【INTERVIEW】オリジナルアニメーション映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』で声優を務めた市ノ瀬加那、南沙良、井上和に聞く作品の魅力とは。
大ヒットを記録した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督を務めた錦織敦史が贈るオリジナルアニメーション映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』。宇宙人、ギャル、ヴァンパイアという、キュートで、ミステリアスで、グロテスクな少女達が奮闘する3つのエピソードからなる本作で、キャラクターボイスを務めた市ノ瀬加那さん、南沙良さん、井上和さんを直撃。作品の魅力や収録秘話など、たっぷり伺った。
撮影/浦田大作 文/関川直子
【市ノ瀬】ヘアメイク/大池由香里(AICON)スタイリスト/MAKI(TOKYO LOGIC)
【南】ヘアメイク/山口恵理子 スタイリスト/武久真理江
【井上】ヘアメイク/森柳伊知 スタイリスト/鬼束香奈子
―市ノ瀬さんは『エリィアンズ』、南さんは『夜露死駆★少女』、井上さんは『ノクターン~このグロテスクな夜に~』で主人公の声を務められましたが、作品の世界観にどんな印象を持たれましたか?
市ノ瀬「『エリィアンズ』は宇宙人と人間がどう関わっていくのか…といったところがメインに描かれ、私が演じた宇宙人のエリーちゃんと、宇宙局に勤める人間の國蔵さんを軸に物語が展開されていきます。作品の雰囲気や映像はポップでかわいらしい印象ですが、社会問題的な部分も描かれていて、ポップさとダークさのバランスが絶妙な作品だなと思いました」
南「『夜露死駆★少女』はかわいいギャル達が激しいバトルを繰り広げる作品で、少女たちの見た目とアクションのギャップが魅力。アニメファンの方にはきっと刺さるのではないでしょうか。私もアニメが大好きで、こういう戦闘シーンでしか得られない栄養素があると思っているので(笑)。あと、多くのキャラクターが登場するので、“推し”を見つけて楽しんでもらえたら嬉しいです」
井上「『ノクターン』は人類が滅びたあとの世界で生きるヴァンパイアと、彼女に吸血され、感染することで生き延びた3人の少女の日常を描いた作品。荒廃してしまった世界だけど、自然の美しさなど、光の表現がとても魅力的で、心を動かされるなと感じました。見る人によっていろんな美しさを感じられる作品だと思います」
市ノ瀬「女の子がロボットになったり、本当に錦織監督のフェチと言いますか、“好き”がギューッと詰まっていて。3作品全てに言えることなのですが、観た人に刺さるものが必ずひとつはあると思います。私自身、こういうテイストの作品に出演したいというのが声優人生の目標のひとつでもあったので、出演できて本当に嬉しいです」

―それぞれの作品において印象に残るシーンを教えて下さい。
市ノ瀬「エリーちゃんは宇宙人という事もありどこまでが本心か見えにくく、つかみどころのないキャラクターで、役づくりする際もちょっと悩んだのですが、監督から『髪が伸びている時は本心』という説明をいただき、役を掴むことができたんです。それもあって、髪が伸びたり、縮んだりするシーンは印象深いです」
―映画をご覧になる方も、エリーちゃんの髪に注目ですね。
市ノ瀬「ぜひ! あと、錦織監督が監督を務められた『ダーリン・イン・ザ・フランキス』は私が初めてメインのキャラクターを演じた作品で、実は今作にもそのキャラクターが実はとある形で出てくるんです。そちらも見つけて頂けたら嬉しいです。」
井上「えぇー! そうなんですか⁉」
市ノ瀬「動いたり、声が入っているわけではないんですが、小物的な感じで出てくるので、“ダリフラ”ファンの方にはそこも注目してもらえたら嬉しいです」
南「絶対に探します!」
―では、『ノクターン』で注目してほしい部分は?
井上「日常がガラッと変わる瞬間がわかりやすく描かれている作品なので、だからこそ、4人の少女達の“ほのぼのとした日常”に注目していただきたいです」

—4人の生活は幸せそうに見えて、でも、切なさも感じますよね。
井上「永遠には続かないとわかっているからこそ、その時間が美しく見える。彼女達の日常は限りある美しさのように感じて、私には魅力的に映りました」
南「『ノクターン』で描かれる荒廃した世界って恐ろしい印象だけど、ヴァンパイアからしたらすごく美しい世界にも見えるし。映像美が素晴らしく、夜のシーンの映像がとても素敵でした」
—『夜露死駆★少女』は“夜の東京”でバトルが繰り広げられ、『ノクターン』とはまた違った夜の描写ですよね。とにかくアクションがかっこいいですし!
南「たしかに戦闘シーンが一番の魅力だと思います。本当に迫力満点ですし。脚本を読んだ時もどんな絵になるんだろうとワクワクしたのですが、完成したものを観ると、音楽も乗って独特な疾走感があり、引き込まれました」
―バトルシーンのアフレコはいかがでしたか?
南「私が演じたステラはそんなに戦っていないので、見守っていることが多かったんですけど(笑)。他のみなさんの演技を見てすごいなーと感服でした」

