台所仕事に欠かせない小さなお気に入り

台所仕事に欠かせない小さなお気に入り


いきつけの焼鳥屋さんでお土産に鶏そぼろをもらったので、炒り卵と茹でたいんげんと合わせて久しぶりにそぼろ丼を作ろうと思った。
卵を割りほぐしてから、みりんと塩、砂糖少々を入れて、薄く油を引いた小さなテフロンのフライパンに流して、菜箸4本使ってぐるぐると混ぜながら炒り卵を作る。久しぶりに作ったせいか、思ったほど細かくならない。どうしよう、これではきれいなそぼろ丼にならない…。あれを使ったらどうだろうとふと思いついて、取り出したのはサンクラフト社のたまごのみじん切りマッシャー。

黄色い持ち手で鶏の一本足のようなルックスはまるでキッチュなおもちゃのようだ。本来は茹で卵を切って細かくするためのマッシャーなのだが、フライパンのなかの不揃いの炒り卵に押し付けていくうちに細かく揃った理想の炒り卵に変身した。

このマッシャーは、昨年、取材で合羽橋に行った際、台所の便利グッズがずらりと並ぶお店でふと思いついて手に取ったもの。キッチンのスペースにも限りがあるので、便利グッズの類はあまり買うことがない。とうもろこしの粒をきれいにこそげ落とすもの、バナナを均等にスライスするもの、ふわふわの千切りキャベツができるスライサー、パンケーキをまあるく焼きあげるための型…etc。ずらっと居並ぶ道具のなかで、きらりと輝きを放つ黄色い足。そこまで期待することなく、面白半分で持ちかえったのだが、これがもう本当に便利で仕方がない。

本来の目的である茹で卵のマッシュは尖った先でつるりと滑るなめらかな表面をしっかりととらえてザクザクとカットができ、格子状の四角い穴でまんべんなくつぶすことができる。マヨネーズを加えたあともきれいに混ぜられて、適量をすくってパンに広げることもできる。

茹で卵だけでなく、アボガドや蒸したじゃがいもを一個だけつぶしたいなどというときにも小さなボウルのなかで最大限の力を発揮してくれる。あまりの使い勝手のよさに、使わない日はないほど。今ではないと困る台所道具の上位に躍り出ている。

なくてはならないものといったら、次に思い浮かぶのはマイクロプレーン社のゼスターグレーターというおろし金だ。
このゼスター刃はすりつぶすタイプのおろし金とは違い、細目の鋭い刃が一方向に並んだ状態になっている。その上を軽く滑らせるだけで、さまざまな食材がスムーズに削りとられ、細かな状態になる。

塊のパルミジャーノレッジャーノも雪が降り積もるようにいとも簡単におろせ、イタリアンのレストランのようなふわふわの状態になる。レモンパスタの上には爽やかな香りを放つレモンの皮を、お刺身に欠かせないわさびもふわふわでしゃきっとしたフレーク状に。お刺身サラダにまんべんなくふりかけるワザはアイデア満載のカウンター割烹の若きご主人に教えてもらったものだ。もちろん固い生姜やにんにくもなんのその、滑らかにおろすことができる。

最後はケイ・アンド・エーのビュンビュンカッターなるみじん切り器。ビュンビュンカッターとはなんともふざけた名前だが、刃につながるコードを引っ張るだけで、刃がぐるぐる回って、玉ねぎやにんにくはもちろん、固いにんじんも数秒でこまかくみじん切りにできる。

よく切れる包丁で切れば簡単だなんていいながらもストレスを感じていたとき、料理教室の先生に教えてもらってその便利さに開眼。カレーやシチューなどの煮込みを作る際のベースになるミルポワやトマトサラダにかけるドレッシングのためのたっぷりの玉ねぎとセロリ。あっという間にできるだけでなく、両手に収まるこじんまりとしたサイズ感なのも洗いやすく、収納にも困らないのもうれしい。

ほかにも小さな泡立て器、軽くて切れ味のいいリッターの皮むき器などもなくてはならないものたちだ。フードプロセッサーやバーミックス、電動の泡立て器など劇的に台所仕事を楽ちんにしてくれる電動グッズももちろん素晴らしいが、目から鱗の発想から生まれた、ほんのひと手間を助けてくれる小さくてささやかな便利グッズたちもどこか温かみを感じさせてくれるのだ。

 

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Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は131,000人を突破。Instagram@ariko418

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