
【フランス暮らし】小さな一歩が未来を変える
フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。フランス・ナント在住の大畑典子です。
ついに、この連載も最終回を迎えました。初回が2023年8月、気づけば一年半が経ちました。この連載を土台にして、先日『私が決める、私の幸せ -フランスで見つけた、小さくて平凡で温かな暮らし-』という書籍を出版することができました。
「幸せ」とは、数値で測ったり、人と比べて決まるものではありません。それは、自分の心の中で、小さく、静かに、そして温かく生み出されるもの。フランスでの生活を通じて、その大切さに気づいたのです。そんな想いを込めた一冊になりました。
さて、今回の連載では、書籍でも触れている「小さな一歩が未来を変える」というテーマについてお話ししたいと思います。
私は現在、YouTube、Voicy(音声メディア)、そして執筆活動の3つの仕事をしています。もともとはYouTube一本でしたが、そこからVoicyへ、そして執筆活動へと広がっていきました。Voicyを始めたのは2022年2月。そのときすでに、「いつか本を出版する」という夢を心に秘めていました。
YouTubeでは、フランスでのほのぼのとした日常をvlog形式で発信していました。でも、そこから活動の幅を広げる道が見えず、模索していました。そんな中でVoicyを始め、「自分の暮らしをどう良くしていくか」をリスナーさんと一緒に考える場を作ることに。やがて、その活動が徐々に広がり、講演活動やメディア出演、さらには書籍の出版へとつながる未来を思い描いていたのです。
△生後一ヶ月の息子と湖のほとりで休憩。
そして、ついに実現した書籍出版。3年前の自分が描いた未来は、こうして形になりました。
何か大きな夢を叶えようとするとき、一足飛びに実現するのは難しいものです。でも、小さなステップを積み重ねることで、気づけば手の届くところまで持ってくることが出来るのです。
振り返れば、私の人生は小さな一歩の積み重ねでした。
20代の頃、「海外に住みたい」と夢見ていました。でも、それは突然叶うものではありません。どの国で暮らすにしても役に立つ英語をコツコツ勉強し、日本にいるうちに一級建築士の資格を取得することで、未来の自分の選択肢を広げていきました。
明るい未来をつくれるかどうかは、日々の小さな行動の積み重ね次第で、いかようにも変わります。
でも同時に、今の環境に感謝することも忘れてはいけません。思うように進まないこともあるでしょう。そんなとき、他人と比べて焦ったり、自己嫌悪に陥る必要はありません。そんなときこそ深呼吸をして、自分が積み上げてきたものを認めてあげましょう。
△私の好きなフランスの一コマ、日常を楽しむフランス人。
過去は変えられません。でも、これからの未来は、自分の気持ちと行動次第でいくらでも変えられるのです。
フランスでの生活は、私にたくさんの気づきを与えてくれました。その中でも一番の学びは、「肩の力を抜いて、自分の幸せを大切にする」ということ。
幸せは、自分の手でつくるもの。そして、自分が満たされたとき、そこから自然と生まれる優しさが、周りにも広がっていくのです。我慢して無理に優しさを絞り出すのではなく、まずは自分自身を大切にしてみませんか?
これが、フランスでの生活を通じて私が得た、一番の学びです。
この一年半、連載を楽しみに読んでくださった皆さま、そしてワニブックスの小島さん、金城さんをはじめ、支えてくださった皆さまに心から感謝いたします。
これからどんな未来が待っているのか、ワクワクしています。そして、その楽しさを、これからも皆さんと共有できたらと思っています。
それでは、またいつの日か。アビアント〜!
大畑典子
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『私が決める、私の幸せ ~フランスで見つけた、小さくて平凡で温かな暮らし~』
著:大畑典子
*連載は今回で最終回となります。これまでご覧いただき、ありがとうございました!