【INTERVIEW】金近廉、日本バスケに必要不可欠な存在へ。「もっとうまくなりたい」熱い思いを抱く今夏の活動と、その先にある覚悟に迫る。
「恋する放物線」をキャッチフレーズに、Bリーグ・千葉ジェッツの若手看板選手として躍進を続ける金近廉選手。プロ入り前の大学時代にバスケットボール日本代表(A代表)デビューを果たし、今夏も代表候補として直前強化合宿に参加。23歳ながら豊富なキャリアを積む彼が、間近に迫る代表戦への思いと、新しくスタートするBプレミアへの決意を等身大の言葉で語り尽くす。
撮影/浦田大作 文/脇山渚紗

――Bリーグ 2025-26シーズン、千葉ジェッツはチャンピオンシップ準決勝での敗退で幕を閉じましたが、今はどんな思いですか?
「みんなで優勝を目標にやってきたのでやはり悔しい気持ちが残っています。シーズン中に怪我人が多く出て、全員万全の状態で戦える試合が少なかったですし、僕自身も初めて大きい怪我をして1カ月ほどチームを離脱しました。ただ、角度を変えれば、全員が穴を埋めようと必死に試行錯誤を繰り返して新しい体制をつくり上げた。レギュラーシーズンの最後はうまくかみ合ってきて、いい状態でCS(チャンピオンシップ)に臨めたと思っています。敗退した準決勝戦では、長崎ヴェルカとの実力の差を感じました。西村文男選手の引退が決まっていて、全員が“優勝して送り出したい”という思いを持っていたので、本当に悔しいシーズンとなりました」
――チームとしては悔しい結果でしたが、怪我から復帰後の金近選手の活躍は、目を見張るものがありました。離脱している期間に、意識していたことはありましたか?
「プロに入ってから外国籍の選手に当たり負けしないように筋肉をつけていたんですが、肩の怪我でウエイトトレーニングができなくなり、体重が結構落ちてしまったんです。復帰までに最低限は戻しましたが、自分の中ではまだまだ軽かったので不安がありました。その反面、学生の時のような素早い動きやジャンプ力が戻ってきたようにも思います。元々スリーポイントが僕の武器ではあるんですが、シーズンの後半からペイントアタックやダンクシュートなど、それ以外のプレーも出せるようになったので、いい方向への変化にも繋がったと実感しています」

――9月からは新たなトップリーグ『Bプレミア』が始まります。まだチーム編成が決まっていない中ではありますが、個人的な目標や意気込みを聞かせて下さい。
「千葉ジェッツはBリーグ発足からずっとチャンピオンシップに進出していますが、ここ 2年は無冠で終わっていて、ファンのみなさんのご期待に応えられていないことがとても悔しいです。僕達選手はもちろんですが、何よりファンのみなさんが優勝する姿を熱望して応援してくれているので、来シーズンこそ、その期待に絶対に応えたいです。さらにいえば、自分のキャリアの中で、ひとつでも多くのタイトルを勝ち取ることにこだわりたいです。また、怪我をしないことが何より大事だと身にしみてわかったので、しっかりと体づくりをしながら成長していけたらと思います」
――シーズンが終わってから、オフはどのように過ごしましたか?
「代表合宿までの短いオフでしたが、大学の同期で仲の良いハーパージュニア選手(ジャン・ローレンス・ハーパージュニア選手 現SR渋谷)と出かけたりしました。彼はファッションに詳しいので、僕のサイズにフィットする海外のブランドを教えてくれたり、『これ似合うよ』と、トレンドアイテムを勧めてもらいながら買い物をしました。あとは、僕の趣味がコーヒーとゲームなんですけど、同級生と会話をしながらオンラインゲームをして、ゆったり過ごす時間もありました。そういう時は1〜2時間座りっぱなしなので、コーヒーショップで教えてもらったこだわりのブレンド豆で、味がなるべく変わらないようにアイスコーヒーをつくり、万全の体勢で趣味の時間を楽しんでいます」
――『プラスアクト』は、俳優やアーティストの方に多く出演していただいている雑誌ですが、金近選手は普段、映画やドラマなどは見られますか?
「ここ最近、映画館からは足が遠のいてしまっているんですが、家で平成の邦画やドラマは結構見ています。父の影響で木村拓哉さんが好きなので、『プライド』や『HERO』など、心が熱くなるようなものを好んで見ている感じです。いつか『プライド』の里中ハルのように、かっこいいセレブレーションを決められたらいいですね(笑)」

