クラシカルな喫茶店で充実のランチタイムを【イノダコーヒ】

クラシカルな喫茶店で充実のランチタイムを【イノダコーヒ】


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月一で通っている行きつけのお店、ハレの日のとっておきのお店、
ちょっとニッチで穴場的なお店……。
食いしん坊のファッションライター・arikoさんがつづる
新しい偏愛レストランガイド。

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京都に行くたびに楽しみにしているのが、イノダコーヒで朝食を取ること。説明するまでもないほど、京都を代表する老舗の喫茶店だが、昭和の雰囲気漂う洋館の窓際で、手入れの行き届いた庭園を眺めながらの優雅なモーニングは京都に来たことを実感させてくれるひととき。

東京で忙しく過ごす日々のなか、京都が恋しくなると足を運んでいるのが東京駅に隣接する大丸デパートの8階にあるイノダコーヒの大丸東京店だ。本店同様、赤を基調にしたクラシカルなインテリアの中、同じメニューがいただける。


午前中には、名物のひとつ、スクランブルエッグにハムやソーセージ、サラダにクロワッサンの付いた「京のブランチセット」が楽しめるし、ふんわりパンを使った端正な切り口のサンドイッチもボリュームタップリ。

お昼の時間を少し過ぎた、午後の時間に食べたくなるのが洋食屋さん風のスパゲティだ。トマト味のナポリタン「イタリアン」とクリームソース味の「ボルセナ」の2種類があるのだが、クリーム味をいつか食べてみたいと思いつつ、ついつい「イタリアン」を注文してしまうのはいつものこと。

ドーム型の蓋付きの銀器でうやうやしくサーブされ、目の前でオープン! 現れるのはどこか懐かしいちょっと汁だくのナポリタン。そこにマッシュルームのポタージュとサラダもセットすれば大満足のランチタイムに。

お腹いっぱいと言いつつ、またしてもデザートは別腹。フルーツもてんこ盛りプリンパフェにするか、創業以来のブレンド「アラビアの真珠」(なんて素敵な名前!)をネルドリップで落として作ったコーヒーゼリーにするか楽しく迷う。

こちらのコーヒーゼリーはちょっと硬め。それをクラッシュしたものにレモンアイスが爽やかさを添えている。シャーベットとはひと味違うまろやかでレモン風味のアイスクリームはビターなコーヒーゼリーと相性抜群。食後でもペロリとお腹に収まってしまう。

いつもひとりでサクッと立ち寄るのだが、東京駅の八重洲口正面の交差点を見下ろせるカウンター席は最高に居心地がいい。ほんのひととき、京都に想いを馳せながら、充実のコーヒータイム。キャッシャーの女性の柔らかな京言葉にも癒されるのだ。

DATA

イノダコーヒ 大丸東京店

住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1(大丸東京店8 階)
営業時間 10:00~20:00(L.O 19:30)
電話番号 03-3211-0033
定休日 大丸東京店に準ずる。
HP https://www.inoda-coffee.co.jp/

*次回は6月13日更新予定です。

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Written by ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。著書に『arikoの食卓』シリーズ、『arikoの黒革の便利帖』(共にワニブックス)、『ありこんだて』(光文社)、 『2品で満足 arikoの家和食』(講談社)など多数。
Instagram:@ariko418

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