【獣医師が執筆】猫の1年は人間の何年? ライフステージ別の特徴と健康管理のポイント

【獣医師が執筆】猫の1年は人間の何年? ライフステージ別の特徴と健康管理のポイント


(答え)C.4年

 にゃんとす先生の解説

猫の1年を人間に換算すると、約4年に当たり(生後2歳以上の場合)、
(猫年齢-2)×4+24)
という計算式で求めることができます。
猫のライフステージは、大きく次の4つに分けられます。

(イメージ:写真AC)

子猫期

・出生から1歳まで
・人間換算で〜15歳

この時期の猫は好奇心旺盛で、何に対しても興味津々。
特に2か月齢までの期間は社会化期と呼ばれ、人や他のペットに少しずつ積極的に接することができる最適な時期です。また爪切りや歯磨き、ブラッシング、キャリーバッグ、動物病院への移動などにも慣れさせるためのトレーニングをしておきましょう。
健康管理の面では、生まれつきの遺伝子疾患や感染症などに注意が必要です。

成猫期

・1~6歳
・人間換算で~40歳

避妊去勢手術が終わると代謝が変化し、太りやすくなります。
食事内容や量を見直し、肥満に気をつけましょう。特発性膀胱炎や尿路結石、肥大型心筋症、呼吸器疾患、皮膚疾患などに注意が必要です。

中年期

・7~10歳
・人間換算で~60歳

引き続き肥満に注意する必要がありますが、だんだんと痩せやすい体質へと変化していきます。
またこの時期から様々な病気のリスクが増えます。慢性腎臓病やがん、甲状腺機能亢進症、糖尿病などは年齢を重ねるごとに発症リスクが増加します。

シニア期

・11歳以上
・人間換算で61歳〜

先に挙げた病気に加え、変形性関節症や認知症などに注意が必要です。
食事や寝床、トイレにアクセスしやすいように段差をなくし、バリアフリーな環境作りを意識しましょう。また、食器は脚付きの高さのあるものを使用してあげてください。
最低でも半年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。

書籍『どっちが正しい? 幸せになるねこ暮らし』より

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どっちが正しい? 幸せになるねこ暮らし
著:獣医にゃんとす
漫画:オキエイコ

*連載は今回で最終回となります。

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Written by 獣医にゃんとす
獣医にゃんとす

国立大学獣医学科を卒業後、臨床経験を重ねつつ、獣医学博士を取得。現在は、とある研究所の研究員として、難治性疾患の基礎研究に従事。SNSでは猫の健康や生活、病気に関するテーマを中心に発信している。著書に『獣医にゃんとすの猫をもっと幸せにする「げぼく」の教科書』(二見書房)がある。
X(旧Twitter): @nyantostos 
Instagram:@nyantostos 
ブログ  :「げぼくの教科書」 

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