【フランス生活】きれい好きな日本人がフランスに住めない理由

【フランス生活】きれい好きな日本人がフランスに住めない理由



フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。


 

華やかに見えるフランス生活のその裏側

みなさん、こんにちは。フランス・ナント在住の大畑典子です。
メディアを通して見るフランスの生活は、華やかで優雅な印象がありますが、実際に住んでみると憧れとのギャップがあり、日本人として馴染みづらいところもたくさんあります。特に気になるのは清潔度の違いではないでしょうか。
ということで、今日はフランスの衛生観念について、日本との違いをお話しします。

私がフランスの衛生観念について疑問を抱いたのは2020年、コロナ禍の時期でした。当時、フランスでは厳しいロックダウンの規制が引かれ、1日のうち外出できる時間が1時間と制限され、外出する際のマスク着用が義務化されていました。ニュースでは外出制限やマスク着用に違反した人たちを厳しく取り締まる様子が毎日流れていました。中には、マスクから鼻が出ていただけで罰金を課された人もいたのです。

そのニュースを目にした時、日本人としてとても違和感を覚えたのです。コロナ禍をきっかけに感染を防ぐための措置を強化してはいるものの、そもそも感染症予防の基礎ができていないのではないか、表面的なところばかりを強化しても意味がないのではないか、と思ったのです。

日本では、家に帰ったら手洗い・うがいを日常的に行いますが、フランスではコロナが流行するまでは家に帰ったらまず手を洗うという文化が、あまり根付いていませんでした。そしてフランスの家は基本的に土足ですが、靴で歩いた絨毯の上を赤ちゃんがゴロゴロ寝そべっている、という家庭もよく見かけます。マスクの義務化や外出制限も大事ですが、基本的な衛生観念を徹底しないと、感染予防の効果は限定的なのでは、と感じたのです。


△我が家の玄関。フランスでは日本のような靴脱ぎスペースはありません。

コロナ禍のマルシェ(市場)ではこんなこともありました。公共の場なので、どの店の人もマスクをして接客をしています。とある魚屋さんで買い物をした時、カードでの支払いができず現金を手渡しました。彼らの作業を観察していると、現金を触ったその手で魚を捌いているではありませんか。しかし顔にはしっかりマスク。その場面を見て「いや、マスクの意味!」と心の中でツッコミを入れてました(笑)。

 

きれい好きな日本人には難易度の高いフランス生活

今はすっかりコロナ禍も過ぎ、雰囲気は以前のフランス生活に戻りましたが、コロナを経験してフランスの街中はそれなりに清潔レベルが向上したと感じます。例えばファストフード店は、以前はトイレに行くのも憚られるくらいの汚さでしたが、コロナ禍で大手飲食チェーンの清掃理念が一新され、以前と比べたらとても快適に使えるようになりました。

それでも、日本のきれい好きな人にとってはフランスでの生活はまだまだ厳しいだろうなと感じます。
以前の記事でもご紹介しましたが、家では基本的にパンは「テーブルに直置き」です。乾燥している食べ物であればこの「直置きスタイル」が基本だそうで、他にはリンゴや梨などの皮が付いた果物も該当します。


△果物も、ものによってはテーブル直置き。

それから、フランス人は髪の毛を毎日は洗いません。これは硬水が髪の毛を痛めると言われているのと、フランスの乾燥した気候のためです。夏でも日本ほど気温が高くなく湿度が低いため、普通に過ごしている分には日本の夏のように汗だくになることはあまりありません。
このように、数日に1回の頻度で髪の毛を洗うフランス人は、シャワーを手短に済ますことが多いです。在仏日本人の中には、お風呂につかる度に同居しているフランス人家族から水の使用量に対して不満を言われる、という人もいます。

キッチン周りで言うと、フランスには「台拭き」という概念がありません。多くの家庭では食器用のスポンジで流しも洗うし、食卓のテーブルも拭うのです。私はもう慣れてしまいましたが、食器用スポンジでテーブルを拭くという行為は、生理的に受け入れられない人は多いのではないのでしょうか。

コロナを機に、家での土足習慣をやめたという家庭も中にはありますが、実際にはまだまだ家の中で靴を履く人が多いです。特に、来客に靴を脱がせる行為というのがフランスでは失礼にあたるので、自分たちはスリッパでも来客は靴のまま家にあがってもらうという、土足と上履きの境界線がとても曖昧なのがフランスの一般的な家庭の在り方のように思います。

ちなみに我が家は、私は日本人の中でもそこまで潔癖という訳でなく、またフランス人パートナーはフランスの中でもそこそこきれい好きで、お互いの清潔レベルにそこまで差がないのでうまく家庭が回っているなと感じています。

ということで、今日はフランスの衛生観念について紹介させていただきました。 
それではまた次回、アビアント〜!

*次回は2月21日(水)更新予定です。


Written by 大畑典子
大畑 典子

フランスでのリアルな生活を、日常ブログや実際に体験したエピソードなどを通してYouTube『Nolie France / のりふら』で紹介している。
フランスの食卓の様子や休日の過ごし方など日常のVLOGをアップし、その豊かでほのぼのとした空気が人気を博し、チャンネル登録者数は13万人を超える。
日本の大学を卒業後、設計建築事務所で経験を積み、27歳で一級建築士の資格を取得。「海外でシンプルな暮らしを体験してみたい」という思いから2016年に渡仏。フランスの建築学科の大学院に留学し、語学を学びながら研鑽を積む。大学院在学中にフランス人のパートナーと出会い、第一子を出産。育児のため途中休学を経て、2020年に卒業。休学期間中に『Nolieフランス三人暮らし』でYouTubeデビュー。2021年に第二子を出産し、現在の形にタイトルを改めた。YouTubeのほか、音声メディアSNS『Voicy』やInstagramでの発信も行っている。
YouTube: Nolie France / のりふら
Voicy:アラフォーフランス生活異文化交流記
Instagram:@nolie_a_nantes

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