【INTERVIEW】昨年俳優デビューした谷原七音。現在出演中のドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』の役づくりについて語る。

【INTERVIEW】昨年俳優デビューした谷原七音。現在出演中のドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』の役づくりについて語る。


昨年俳優デビューし、勢いそのままで出演作が相次ぐ谷原七音。放送中のドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』では広報課に属する警察官役、間もなく公開となる映画『鬼の花嫁』ではあやかし役。振り幅広く活躍している。

写真/中野修也 文/佐藤ちほ

――ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』の脚本を読み、どんな魅力を感じましたか?

「このドラマの台本は最初の段階で全話分完成していたんです。読み始めてみたら本当に面白くて、途中でやめられなくて気がついたら朝4時。思わず一気読みしてしまいました。台本を読む前は“警視庁の広報課ってどんなことをするんだろう?”って、正直まったく想像できませんでした。台本を読み進めるほどに仕事内容がわかってきて、“へぇ、こんなこともするんだ!”と驚いたり。その時の僕と同じように、視聴者のみなさんにもドラマを見ながら警視庁の広報の仕事を知っていってもらえたら嬉しいです。あと、今の社会で起きている問題を描いている作品でもあるので、そこにも注目してもらえたらと思います」

――ご自身が演じる玉田宏樹の人物像はどう感じていますか?

「玉田は不真面目ではないんですけど、かといって、広報の仕事に特別な情熱を持っているわけでもなくて。この作品の中では組織にいる人達の葛藤、例えば上からの圧力で自分の職務が全うできない姿も描かれたりします。玉田はそういったことも“まあ、あるよね”と受け入れますが、福士蒼汰さん演じる主人公の今泉はそうじゃないんです。そんな今泉の姿を見て玉田も変わっていく。そんなふうに演じられたらいいなと思っています」

――警察組織の中で広報を仕事とする人間を演じる上で、何か準備したことは?

「初めて出演した『奪い愛、真夏』というドラマでは美大生の役だったので、デッサンしながらセリフを喋ってみるという動きを繰り返して役づくりしました。今回は警察官役で、警察学校の必須科目である武道や柔術も僕は経験がなくて。役づくりが難しい役だなと思っていたんですけど、それでも何かできることをしたいと思って、警察学校の1日とか、交番勤務の方の1日とか、警察官関連の動画を見ました。“玉田はこんな道を歩んできたんだな”と、動画を見ながら自分の中に取り入れていくところからだったと思います」

――役の背景をできるだけ知った上で演じる、というのは大切にしていることですか?

「まだ数回しか役づくりというものを経験していないので、自信を持って“こうです”とは言えないんですけど…役の背景を知ることは大切だと思います。できるだけそうしていきたいんですが、あまり決めつけるのもよくないかなと思ったりして。自分のイメージと監督の演出に差があった時に、すぐ対応ができなくなってしまうかもしれないと思っているので、特にセリフの言い方とか、現場に行く前に自分ひとりで決めつけてしまわないように心がけています。全く準備しないのも、つくりすぎてがんじがらめになってしまうのも、どちらもダメなのかなと思います。役の背景をなるべく深く知り、その人物のセリフや行動の一つひとつにどんな意味があるのかをちゃんと考えておく。その結果が自然と現場でお芝居として形になるのが理想ですが、これまで“できた”と心から思えたのは数えるほどです。現場で結果を出すというのは難しいんだなと、日々感じています」

――今、演じる上で大切にしていることは他にもありますか?

「独りよがりにならないこと、役と自分との接地面を増やすということです。最初は自分とは別人になろうとしていたんですけど、それが難しくて。無理が重なって動きにくくなったり、セリフが言いにくくなったり…。それで無理に別人になろうとするのはやめようと。自分の中にある“役との接地面”を増やしていけば心は自然に動き、嘘のない言葉が出てくると思っています」

――ドラマ終盤はどんなところが見どころになるのでしょうか。

「ドラマ序盤で緒形直人さんが演じる広報課2係の係長・安藤の回想シーンがありましたけど、あの安藤の過去が物語の根幹なんです。終盤はいろんなことが起こりますが、その中で根幹の部分がどうなっていくのかと考察しながら楽しんでもらえたらと思っています。玉田としては、今泉の姿勢に影響を受けて変わっていくところをお見せしたいです。事件への関心の持ち方だったり、行動だったりで、玉田の変化を感じていただけるようにしたいと思っています」

