【INTERVIEW】ドラマ『厨房のありす』に出演中の堀野内智。今作で初めてゲイ役に挑戦し、恋する乙女チックな性格の野村栄太を演じている。絶賛撮影中の現場で吸収したこととは。そして、今後挑戦したいことが沢山あるという自身の俳優業についても話を聞いた。

【INTERVIEW】ドラマ『厨房のありす』に出演中の堀野内智。今作で初めてゲイ役に挑戦し、恋する乙女チックな性格の野村栄太を演じている。絶賛撮影中の現場で吸収したこととは。そして、今後挑戦したいことが沢山あるという自身の俳優業についても話を聞いた。


ドラマ『厨房のありす』は、自閉スペクトラム症の天才料理人・ありす(門脇麦)と、様々な生きづらさを抱える人々が織りなす、クスっと笑えてグッとくる少し切なくて温かいハートフル・ミステリー。ありすの父・心護(大森南朋)の研究室に所属するゲイの大学生・野村栄太を演じるのが堀野内智だ。恋する乙女チックな性格の栄太をどのように演じていったのか、話を聞いた。

撮影/浦田大作 スタイリスト/OBU- ヘアメイク/aya 文/太刀川梨々花



――今回のドラマ出演はどのように決まったのでしょうか。

「野村栄太役と山口礼央役のオーディションがあって、僕は両方受けました。監督の前でお芝居をして、野村栄太役を演じさせて頂くことになりました」

――物語は、自閉スペクトラム症のありすや心優しいゲイのシングルファーザー・心護など、生きづらさを抱える人々の想いも描かれていますが、脚本を読んでどんなことを感じましたか。

「誰もが何か抱えている問題があって、それに向き合っていく姿から何か見えてくるものがあるのかなと思いました。栄太を演じるのは難しいのですが、抱えてきたものがあるからこそ、自分自身と向き合い今の明るさがあると思っています。そこを意識しながら脚本を読んでいます」

――野村栄太を演じる上で、心掛けたことは何でしょうか。

「やりすぎないように意識をしています。その上で、栄太の可愛いところや明るさを引き出しながら演じたいと思っています」

――撮影に入る前、役を深めるために何か準備はされましたか?

「栄太の恋人役・山口礼央を演じる橘優輝君の写真を見ていました(笑)。男の子同士の恋愛関係は初めて演じることもあり、どう接しようかなと考えていましたね」

――脚本を読んだ段階で役のビジョンやアプローチの仕方は自分の中で出来上がっているものですか?

「ある程度決まっていました。礼央のほうがクールで、栄太は乙女チックな性格なので、僕のほうから積極的に絡んでいこうと思いました。現場は自由にやらせて頂いているので、脚本を読んだときのイメージと大きな変化はなく撮影しています」

――橘優輝さんの印象はいかがですか。

「初めは物静かで人見知りなのかなと思っていました。僕も人見知りなのですが、お互い恋愛関係の相手役を演じるということで少しずつコミュニケーションが増えていきました。この間もプライベートでご飯に行ったりして仲良くなっていると思います!」

――ドラマは現在放送中(取材時では1話放送済み)ですが、リアルタイムでご覧になられましたか?

「実は初回放送日が僕の誕生日だったので、友達と一緒に見ました。自分で自分の作品を見るのはまだ恥ずかしいところもあるのですが、友達からは『凄くよかった、可愛かったよ』と言ってもらえたので嬉しかったですね」

――クランクインは1話の心護さんに恋愛相談をしている研究室のシーンでしょうか?

「そうですね。その時はクランクインしたばかりということもあって、あまり会話が出来ていなかったのですが、大森さんから話しかけて下さり嬉しかったです。大友花恋さんも一緒のシーンでは声をかけて下さいました。現場の雰囲気は和気あいあいと凄く楽しい環境でやらせて頂いているので自分もあまり緊張せずに出来ているのかなと思います」

――現場で吸収したいことや学びたいことはありますか?

「お芝居の幅や、何か一つのセリフで相手を動かせる力があるんだったら、そういうことを僕も吸収したいです。お芝居の中で相手の役者さんや、観て下さっている方の心を動かせたらいいなと思っています。あとは現場での佇まいだったり、色々考えて学びたいことが沢山あります」

――役を演じている時は難しいのか、楽しいのか、何か感じているものはありますか?

「以前は難しいのと恥ずかしい気持ちが大きかったです。でも、今の現場ではクランクインした時もあまり緊張せずに楽しい気持ちが一番強かったんです。役者さんのお芝居を肌で感じることが出来るのは凄く嬉しいですね」

――セリフはどんな風に覚えていますか?

「セリフをどう覚えるかは、最近悩んでいるのですが…初めに一回全体を読んでから自分のシーンをみています。セリフを覚えるまで声に出して読んでみたりとか。あとは、書かれていることを頭の中で想像してみると自然と入ってくるので、基本は文章から、写真や映像としてイメージして覚えることを中心にやっています」

――監督とお芝居について話す機会はありましたか。

「『こう思うんですけど、どうですか?』と僕から監督に聞いてコミュニケーションをとったりしています。あるセリフに対して、いつもの栄太のテンションよりかは低めにしたほうがいいのかなと思って、監督に提案したときに、『両パターンやってみよう』と言って頂いて、自分の提案を聞いてもらえたのが嬉しかったです」

――今回の作品で栄太のどんなところをみてほしいですか?

