春到来でお豆の季節に

春到来でお豆の季節に


厳しい寒さや天候不良で野菜の高騰が続いたこの冬から一転、春の到来とともにスーパーの野菜売り場には青々とした春野菜たちが元気に並ぶようになりました。
なかでもさやに収まった空豆やエンドウ豆などの豆類はたけのこや山菜と並んで春の訪れを感じさせてくれるもの。『そらまめくんのベッド』など絵本のモチーフにもなるような自然のオブジェとも言えるその可愛いフォルムも楽しげで思わず手に取って、今夜の食卓にのせようと考えてしまいます。

img_3470

とはいえ、子供の頃は豆類が苦手でした。
というのも昔の中華料理店のチャーハンやカニ玉、洋食屋さんのチキンライスなどにやたらと使われていた缶づめのグリーンピースがとにかく苦手で。料理の彩りとしては便利な存在だったかもしれませんが、そのぽくぽくと硬い食感は子供にとって到底受け入れられるものではなく、ひと粒ずつほじくり出してお皿の端に並べては親から怒られていました。 
それ以来、食べず嫌いとして長らく遠ざけていたグリーンピース。あまり好き嫌いがあるタイプではない私にとっての唯一のウィークポイントとも言えるほどの存在でした。

和食屋さんのお品書きに豆ご飯とあっても自ら注文することもなかったのですが、あるとき宿泊した料理が評判の旅館の夕食の〆として登場した豆ごはんを食べてその考えががらりと変わりました。
うすい豆ごはんと書かれた品書きを眺めて、「なんだ、豆ご飯か、せっかく来たのに今日ははずれだ、がっかり…」と恐る恐る口にしたところ、その美味しさにびっくり! うすい豆とよばれる青々としたグリーンピースはふっくら柔らかで瑞々しく、薄皮がぷちっと弾けたあとは口のなかがほんのり甘い香りでいっぱいに。

img_3928
これまでのネガティブなイメージがすっかり吹き飛び、考えを改める結果になりました。
そりゃそうですよね。旬の新鮮なものが美味しくない訳がありません。
それ以来、自分でもエンドウ豆を買ってはせっせと豆ご飯を炊くようになったのですから現金なものです(笑)。

そう思って見直すと空豆もきぬさやもスナップエンドウもお豆って美味しい! 空豆はさっと茹でて、パルミジャーノと黒胡椒にオリーブオイルをたらりとかけるだけで後を引くおつまみに。さっと茹でたものを同じく旬のホタルイカと一緒に炒めてペペロンチーノ仕立てにするのもこの時期の我が家の定番です。

img_3229

彩りとして使われることが多いきぬさやは主役にしてあげると実力を発揮してくれるにくい奴(笑)。
みじん切りにしたニンニクをカリッと炒めてからひとつかみの削り節と胡麻油で炒めてから塩と醤油で味付けしたそぼろ(?)と一緒にさっと炒めたり。きぬさやだけを具にしたお味噌汁など、パリっと爽やかな食感はクセになるはず。
コツは使う前に冷たい水に放してたっぷりと水分を含ませることだけ。それだけでぐんと食感がアップします。

img_3889

スナップエンドウもぱりっとした食感が美味しく、クセがないので気軽に使えるのであるととても重宝します。それになんといってもその見た目がとても可愛いのが魅力です。
色鮮やかに茹でたスナップエンドウの鞘を両手に持って優しく開くと、なかの豆が左右に均等に分かれてきれいに豆がならんだオブジェのような見た目に仕上がりに。サラダや洋風のちらし寿司に散らすととても春らしくなるのでうれしくなります。

img_2282

最近では食べるだけにあきたらず、きぬさやモチーフの錫製の箸置きを見つけてその可愛さを楽しむ始末。
すっかりお豆ファンとしてお豆活動に勤しんでいます。

 

*次回は5月14日(月)更新予定です。

 

『arikoの食卓』

 『arikoの食卓 -もっと食べたい-』

『arikoの黒革の便利帖』
ariko%e3%81%ae%e9%bb%92%e9%9d%a9%e3%81%ae%e4%be%bf%e5%88%a9%e5%b8%96%e5%b8%af%e3%81%82%e3%82%8ar

Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は98000人を突破。Instagram@ariko418

»https://www.instagram.com/ariko418/

»この連載の記事を見る