【TV出演で大反響!】桒原さやかさんに聞く、「居心地のいい場所」の作り方


イケア、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」と、北欧にゆかりの深い会社で働き、大好きな北欧旅行を重ねたあとノルウェーに移住。現在は、スウェーデン人の夫と2人の子どもの家族4人で長野県松本市に暮らす、桒原さやかさん。

1月23日放送のNHK番組「趣味どきっ!」にて、北欧スタイルの生活・育児のことから、桒原さやかさん、夫のオリバー・ルンドクイストさんそれぞれの台所仕事など、そのライフスタイルに迫った特集が放送されました。

「完璧じゃなくても、失敗してもいい」
「心地よさを自分たちで作り上げる」

自然に囲まれた長野県松本市で、穏やかに自分たちらしく暮らす桒原さん一家の生活は、放送直後から大反響!
ここでは、桒原さんの著書『北欧の日常、自分の暮らし 居心地のいい場所は自分でつくる』を上梓した際に、BOOKOUTで行ったインタビューを再掲載。

北欧に暮らす3家族に取材し、その暮らしぶりから「居心地のいい場所」の作り方――私たちの暮らしのヒントとなる知恵――をたっぷり詰め込んだ本書についてや、北欧の人びとに学ぶ「居心地のいい場所」の作り方について、お話を伺いました。

 

あらゆることに「試行錯誤」する北欧の人びと

――このたびは、待望の新刊『北欧の日常、自分の暮らし』ご出版おめでとうございます! 長野県松本市で築40年の古家をリノベーションしたお宅での暮らしも、すでに2年半ほどが経ったとのこと。前作『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』の頃から、ずいぶんと進化を遂げられているようですね。

我が家は純和風の物件なのですが、家を購入してからは畳の床をフローリングに張り替えたり、砂壁の上から漆喰を塗るなど、家中すべて夫とふたりで試行錯誤しながら直してきました。これも北欧のひとたちが、あたりまえのようにDIYしているのを見ていたから出来たのかなと思います。
1冊目の本が出版されてから子どもも1人増えまして、今では4人家族になりました。バタバタする毎日ですが、時間を見つけては家をコツコツ直すのが楽しみです。最近はようやく家の中が整ってきたので、外にデッキを作りました。次は子供部屋をいろいろと改造したいなぁと考え中です。

――今回の取材を通じて「心軽やかに過ごしているイメージだった北欧の人々が、じつはわたしたちと同じようなことで悩み、試行錯誤しながら過ごしていることがわかった」とのこと。桒原さんが、そう感じられるようになった印象的なエピソードがあれば、お聞かせいただけますでしょうか?

北欧のひとたちは「家にこだわりがある」というのは、以前から知っていたのですが、料理や掃除、子育て、仕事にも、とにかく毎日の生活について、ありとあらゆることに試行錯誤しながら、良くしていこうという姿勢には改めてびっくりさせられました。
仕事場でも、何か違うと感じることがあったらちゃんと言葉で伝える。これは日本だとちょっとマイナスとして捉えられてしまう場合もあるかと思うのですが、それでも、自分の居心地のいい場所を作るためにきちんと発言して、良くしていこうとしているんだなというのは印象的でした。北欧のひとたちはリラックスしているイメージでしたが、今では「戦っているひと」というイメージも持つようになりました。

――私たちにとっては憧れでしかない北欧の人々に暮らしも、努力あってこそ、なのですね。では、取材を通じて、桒原さんが「これはすぐにでも真似したい!」と思われたインテリア、そして子育てのアイデアがあれば、お教えください。

スティナさんのベランダには、木製のパレットを二枚重ねて、その上にクッションを置いて、ソファを作っていたんです。これは簡単にできるし、何より素敵で心地良さそうで、ぜひ真似したい! と思いました。
子育てについては、子どもが好き嫌いがあってもいいというのは目から鱗でした。栄養とってもらいたいと思って、野菜を無理して食べさせようとしがちだったので、肩の力がふっと抜けました。

 

すべては「気持ちの余裕」あってこそ!

――「ほぼまるごとDIY」という、まるで北欧と見紛うような松本のご自宅ですが、もっともこだわったポイント、そして、最大のお気に入りスペースについて、あらためてご紹介いただけますか?

いちばんお気に入りなのは、和室のリビングだと思います。元々の和風の雰囲気を残しながら、北欧と日本の家具を合わせてみたり、書院造りだった棚に自分たちでDIYして本棚を作ったり。床の間に薪ストーブを設置してみたり。和風の家の良さを残しながら、北欧のアイデアもプラスして、リラックスできる場所にできているかなと思っています。

――北欧と日本がうまく融合されたリビングは、本当に素敵でリラックスできそう! さて、今回の本では「自分の気持ち」を大事にして過ごすことの大切さを書いていらっしゃいます。どうすれば、自分の気持ちにクリアでいられるでしょうか? 本の読者のみなさんへのメッセージとあわせて、桒原さんから“ヒント”を頂戴できればと思います。

自分の気持ちって、案外自分がわかっていないことが多いんだなということを北欧に住んでから気がつきました。好きなこと、心地いいこと、逆に居心地が悪く感じることは何か? 自分のことを知ることが大事だなと感じるようになって、それには時間と気持ちの余裕が必要なのだと思っています。

家のインテリアにも、家事にも、子育てにも、お金についても、気持ちの余裕が持てることを常に意識するようにしています。少しでも参考になれば嬉しいです!

撮影/松浦摩耶

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北欧の日常、自分の暮らし
著:桒原さやか

北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし
著:桒原さやか

桒原さやか(くわばら・さやか)

ライター・エッセイスト。「イケア」勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして6年働く。スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイストといっしょにノルウェー・トロムソに移住。1年半の滞在後、帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。「北欧、暮らしの道具店」で連載『暮らしのみずうみー松本便り』を執筆中。
Instagram @kuwabarasayaka

※本記事は、WANI BOOKOUT <https://www.wanibookout.com/>【北欧の豊かな暮らし】桒原さやかさんに聞く、「居心地のいい場所」の作り方(2023/04/19)を、加筆編集したものです。