
【日本〇〇ブス図鑑】アニメ科/オタサーの姫ブス
「みんなのことは平等に好きなの。伝わってるかな?」
いわゆるオタク男子軍団の中の紅一点。通称「オタサーの姫」。
彼女の朝は今日もいつも通りに始まる。起きて眼鏡をかけ、特に顔も洗わず毛玉だらけの部屋着のままお気に入りの二次創作を徘徊し、ワイヤーがゆるみまくったブラをつけ、MサイズがLサイズにまで伸びまくったショーツを着こなして今日の服を選ぶ。
フリルつきワンピースは胸を強調するデザイン。ギャザーが細かく入ったフワフワのスカートはニーハイソックスもあいまって普段より魅力的な脚にみせてくれる。ササ、と整える髪は一度も染めたことのないツヤのある黒髪。ちょっとトップにボリュームがなくて頭皮が見えるのはご愛嬌。整えていない眉毛を隠してくれるパッツン前髪は大事なアイコン。化粧はうすく、ピュアさを強調するの。だって化粧なんかしなくても、私って魅力的だから!
オタクワールドは、基本ポジティブで出来ています。
ポジティブな環境じゃないとキャラとの恋愛も、異世界に迷い込むことも、ラッキースケベも起きないのですから。ネガティブな言葉もポジティブな魔法がかかります。
「太ももムッチリ胸もでかくて存在がエロい」=デブ
「本当は美少女…ダイヤモンドの原石」=メガネ芋女
「思春期の小さな悩みを気にするピュアガール」=ニキビ肌
路上で歌うギタリストより遥か上を行くロマンチスト、オタク。
そんなオタク世界で彼女はいかにして姫という称号を得たのか。当然ながら、自分だけの自信ではオタサーの姫は勤まりません。男性との接し方を自然に覚え、喜ばせ、生活にしっかりと生かしてこそオタサーの姫としての立ち位置をキープできるのです。
そんなオタク恋愛スピードランニングの教科書こそ「アニメ」。
現実ではやりすぎ&ドン引きポイントでも、オタク界では有効です。
高い声で可愛く語尾を跳ね上げ、さりげなくボディタッチ。
褒められたら照れ笑顔で髪を触り、とにかく内股で歩行。
嬉しいときは何度もその場でジャンプ、自作ソングの鼻歌を歌う…
オタク男子はそんなオタサーの姫にメロメロなのです。
彼らの恋愛スピードランニングの教科書もまた、「アニメ」だから。
同じ教科書から恋愛を学んだオタ姫&オタ達は恋愛に対して共通の「正解」を持っているので、いついかなるときも楽しく恋愛ゲームができるのです。更に楽しく恋愛ゲームできる点が、お互いに視界に膜がかかっているところです。男子サイドには姫が可愛くみえる分厚いフィルターが。姫サイドには相手ではなく自分を映す鏡が。
そう、姫には相手は見えていないのです。
だってプリンセスですから。最初から兵士など眼中になかったのです。時折、「私なんて…」と言い出す姫。兵士(オタク男子)達は焦り、姫を励まし、精一杯尽くしますが、実は姫からするとそこまでが最初からセットで考えられているのです。
ただ彼女は「美少女が時折みせる本人以外にはわからない謎の憂鬱」を表現しているだけであって、その物憂げな目にモブもといオタク男子の顔面など入っていないのです。ラノベやアニメで磨いた恋愛力を惜しみなく使う姫にメロメロになるのも無理はありません。
しかしオタク男子も決して悲しい訳ではありません、2次元に魅せられた彼らはいつまでもロマンチックな霧の中でうっとりと目を細めているのです。