あんこを使ったおやつと自家焙煎のコーヒーでひと呼吸 高井戸【anco】
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月一で通っている行きつけのお店、ハレの日のとっておきのお店、
ちょっとニッチで穴場的なお店……。
食いしん坊のファッションライター・arikoさんがつづる
新しい偏愛レストランガイド。
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実はあんこに目がない。どら焼きや豆大福はお気に入りのお店があるし、自分でも小豆を炊いたりもする。もちろん美味しいあんこが食べられるお店探しにも余念がない。
そんな中で見つけたのがこの「anco」だ。場所は高井戸。駅からも少し離れた環八との交差点から吉祥寺の方面へ進んだ井の頭通り沿いで目を惹く青い外観が目印だ。


木の温もりとシックなグレーでまとめられた店内は日差しがたっぷり差し込む落ち着いた雰囲気が魅力。店名の通り、あんこを使ったおやつと自家焙煎のコーヒーの組み合わせを提供している。


あんこには牛乳でしょという謎のこだわりがある私も宗旨替えするほど、優しい甘さのあんバタートーストとそれに寄り添うようなこっくり香ばしいカフェラテの相性の良さは抜群。
主役のあんこなのだが、これが好みのど真ん中。店主の故郷である北海道の道北、西側にある留萌産「えりも小豆」は一般的な小豆よりも粒が小さく、時間と手間をたっぷりかけることで炊き上がりの皮がとても柔らかく、雑味のない上品な甘さに仕上がるのだそう。

あんこというとこしあん派と粒あん派ともに一歩も譲らないこだわりがあるのだが、このお店のあんこは粒あんでありつつ、舌触りがとても滑らかなのでどちらの派閥をも虜にしてしまう。ちなみに私は粒あん派。しっかり小豆の風味を感じられるこのお店のあんこはいつ頂いてもほっこり満ち足りた気持ちになる。
定番のあんバターには冷たいバターとひとつまみの塩で甘じょっぱく。バターを溶かさず、切り混ぜるようにして食すのがおすすめだ。


あんみつにはshiroとcoffeeがあり、shiroの蜜はバルサミコのような深いコクのある酸味が新鮮だし、coffeeは珈琲寒天にお団子とアイスクリームもコーヒー風味に仕上げるというこだわりぶり。あん団子は茹でたてモチモチの白玉にゆるめのあんこに塩味を効かせたきな粉が香ばしい。

みたらしあんをかけた芋ようかんも甘じょっぱマニアにはたまらない一品。店内はおひとりさまも多く、のんびりゆるゆると過ごせるのが嬉しい。
最近では、あんバタートーストに季節の野菜の一品とスープのセットも金曜日限定で始まったとのこと。甘いのとしょっぱいのを楽しみにまたお邪魔せねば。
DATA
anco
住所 〒168-0018 東京都杉並区宮前1-19-12
営業時間 12:00~17:00(L.O. 16:00)
定休日 日曜・月曜・火曜
※最新の営業日はInstagramでご確認ください。
Instagram @anco.tokyo
*次回は11月28日更新予定です。
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