2024年に出会えた、国内の“ひとり旅の街”

2024年に出会えた、国内の“ひとり旅の街”



誰かと行く旅もいい。
でもなんだか今は、ひとりで旅がしたい。
おひとりプロデューサー・まろさんによる街ガイド&お楽しみごとエッセイ。


ひとり時間を提案するメディア「おひとりさま。」を運営している、おひとりプロデューサーのまろです。
連載「そうだ、ひとり旅に行こう。」の第10回目は、「2024年に出会えた、国内の“ひとり旅の街”」をお届けします。

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みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!
年が明けて、今年のひとり旅計画を始められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、私が昨年行って良かった国内の“ひとり旅の街”を3選ご紹介します。
ひとり旅の街の選び方や滞在の仕方はひとそれぞれあると思っていて、あくまでひとり旅の一例ですが、もしも合いそうでしたらぜひ参考にしてみてください。

 

①松江・出雲「民藝とうつわに魅せられる」

昨年、私がひとり旅で特にハマったのが“民藝”でした。生活用品に美を見出す思想が、旅先の日常の美しさに惹かれるひとり旅とリンクしている気がしたのです。

だからこそ、民藝はひとり旅で味わいたいと思い、ゆかりのある地をたくさん巡りました。その中のひとつが島根県の松江・出雲です。
まずここで訪れたいのが、「出雲民藝館」。出雲地方きっての豪農・山本家の邸宅を一部改修し、そのまま展示館として活用している民藝館です。


△民藝の思想が映し出された建物そのものが“民藝品”のよう。

地方の民藝館は静けさを感じることが多く、じっくり展示品と向き合えるのがいいなと思っているのですが、私が行った日はなんと“独り占め”状態。思わずテンションが上がりましたが、ひとりで静かに、そのものが持つ美しさを味わいました。


△特に惹かれたのが、農工具の展示。飾られているというよりも、元からそこにあったかのように自然に置かれているのが良かったです。

そして、そんな民藝の精神が感じられる窯元が各所に点在していて、“うつわ旅”も楽しめます。ショップが併設されている窯元も多く、営業時間内ならアポイントなしで訪れることができるので、私のような初心者にもおすすめです。
手にとってゆっくりと吟味して、“わたし”だけのうつわを見つけてみてください。


△窯元に併設されたショップでうつわを購入できる「出西窯」。

出雲民藝館

〒693-0033
島根県出雲市知井宮町628
TEL:0853-22-6397
定休日:営業時間 10:00~17:00(16:30までにご入館ください)
定休日:火曜(祝祭日の場合は翌日)/年末年始
公式HP:https://izumomingeikan.com
Instagram:@izumo.mingeikan

出西窯

〒699-0612
島根県出雲市斐川町出西3368
TEL:0853-72-0239
定休日:毎週火曜(祝日を除く)
公式HP:https://www.shussai.jp

 

②札幌「四季を感じるアート巡り」

続いては、札幌。これまでも何度か立ち寄ったことはあったのですが、ひとりで訪れて、初めて「カルチャーが息づいている街なんだな」と感じました。
その中でも私が行くたびに楽しみにしているのが美術館巡り。自然との距離が近く、美しい四季を感じながら作品鑑賞を楽しむことができます。


△雪景色に映える「本郷新記念札幌彫刻美術館」。

冬は雪景色の中で、夏は青々とした緑の中で……。
五感でその季節を、土地を感じて。


△夏の青々しい「北海道立近代美術館」。

ここまで街の表情が変わるなんて、素敵ですよね。季節を変えて、何度も訪れたい街です。

本郷新記念札幌彫刻美術館

〒064-0954
札幌市中央区宮の森4条12丁目
TEL:011-642-5709
定休日:月曜(祝日等の場合は開館し、翌日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)、展示替え期間
公式HP:http://www.hongoshin-smos.jp

北海道立近代美術館

〒060-0001
札幌市中央区北1条西17丁目
TEL:011-644-6881
定休日:月曜(月曜が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/展示替期間等
公式HP:https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb

 

③隠岐諸島「ひとり島旅は“何もしない”」

そして、最後に紹介したいのが隠岐諸島。
実は、昨年、割と本格的に”ひとり島旅”デビューをしまして、すっかり魅了されています。

周りにひとり島旅好きがたくさんいて、「何がこんなに彼らを惹きつけているんだろう?」と思っていたのですが、えいっと勇気を出して行ってみたことでひとり島旅の良さがわかりました。ぽつんと離島だからこそ、本当の意味で“何もしない”贅沢を味わえるということに。

隠岐諸島は、まさに離島中の離島。フェリーだと本土から3~4時間かかり、決してアクセスがいいとは言えません。でも、だからこそ手付かずの雄大な自然に出迎えられて、“地球”を本当に近くで感じられます。その姿には、ただただ圧倒されるばかり……。

ほとんど人がいなかったので、ひとりでこの景色と立ち会い少し怖さすら覚えたのですが、それも含めてひとり旅の醍醐味でワクワクします。
眺めているうちに、悩んでいることがちっぽけに思えてきたり、やりたいこと・やりたくないことが見えてきたり……。自分の心の声に耳を傾けて内省する時間を持つにも、島旅はぴったりです。

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“ひとり旅の街”というと、ひとり旅におすすめの街というように聞こえるかもしれませんが、私は、万人に共通したひとり旅に向いている街なんてない、と思っています。なぜなら、ひとり旅は“わたし”だけができる旅で、“わたし”は十人十色だから。

今年も、皆さんそれぞれの“ひとり旅の街”が見つかりますように。そして、私も今年、どんな“ひとり旅の街”に出会えるのか、今から楽しみです。

 

*次回は2月13日(木)更新予定です。

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おひとりホテルガイド
著:まろ
発行:朝日新聞出版


Written by まろ
まろ

「ひとり時間の過ごし方」を提案する、おひとりプロデューサー。Instagramでメディア『おひとりさま。』(@ohitorigram)を運営。中でも、ひとりホテルに関するコンテンツが人気となり、原案で『おひとりさまホテル』(マキヒロチ作、新潮社)として漫画化。初の著書となる『おひとりホテルガイド』(朝日新聞出版社)が6/7(金)に発売。
Instagram:@ohitorigram
note:https://note.com/ohitorigram
X(旧Twitter):@ohitoritter

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