――期待しています! もうすぐ代表活動が始まりますが(取材は6月上旬)、今回の目標は?
「前回のウィンドウ1、2と出場できた上で今回も招集してもらい、評価してもらえているのはとても嬉しいですが、もっとチームの中心メンバーとして戦えるようになりたいです。これから10分、 20分と出場時間を伸ばして、日本バスケ界に必要不可欠な存在になりたいと思っています。Bリーグのシーズンが終わって今、改めて“もっとうまくなりたい”という気持ちが湧き上がっていて、合宿では一つひとつの練習やトレーニングをしっかり意識してやり切りたいです。その積み重ねを試合で表現して、自分の中で成長したなと振り返れる夏にしたいですね」
――苦しい状況でもシュートを打ち続けるアグレッシブな姿勢も評価されていると思いますが、メンタル面でトレーニングされていることはありますか?
「メンタル面は特に意識して鍛えたことはないんです。小学5年生から本格的にバスケットを始めて、小中高とずっとチームで一番身長が大きく、ゴール下のポジションにつくことが多かったんですね。ありがたいことに、どの監督からも『どんどん打っていけ』と言ってもらって、それがプロになった今も続いています。小さい頃からシューターとして必要とされて育ててもらったので、今後もチームのプラスになるように、自信を持って打ち続けたいと思います」

――頼もしい限りです。今までバスケットを見たことがない方にも応援していただけるように、バスケそのものの魅力や、代表戦の注目ポイントを教えて下さい。
「僕は個人的に、スポーツの中でバスケットボールが一番観戦しやすい競技だと思っています。“リングにたくさんシュートが入ったほうが勝ち”というシンプルさで、展開も早く、飽きることなくどんどん点数が入っていきます。僕は特にスリーポイントシュートを得意としていますが、ディフェンス面でも貢献していきたいと思っているので、泥臭くプレーする姿にも注目していただけたら嬉しいです」
――今年9月に開幕する『Bプレミア』も今から楽しみです。
「Bプレミアはぜひアリーナに観に来てほしいですね。先ほど言った通り、バスケットはルールがシンプルな上に、暑くても寒くても悪天候でも、快適に観戦できるのも魅力のひとつで。アリーナ後方は試合展開がよく見えますし、会場全体の熱気が味わえて楽しいです。前方の席は選手同士が激しくぶつかり合う臨場感もあって熱い気持ちになれると思います。Bリーグはここ数年でどのチームもレベルが上がってきていて、ファンの方の熱量もどんどん高まっているのを実感しています。会場のあの一体感は、一度味わったら絶対に好きになってもらえると思うので、ぜひ応援しに来て下さい!」

●プロフィール
かねちか・れん
2003年3月11日生まれ、大阪府出身。197cm、98kg。ポジションはスモールフォワード。関西大学北陽高校から東海大学へ進学し、2022年のインカレでチームを日本一へと導き自身も優秀選手賞と得点王を受賞。大学在学中の2023年2月に日本代表(A代表)デビューを飾る。同年4月に大学を中退し、2023-24シーズンからBリーグの強豪「千葉ジェッツ」へ加入。プロ1年目から頭角を現し、Bリーグ「新人賞」を受賞。ユース時代(U16、U19)から日の丸を背負い続け、現在は今後の日本バスケ界を牽引する若き看板選手として大きな期待を集めている。