――映画『鬼の花嫁』の公開も控えます。あやかしと人間が共存する世界を舞台にしていますが、キャラクターの心理描写は丁寧で人間味があると感じられました。

「僕も最初に物語に触れた時、同じように感じました。あと、吉川(愛)さん演じる柚子と永瀬廉さん演じる玲夜の関係性が素敵だなって。家族から虐げられてきた柚子は永瀬廉さん演じる鬼の鬼龍院玲夜に救われますが、同時に柚子も孤独だった玲夜を救うんです。どちらか一方が守られるだけではないのが素敵だと思いました」

――ご自身が演じる猫又・東吉のキャラクター像についてはいかがでしょう。

「東吉は柚子の親友の透子を花嫁に迎える猫又で、東吉自身も柚子の仲のいい友達なんです。日々本当につらい思いをしている柚子にとって、透子や東吉は唯一の味方と言っていい存在で。透子と東吉と一緒にいる時だけは自分にも仲間がいるんだ、居場所があるんだと柚子に思ってもらいたい。そんな存在でありたいと思っていました」

――東吉にとって花嫁の透子はどんな存在ですか?

「物語の設定として、“あやかしは花嫁と見初めた相手を一途に愛する”というものがあるので、まず根底には“大好き、愛している”という気持ちがあります。その上でどこか尻に敷かれているというか(笑)。ただ、東吉はそんな関係性も気に入っていると思うんです。透子の男気みたいなものにも惚れているというか。透子役の田辺桃子さんがすごく魅力的に演じられていて。もともと、“透子が大好き”という気持ちを大切に演じようと思っていましたけど、田辺さんの素敵なお芝居のおかげで無理なくそれができたと思っています」

――“人ならざる者”であることはビジュアルで打ち出すことになるのでしょうか。

「コミックの東吉は人間寄りですけど、僕が演じた東吉は映画ならではのビジュアルになっています。髪の毛は人生最大級に伸ばし、くるくる巻いていますし、目はカラコンを付けてオッドアイになっています。あと、東吉は衣裳も面白いんです。ビジュアルでこれだけあやかし感を強く打ち出すからこそ、内面までネコっぽくしすぎないようにしたいとも思っていて。心の動きはあくまで自然に、つくりすぎないようにしようと。また、猫又はあやかしの中では格式が低い存在なので。ある意味、人間に近い存在というか。人間のことをよくわかっているし、人間からも恐れられていない。そんなふうに演じていきたいと思っていました」

――映画『鬼の花嫁』はどんな魅力を持った作品に仕上がりそうですか?

「映画では柚子の儚さ、玲夜のかっこよさや孤独も感じられました。このふたりが出会うのは運命だったんだなって、多分、お客さんにも感じてもらえるんじゃないかなと。運命とか愛情とか、そういうものをすごく感じてもらえる映画になると思っています」


●プロフィール
たにはら・ななと
2003年12月19日生まれ、東京都出身。2024年11月に第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞を受賞。翌年、ドラマ『奪い愛、真夏』で俳優デビュー。現在はドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』が放送中の他、同クールのドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』第7話にゲスト出演も果たす。3月27日(金)より映画『鬼の花嫁』が公開される。


●作品データ
ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』
脚本/ライターズルーム方式 阿部沙耶佳 阿部凌大 島崎杜香
演出/岩田和行 植田泰史 他
出演/福士蒼汰 吉川愛 正名僕蔵 竹財輝之助 太田莉菜 谷原七音 本多力・吉原光夫 / 金子ノブアキ 津田寛治 / 緒形直人 他

蔵前橋署刑事課の今泉麟太郎(福士蒼汰)は優秀な刑事。手柄を立て、これで警視庁の捜査一課へと異動かと思った矢先、警視庁広報課、中でも報道陣への対応を専門とする2係へ異動となる。2係の係長・安藤直司(緒形直人)、熊崎心音(吉川愛)、下地和哉(正名僕蔵)、時永修二(竹財輝之助)、水野和香(太田莉菜)、玉田宏樹(谷原七音)、真部正敏(本多力)ら同僚と共に、今泉は広報という立場で事件解決に向けて奔走し…。
フジテレビ系にて毎週火曜夜9:00~放送。各話放送終了後からTVer、FODにて配信。フジテレビでのSeason1放送終了後、FODでSeason2が独占配信予定