【日本〇〇ブス図鑑】自分磨き科/意識高い系ブス
#クロスと食器はドイツ製
インスタなりブログなり、なんだかいいな。と思うものには自然さがあるものです。
不自然なものには不思議と心引かれません。偽っていることが鼻につくからでしょうか?
「意識高い系ブス」は「普段からいいものを身につける」ことで”質の高い物”と”ブスフェイス”の似て非なるジャンルの境界線をグレーにし、ぱっと見のトータルを100点越えにする頭脳派です。
「全身のトータルでみて、100点」
服40点、顔10点、スタイル10点、センス30点、肌10点のブス。
かたや、服10点、顔40点、スタイル20点、センス10点、肌10点 の美人。
この場合、ブスは美人に10点もの差をつけて勝つことが出来ます。そんな意識高い系ブスがより輝くのは、30歳を越えてから。
肌や髪に「いい質」を保つのが努力の技になってくる世代に、普段から身につけるものを「質のいい物」にすることでツヤのある清潔さを失わない、王道の「意識高い系ブス」になれるのです。
「この靴はちょっとな。これだけ浮いちゃって合わない」
TPOに合わせた服装を意識しつつ、少し人が持ってないようなアイテムをチラ見せる。
「私、普段からこういうオシャレな生活を送ってるんです」感をグッと演出。
どう? 目につくでしょう。なんだかシンプルなのに目立つでしょう? あなたには無いセンスでしょう? カフェのカプチーノを飲みながら、ガラスに映る自分をみて満足します。
はぁ……なんでこんなに人よりセンスがいいんだろう。このカフェで一番私が上だわ。
しかし、意識高い系ブスは自ら人を攻撃したりはしません。言葉や態度で人を攻撃する暇があったら自分を磨きたい。人を攻撃している自分って意識低くない? そういう自分って、その瞬間輝いてなくない?
「俺、お前のそういうとこ嫌い」。意識高い系ブスの彼氏は言った。(※突然始まる小説)
「なんで?」
どうやらメガネの曇りをとる作業は終わったらしい彼がこちらをみている。
「さっきから窓の外ばっか見てるし。今大事な話してたじゃん」
「だって元々それ、私の問題だし…武雄は関係ないじゃん」
「なんでお前だけの問題って決めつけるんだよ。そういうとこだよ」
「もういいよ」
ひどい。私はあなたより多くのものをみて、感じて生きているのに。私の仕事の問題をあなたに言ったところで私の感性にはついてこれないでしょうに。
あなたは私のことばかり見て、私が見ている先のものまでは見えていなかったのね。
これは失恋というよりただの結果。価値観が合わなかった、それだけのこと。
意識の高い私について来れなかった――。あなたが悪いの、武雄。
4月△日
リネンのカーテンからみえる空は雨。ベランダの植物とは逆の気持ちです。
代官山で見たローズマリーを添えたフレンチトーストをまねてブランチを。
静かな空気感は雨の日にしか味わえない、特別な時間ですね。
#雨の日#フレンチトースト#ローズマリー#時間の使い方
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意識の高いブスは発信することに慣れていますから、120パーセントの自分の良さをプレゼンすることができます。被写体が自分ではなくても、世界観の演出技術は変わりません。花やカーテン、服などを選んだブスのセンスに価値があるのです。
そんな自分を認めているからこそ自信がにじみだし、周囲から「意識高いな」と思われ、また新たな恋人をつくって価値観の合わなさにより別れるのです。