梅仕事の「その後」が気になっていませんか? 7月の梅仕事FAQと定点観測写真を大公開!
梅雨も終わりにさしかかり、仕込んだ梅干しや梅シロップ、梅酒が気になり始めるこの季節。
「あれ? 梅酢がなかなか出ない……」「泡が出てるけど大丈夫……?」と、ひそかな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そんなタイミングで、うれしいお知らせです。
梅仕事初心者にも寄り添う1冊『120年続く梅農家が教えたい まいにち梅づくし生活』の3刷重版が決定しました!
たくさんの「梅仕事デビュー」を後押ししてきた梅ボーイズ・山本将志郎さんによる本書の中から、今回は、みなさんの“梅仕事のその後”の疑問に答えるFAQをご紹介。梅干し、梅シロップ、梅酒の定点観測写真もお届けします。
梅仕事の楽しみは今からが本番! 夏の手仕事にひと息つきつつ、ゆっくり梅と向き合ってみませんか?
写真で見る「その後」の定点観測
6月に仕込んだ梅干しやシロップ、梅酒。7月になると「果たしてこれは順調なのか……?」と気になってくる時期です。
梅干し
△漬けた直後
△3日後
△1週間後
△2週間後
梅シロップ
△漬けた直後
△3日後
△1週間後
△2週間後
梅酒
△漬けた直後
△3日後
△1週間後
△2週間後
見た目の変化に不安になったり驚いてしまうかもしれませんが、心配ごとの多くは自然な変化であったり、トラブルが起こったとしても今から対処可能です。
次のFAQで見ていきましょう。
梅干しの疑問・トラブルFAQ
Q:梅酢がなかなか出ません…
A:毎日梅酢にくぐらせると梅酢が出やすい
容器で漬けた梅がなかなか梅酢に浸かりきらない時は、毎日振って、上の方の梅を梅酢にくぐらせてあげてください。そうすることで梅酢が出やすくなるはず。または、ジッパーつき保存袋で漬けるのも手。少量の梅酢でもしっかり浸かります。
Q:梅の表面が白くヌルヌルしてきた…
A:カビが生えても対処できます
重しを外した後、表面の梅に梅酢をかけるのを忘れてしまった場合……白くなった梅はカビが生えている可能性が高いです。ほかの梅に触れないようにそっと取り出し、新しいきれいな梅酢でヌルヌルを洗い落とした後、念のため別の容器で漬けてください。
Q:漬けた翌日、梅の色が一部変わってしまった
A:黒っぽくなるのは問題なし
塩漬けした梅が一部変色することがありますが、これは傷の跡が時間の経過とともに黒くなっただけ。大きな傷を取りのぞいてあるなら心配いりません。
Q:重しはいつ外したらいい? 梅が潰れそうで心配です
A:天日干しまでのせたままでOK
梅酢があがったら外しても構わないのですが、重しを外すと梅の実が浮いて空気に触れて、カビや酵母が発生しやすく……。なので、基本的には重しは干す直前までそのままがおすすめ。重しを外す必要がある場合は、その後は毎日容器を振って、表面(上層)の梅に梅酢をかけましょう。
Q:梅酢が濁っています。これってカビ?
A:果肉による濁りなら問題なし
梅酢の中心(空気に触れていないところ)からカビが生えることはありません。容器の中の方が濁っているなら、それは傷のある梅から果肉が漏れているだけなので問題ありません。もし空気に触れている梅酢の表面が濁っている場合は、カビや酵母の可能性があるのでその部分を取りのぞいてください。
Q:天日干ししたら白いものが…カビですか?
A:塩とクエン酸の結晶です
塩分濃度が高めの梅干しは、塩とクエン酸が結合して白い結晶になることがあります。カビのように見えて不安かもしれませんが、よく見ると結晶状になっているのがわかります。そのまま食べられます。
Q:干し加減がわからない…
A:正解はないので味見をして好みで決めて!
表面が乾けばOK を目安にしてください。「干し上がったつもりなのに容器に保存しているうちにエキスが出てきてしまった……」と質問されることがありますが、梅自身の重みで必ずエキスは出てきます。むしろ乾かしすぎて中までカピカピになるよりは、少し干しが甘くても問題ありません。
Q:天日干し中に雨に濡れてしまった!
A:通り雨なら気にしなくてOK
通り雨程度なら塩分濃度はさがらないので、そのまま干し続けて問題ありません。思わぬ長時間の雨に濡れてしまった場合は、一度梅酢に戻し、天気の良い日に干し直します。
『まいにち梅づくし生活』では、失敗しない天日干しの詳しい方法や、梅シロップ、梅酒の疑問やトラブルにもお答えしています。
さらに、7月以降にもできる梅仕事として、冷凍梅でも作れる「梅ジャム」や「梅味噌」、梅干しから作る「梅醤(うめびしお)」、完成した梅干しや梅酢を活用する料理のレシピもたくさん掲載していますので、「今からでも何かやってみたい!」「忙しくて6月の梅シーズンを逃してしまった……」という方にもおすすめです。
▲梅ジャム。完熟梅の果肉とフルーティーさが味わえます。
▲梅の炊き込みご飯。梅の旨味・塩味・酸味を最大限に引き出します。
瓶をのぞきこむ時間、ほんのり甘い梅の香り、小さな変化にワクワクする日々……そんな時間の積み重ねこそ、梅仕事の醍醐味かもしれません。
この機会に、もう一度『まいにち梅づくし生活』のページをめくってみませんか?
お知らせ
刊行記念イベントが開催されます!
7月6日(日)
「梅ボーイズのうめばなし 〜梅好きの集い in梅田Lateral〜」
会場:梅田Lateral(〒530-0027 大阪府大阪市北区堂山町10-11 H&Iビル2F)
チケット:前売 ¥2,000 /当日 ¥2,500
オンライン配信:¥2,000
詳細はこちら
https://lateral-osaka.com/schedule/2025-07-06-15803/
写真 柿崎真子、編集部
\好評発売中!/
『120年続く梅農家が教えたい まいにち梅づくし生活』
著:山本将志郎
山本将志郎
梅ボーイズリーダー
和歌山県日高郡みなべ町で120年続く梅農家の5代目。昔ながらのすっぱい梅干しを残すため、令和元年に梅干し屋「うめひかり」を開業。塩と紫蘇だけで漬ける甘くない梅干しを作っている。
YouTubeチャンネルでは、農家ならではの梅仕事のコツや梅の知識、梅料理が好評を博している。
梅の魅力を伝えるとともに、日本の一次産業の基盤を作るという志の元に、林業や海の事業へと活動の幅を広げている。
公式HP https://umenokuni.com/
YouTube 梅ボーイズ