「栄太はとても可愛らしい役で、優しさもあります。女性からもそうですし、男性からも可愛いと思ってもらえるように頑張りたいなと思っています。そして、礼央を想う気持ちは凄く強いです。栄太自身もそうですけど、礼央との関係性も注目して応援して頂けたらと思います」

――放送はまだ続きますが、改めてドラマの見どころを教えて下さい。

「まずは1話から出てきたありすが作る美味しそうなご飯や、人の温かさやその人が抱えている問題に対して解決していく道のり、そういうものを観てほしいですね。その中で、謎が多い倖生君やありすの家族にまつわる過去の事件などミステリー要素も含まれているので最後まで注目してみて頂けたら嬉しいです」

――今後の展開が楽しみです。では、ご自身についても聞かせて下さい。俳優業に興味をもったきっかけは何でしょうか?

「元々、高校までサッカーをやっていて、サッカー選手になる予定だったのですが、大学でサッカーをするか、しないかってところでサッカーをやめて、その夢は叶わなくて。それでなにか新しいことをしようと思った時に今の事務所さんから声をかけて頂きました。そこで俳優業について興味を持ちました。今までは雲の上の存在だったので、自分がなる想像がつかなかったのですが、俳優さんならスポーツ選手くらいの影響を与える力があるのかなと気づいて。それで自分がその立場になって人に影響を与えられる存在になりたいと思い、挑戦してみました」

――今後やってみたい役どころ、表現してみたいものはありますか?

「今年22歳になったのですが、自分の実年齢より上の役…例えば刑事ドラマや、逆に高校生の青春キュンキュンドラマもやってみたいです。あとはヤンキー作品にも挑戦したり、大河ドラマにも出たいです。色々やりたいことはあるので、挑戦をしていきたいなと思っています」

――今、何か取り組んでいることはありますか?

「週一でお芝居のレッスンとダンスレッスンをやっています。自分の中で少しずつ補強出来たらいいなと思っています。あとは色々な作品のお芝居を見れば、吸収出来るものがあると思うので日々勉強しています」

――憧れている俳優さんはいますか?

「僕は嵐がずっと好きで、二宮和也さんのお芝居をみて自分も二宮さんみたいになりたいなって思っています。他には今回の役を演じるにあたって、成田凌さんが出演している『窮鼠はチーズの夢を見る』を観ました。成田さんの役が女の子にしか見えなくて、役に入りきっているところが本当に凄いなと思って参考になりました。成田さんの出演している他の作品ももっと観たいなという気持ちになりました」

――最後に俳優としての目標を教えて下さい。

「自分はビッグになりたいので、目標は高く言っておきます(笑)。何色にも染まれる俳優さんになりたいと思っているので、挑戦しながら色んな役にハマっていけるようになりたいです。先程も言ったようにやりたいことは沢山あります。僕はサッカーをやっていたので、サッカーのドラマとかスポーツものも好きで、そういう作品にも携われるように俳優としても成長してビッグになっていかないとなと思っています」


●プロフィール
堀野内智/ほりのうち・さとし
2002年1月21日生まれ、東京都出身。21年、AMEMAオリジナル連続ドラマ『ブラックシンデレラ』で俳優デビュー。近年の出演作に、ドラマ『真犯人フラグ』、映画『18歳、つむぎます』などがある。


●作品紹介
『厨房のありす』
脚本/玉田真也 野田慈伸
演出/佐久間紀佳 鈴木勇馬 瀬野尾一 猪股隆一
門脇麦 永瀬廉 前田敦子 大東駿介 大友花恋 前原瑞樹 阿南敦子 北大路欣也(特別出演) / 橘優輝 堀野内智 伊藤麻実子 金澤美穂 新井郁 皆川猿時 萩原聖人 / 木村多江 大森南朋

「料理は化学です」が口癖の自閉スペクトラム症(ASD)の天才料理人・ありす(門脇麦)。ASDの特性ゆえ、人とのコミュニケーションが苦手、こだわりが強い、音や光の刺激が苦手など、様々な生きづらさを抱えているが、驚異的な記憶力と大好きな化学の理論をもとに、おいしくてやさしい料理を作る。彼女と暮らすのは心優しいゲイのシングルファーザー・八重森心護(大森南朋)。一緒に料理店「ありすのお勝手」を切り盛りするのは、幼い頃から彼女を守る元ヤンの親友・三ツ沢和紗(前田敦子)。そして、その店にバイトとして転がり込む謎めいた青年・酒江倖生(永瀬廉)。彼女を取り巻く人々が繰り広げる、優しく温かい物語。そして、ありすをめぐる過去の事件の謎が解き明かされていくハートフル・ミステリー。
日本テレビ系 毎週日曜よる10時30分放送


衣裳協力:ベスト¥15,800、ニット¥11,800(#Re:room/XINN 03-6805-0104)、シャツ¥31,900、ネックレス¥5,500(FACTOTUM)、パンツ¥39,600(ARTCHENY/Sian PR 03-6662-5525)