
異国情緒を掻き立てる本格飲茶 丸の内【YAUMAY】
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月一で通っている行きつけのお店、ハレの日のとっておきのお店、
ちょっとニッチで穴場的なお店……。
食いしん坊のファッションライター・arikoさんがつづる
新しい偏愛レストランガイド。
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飲茶(ヤムチャ)といえば、かつて東京でもワゴンサービスで楽しめるお店がいくつかあった。それがいつの間にか姿を消し、本場の雰囲気を楽しめる場所がなくなってしまった。飲茶という選択で、何かもの足りない気持ちを抱えていた時に出会ったのがこの「YAUMAY」だった。
広い店内はヨーロッパの重厚感を感じさせる、なんとも優雅なオールド香港の趣で、パリッと糊のきいた白いクロスにも気分が上がる。
エントランスから客席に向かって歩を進める際に目に入るのは、活気あふれるオープンキッチンスタイルの厨房で、忙しく働く熟練の点心師たち。積み重なった蒸籠から立ち上る湯気の向こうで、ひとつひとつ丁寧に点心を包む様子は見ていて飽きることがない。
肝心の点心はどれも納得の美味しさ。具材が透けて見える繊細な蒸し餃子やごろっと入ったシーフードと肉汁を閉じ込めた焼売、飲茶といえば欠かせない腸粉は米粉で作った生地の中からカリッと香ばしい揚げ湯葉が現れるこの店のスペシャリテ。もちもちとカリカリの食感のコントラストがおもしろい。
他にも香ばしいハニーローストポークや花巻(ホアジュアン)でソースの一滴まで拭いたくなる小ぶりの紋甲イカのカレー風味、しゃくしゃくの食感の台湾A菜の魚風味の豆豉炒めなど、どれを食べてもハズレがない。
テンポよく運ばれてくる料理の数々、好みの中国茶片手におしゃべりに興じながら舌鼓を打つ時間こそ、飲茶の醍醐味だ。また、こちらのもうひとつの魅力はスマートでこなれ感のあるサービスぶり。海外からのスタッフも多く、白とネイビーの清潔感のある装いと相まってどこか異国情緒を掻き立ててくれる。
カップのお茶がなくなれば、洗練された所作で二煎め、三煎めとさりげなく淹れ替えてくれる行き届いたサービスがなんとも心地よい。人気のお店なので早めの予約が必須だ。
DATA
YAUMAY(ヤウメイ)
住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア 2F
営業時間
平日 11:00〜15:00(L.O. 14:30)、17:00〜22:00(L.O. 21:00)
土日祝 11:00〜22:00(L.O. 21:00)
電話番号 03-6269-9818
定休日 正月、不定休(法定点検日)
HP https://yaumay.squarespace.com/
Instagram @yaumay_dimsum
*次回は6月27日更新予定です。
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