とか」
大島「変えてきたね」
まひる「仮歌とは違うリクエストだったんです。全然出来なくて」
よしこ「難しかったあ」
まひる「いきなりラッパーとしてのテクニックを要求されて、全く理解出来なくて(笑)。最後まで“これ、大丈夫かな?”と不安でした」
――どんな要求だったんですか?
まひる「語尾を下げるとか」
大島「私は語尾を上げてくれって(笑)」
よしこ「(笑)」
大島「仮歌でたくさん練習してたから。私達をラッパーというか、何だと思ってんだろって。そう見てくれているのは嬉しかったですけど、ちょっとドキドキしました」
まひる「出来ると思って、より細かく指導してくれたことは嬉しかったです。よっちゃんは、やり過ぎで注意されてたよね?」
よしこ「私が印象に残っているのは、“あ~ん”とか喘ぎ声っぽい歌い方です。ちょっとやり過ぎだと(笑)。“もうちょっと吐息混じりで”とカッコいい方法を教えてもらったんですけど、それが出来なくて。何回も深~い声になっちゃって」
大島「やり過ぎちゃったね。わからないから、塩梅が」
まひる「だから、仮歌はよっちゃんの声が吐息だらけで、何を言っているのかわからなくて(笑)」
よしこ「吐息だけで全部歌った感じで。だから、“録り直させて下さい”とお願いしたんですけど、このままでいいと言われて」
大島「でも、そこは3人共、“聴こえにくいから”って」
よしこ「あははは。そこだけは録り直してもらいましたね。あんまり変わっていないんじゃないかと言われたけど」
大島「でも、聴こえやすくなったと思う」
――しっかり聴こえています。
よしこ「それは良かったです」
――MVも気になるところですが。
大島「今回はオリジナルの90年代を生かした世界観になっています。ただ、振付がなかったので自由演技で。それもどうしていいのかわからなくて」
よしこ「でも、KOMOREBIはそういうところも上手い」
大島「何でも出来るんですよ。ダンスも出来るし、自由演技も超上手くて」
よしこ「必死についていくだけでした」
まひる「カメラが回るとKOMOREBIは入り込むから、普通によっちゃんは抱きつかれていましたね。ちょっとニヤリが止まらなくなってた」
よしこ「あははは。あんな20代の可愛い男子に抱きつかれるなんて、日常生活にはなかなかないから」
大島「笑っちゃうよね」
よしこ「口角が上がったまま、固まっていました(笑)」
まひる「撮影中のKOMOREBIはカッコつけていないのにカッコいいんです」
大島「さり気ないんだよね」
まひる「キメキメでやっているわけではなくて、普段のノリなのにおしゃれでクールでカッコいい。しかも、キュートな部分もあって」
よしこ「そう」
――完璧じゃないですか。ダメなところはないんですか?
大島「おバカさん(笑)」
よしこ「でも、可愛い」
大島「ずっと喋っているし、静かになったと思ったらみんなでゲームをしているし。私の息子を見ているような感じで(笑)」
――これでMyMの楽曲は2曲になりました。
大島「でも、フェスに出るならもうちょっと欲しいですね。5曲は欲しいです。後3曲?」
まひる「アルバムも作りたいですね」
大島「そうだよね。どうしましょう?」
――ちなみに、MyMが誕生した「本気でアーティストを目指すプロジェクト」のゴールはフェス出演ですか?
大島「ゴールは誰も知らないです。スタートだけ切りました」
まひる「まだ卵ですもんね、私達」
よしこ「これからボイストレーニングやダンスレッスンをして」
まひる「でも、先にデビューしちゃったんだけどね(笑)」
大島「練習する前に」
まひる「デビューしちゃえって言って」
よしこ「おかしいんです、ちょっと(笑)」
大島「順番間違っています。でも、育ててもらおうと思って」
まひる「みなさまに育ててもらいたいので、ファンネームもアンマー(沖縄の方言で、「お母さん」)」
よしこ「おかしいんですよ、そもそも。育ててもらうにしては、ウチらって育ち過ぎていませんか?」
まひる「アーティストとしてはまだまだ」
大島「赤ちゃんだから」
まひる「態度だけはデカいんですけど」
大島「態度はデカい」
――そのノリで、来年の夏あたりにはフェスに出ている気がしますが。
よしこ「出ているといいですけど」
大島「面白そうですよね、フェス」
まひる「その前に、NOAHスタジオから出たいです」
よしこ「NOAHスタジオ(笑)」
大島「まだ練習スタジオから出ていないですから。まずはそこからですね」
●プロフィール
MyM
森三中の大島美幸、ガンバレルーヤのよしこ・まひるの3人による「本気でアーティストを目指すプロジェクト」から誕生した音楽ユニット。BTS、BE:FIRSTなど数多くのアーティストに楽曲提供してきたプロデューサーMatt Cab、MATZを中心に、YouTube登録者160万人のアーティスト・ずま、yamaなどに作詞提供しているTamamiによって制作された1stシングル『ASOBOZE』を5月22日に配信リリースしている。
・Youtubeチャンネル「MyM Official」https://www.youtube.com/@MyM_Official_Channel
●作品紹介
『DA.YO.NE』
1994年、EAST END×YURIがリリースした『DA.YO.NE』。このミリオンヒット曲をMyMと「Giri Giri」が大ヒットしたヒップホップユニットKOMOREBIがコラボして令和バージョンに。プロデューサー陣はMyMのデビュー時から携わるMatt Cab、MATZだけではなく、PESも起用されている。