美しさと素材の味が際立つお菓子をテイクアウト 鎌倉【稲村ヶ崎洋菓子店】
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月一で通っている行きつけのお店、ハレの日のとっておきのお店、
ちょっとニッチで穴場的なお店……。
食いしん坊のファッションライター・arikoさんがつづる
新しい偏愛レストランガイド。
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以前はそこまで得意ではなかったバタークリームを使ったケーキをいつの頃からか好んで食べるようになった。上質なバタークリームは生クリームよりもむしろ軽やか、風味豊かで余韻が残る。
美味しいバタークリームが食べたい! と探しているうちに出会ったのが鎌倉、稲村ヶ崎の住宅地にひっそりと佇む「稲村ヶ崎洋菓子店」の水面(ミナモ)だ。


近くに住む作家の甘糟りり子さんが命名したというこのケーキはその名前の通り、たっぷりのバタークリームをまるで水面の波紋のように美しくデコレーションしたルックスにまず、目を奪われる。

切り分けて口に運べば、しっかりとしていながら口溶けよく、生地と間に挟んだジャムとの相性も上々。とてもシンプルなのに、他では絶対に味わえない唯一無二の味。

鎌倉山の名店「ハウスオブフレーバーズ」で長らくシェフを務められたご主人が作るお菓子の数々はどれも丁寧に素材に向き合い、上質な素材の持ち味を純粋に引き出したものばかり。

スパイスがほんのり香るキャロットケーキは胡桃入りのふんわり柔らかな生地にレモンの香るフロスティングがたっぷり。どしっと重いものが多い中、この軽やかさは断然好み、比べるのもおこがましいが、私が作るものと同じで嬉しくなる。
ほんのり甘くて香ばしいキャロットケーキとキュンと酸っぱいフロスティングの相性が抜群なのだ。

スポンジ生地にカスタードクリームを挟んでガナッシュをかけたボストンクリームパイやグラノーラを使ったカウボーイクッキーなど、アメリカをルーツに持つお菓子のラインナップも豊富で、そんなお菓子で育った私は懐かしさと共感でいっぱい。どれもこれも食べてみたくなる欲望に抗うことができない。


先日は食いしん坊仲間たちと数種類のお菓子を持ち帰って、コーヒーや紅茶と一緒にさながらアフタヌーンティのような幸せな時間を堪能した。

お菓子はすべてテイクアウトのみ、パウンドケーキや焼き菓子はお店に並ぶが、ホールケーキやパイ類は数日前までに電話で予約することがマスト。週末限定のシュークリームや夏のゼリーなどをいただくのを楽しみに、稲村ヶ崎通いはまだまだ続きそうだ。

DATA
稲村ヶ崎洋菓子店
住所 〒248-0024 神奈川県鎌倉市稲村ヶ崎5-21-5
営業時間 10:00~17:00頃
電話番号 0467-28-9612
定休日 火曜・水曜
Instagram @inamuragasaki_yougashiten
HP https://okashinoinamura.stores.jp/
*次回は2月13日更新予定です。
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