—プロの声優さんに囲まれてのアフレコ、相当緊張されたのでは?
南「私だけ収録の前にリハーサル日をつくっていただき、監督からいろいろお話を伺い、本番を迎えたのですが、すごく緊張して心臓が飛び出るかと思いました(笑)。俳優は体全部を使ってお芝居できますが、声だけで表現することの難しさ、声優さんのすごさを改めて感じました」
市ノ瀬「私も声だけでお芝居する難しさはずっと感じていて。演じるキャラクターの人生の一部を預かって演じることに責任も感じますし。同時に、自分とは違う人物として生きて、演じる時間がとても楽しいんですよね」
—今回、市ノ瀬さんは國蔵役の星野源さんと一緒に収録されましたが、どんな印象ですか?
市ノ瀬「私は星野さんが演じる國蔵さんが大好きで。國蔵さんはけっこう面倒見のいいキャラクターで、星野さんの声や優しいお人柄が國蔵さんと本当にマッチしていたんです。お声から滲み出る優しさを感じられてだからこそエリーちゃんも謙人さんと最初にお友達になりたかったんだな、と感じました。」
—空き時間など、何かお話はされましたか?
市ノ瀬「お互いの職業のお話などを少し。とても優しい方で、心地よい時間でした」
—『ノクターン』に登場する4人の少女の声はすべて乃木坂46のメンバーが担当されていますが、メンバーとの収録はいかがでしたか?
井上「私も演技経験が多いわけではないので緊張しましたが、メンバーがいることで心強さはありました。アフレコブースの中には4人だけという、作品の世界観にも通じる状況だったんですけど(笑)」
—まさに『ノクターン』の世界ですね。
「本当にまんまというか。みんなで、『今のよかったよ。めげずに頑張ろう』などと励まし合いながら収録したのを覚えています(笑)」
—普段は俳優、アイドルとして活躍されている南さん、井上さんにとって、今回はどんな経験になりましたか?
南「アニメーションの魅力って、現実世界ではあり得ない、できないことを表現できることだと思っていて。それに今回は挑戦させていただき、本当に光栄でした」
井上「改めて、声だけで表現するって難しいお仕事だなと思いました。でも、『ノクターン』の世界で生きることができたのはすごく楽しかったですし、貴重な経験になりました」
―ヴァンパイアとして生きるなんて、現実の世界ではあり得ないことですもんね。
井上「ヴァンパイアって、女の子が最初に憧れるキャラクターだと思うんです」
南「小さい頃、私もなりたいなーと憧れました」
市ノ瀬「わかります。ミステリアスで、独特な雰囲気を持っていて。ドキドキしますよね。」
井上「幼い頃に読んでいた少女漫画の中でも、ヴァンパイア作品はひとつ、大人な感じがして。ヴァンパイアにキュンとしていた私にとって、今回は夢がひとつかないました(笑)」
―市ノ瀬さんはヴァンパイア役の経験は?
市ノ瀬「吸血される側ならあります(笑)」
南&井上「アハハハハ‼」
市ノ瀬「吸血する側はまだないので、いつかやってみたいですね」
●作品紹介
『GROTESQQQUE-グロテスク-』
監督・脚本・キャラクター原案/錦織敦史
制作/CloverWorks
出演/市ノ瀬加那 南沙良 井上和(乃木坂46) 他
配給/ANIMEC
アニメーターの錦織敦史が、“好き”なものを好きなだけ詰め込んだ完全オリジナルアニメーション映画。宇宙人少女が地球にやってくる『エリィアンズ』、ギャルたちのバトルロワイヤル『夜露死駆★少女』、ヴァンパイアたちのささやかな日常を描く『ノクターン~このグロテスクな夜に~』という3つのエピソードで構成され、ポップでエッジィな映像や音楽とともに、少女達の物語を描いた衝撃作。11月6日(金)より全国ロードショー。
●プロフィール
いちのせ・かな
12月20日生まれ、北海道出身。2016年、声優デビュー。2024年、「第18回声優アワード」にて主演声優賞を受賞。近年の主な出演作に『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(スレッタ・マーキュリー役)、『葬送のフリーレン』(フェルン役)、『エリスの聖杯』(コンスタンス・グレイル役)、『ハニーレモンソーダ』(石森羽花役)など。2027年2月19日公開のアニメーション映画『メダリスト』ではTVシリーズから引き続き、狼嵜光の声を務める。
みなみ・さら
6月11日生まれ、東京都出身。2017年映画『幼な子われらに生まれ』で俳優デビュー。近年の出演作に映画『愛されなくても別に』『万事快調<オール・グリーンズ>』『禍禍女』、大河ドラマ『光る君へ』など。現在、ドラマ『会社員』(NHK・火曜夜10時~)に出演し、映画『恒星の向こう側』が公開中。劇場版『虎に翼』(2027年1月15日公開)、『カイジ 人生リベンジゲーム』(2027年1月29日公開)と2本の映画公開も控える。
いのうえ・なぎ
2月17日生まれ、神奈川県出身。2022年、乃木坂46に5期生として加入。グループ活動と並行して、モデルとしても活躍し、雑誌『non-no』の専属モデルを務める。俳優としても活動の場を広げ、ドラマ『スプリング!』や大河ドラマ『豊臣兄弟!』に出演。アニメーション映画『トイ・ストーリー5』の日本語吹替版ではスナッピーの声を担当した。現在、『乃木坂46のオールナイトニッポン』のレギュラーパーソナリティも務める。
衣裳協力:【市ノ瀬】ワンピース(DISAYA)、その他スタイリスト私物
【南】トップス ¥59400、ジャケット¥132000、パンツ¥111100(DIESEL/DIESEL JAPAN 0120-55-1978)、
リング ¥66000、イヤーカフ ¥19800(ともにe.m./e.m.青山店 03-6712-6797)、その他スタイリスト
私物
【井上】ワンピース・シアートップス(FRAY I.D / FRAY I.Dルミネ新宿2店 03-6273-2071)、
ジュエリー(va / ヴイエー 有楽町マルイ店 03-6738-3845)








