
【フランス暮らし】冬休みの過ごし方
フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。
みなさん、こんにちは。フランス、ナント在住の大畑典子です。
冬休みと聞くと、日本では年末年始の休暇を思い浮かべる人が多いでしょう。大掃除をして新年を迎え、おせち料理を楽しみながら家族とゆっくり過ごすのが一般的です。しかし、フランスでは冬休みが2回もあるというのをご存じでしょうか?
12月のクリスマス休暇に加えて、2月にはさらに2週間の冬休みが設けられているのです。このユニークなフランスの冬休みの過ごし方について考えてみましょう。
クリスマス休暇と冬休みの違い
フランスの12月後半のクリスマス休暇は、家族と過ごす時間として大切にされています。日本のお正月のようなもので、親戚が集まり、伝統的な料理を楽しむことが一般的です。
一方、2月の冬休みは、家族で旅行に出かけたり、アクティビティを楽しんだりする期間として位置づけられています。特にスキー旅行はフランスの冬休みの定番で、多くの家庭が雪山へ向かいます。
アルプス山脈やピレネー山脈など、フランスにはスキーリゾートに最適なエリアがたくさんあるのです。
△スキーリゾートの室内イベントに参加。
日本のスキー旅行は短期間で計画されることが多いですよね? 一方フランスでは、なんと1週間単位で滞在するのが一般的なんです。多くのスキーリゾートは土曜日にチェックインし、翌週の土曜日にチェックアウトするというシステムを採用しており、ゆったりとした休暇を楽しむことができます。
また、フランスのスキーリゾートには、スキー以外のアクティビティも充実しています。プールやジム、ヨガクラスなどが用意されており、スキーに疲れた日は室内でリラックスすることも可能です。さらに、託児所が併設されている宿泊施設も多いため、スキーができない小さな子どもを預けることができ、親は思い思いにスキーを楽しむことができます。
△フランス冬の料理と言えばチーズ料理。
フランスの冬の食文化といえば、やはりチーズ料理が欠かせません。日本では寒い季節に鍋料理を囲むことが一般的ですが、フランスの雪山ではチーズフォンデュやラクレットなどが定番です。スキーでたくさんのエネルギーを消費するため、高カロリーのチーズ料理も罪悪感なく楽しめるのが魅力です。寒さで冷えた体を温めるチーズ料理は、スキー休暇の醍醐味のひとつと言えるでしょう。
フランスの休暇制度と冬休みの過ごし方
フランスでは法律で年間5週間の有給休暇が保証されています。そのため、家族ごとに休暇の取り方が異なり、冬休みに長期休暇を取る家庭もあれば、クリスマス休暇や夏休みに重点を置く家庭もあります。
一方で、仕事の都合で2週間の冬休みを取れない親も少なくありません。その場合、子どもは学童に通うか、祖父母の家に預けられることが多いです。フランスでは休暇中も学童が開いているため、共働き家庭の子どもも安心して過ごせる環境が整っています。我が家でも、冬休みは必ずしも休暇を取るわけではなく、子どもを祖父母に預けることがあります。その間は、夫婦水入らずの時間を過ごし、まるで独身時代に戻ったかのような気分を味わうこともあります。
フランスの冬休みは、日本の冬休みとは異なり、家族の過ごし方にもさまざまな選択肢があります。クリスマス休暇は家族団らんの時間として、2月の冬休みはスキー旅行やアクティビティを楽しむ時間として活用されることが多いのが特徴です。また、休暇の取り方も柔軟で、仕事と家庭のバランスを考慮しながら、それぞれのスタイルで冬の休暇を満喫しています。
ということで、今日はフランスの冬休みについてご紹介させていただきました。
それではまた次回。アビアント~!
お知らせ
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著:大畑典子
*次回は2月19日(水)更新予定です。