イギリスでのありえない日常を描いたコミックエッセイ『三十路だけどロンドン暮らし』


イギリスで生活していて、改めて感じた日本の魅力はありますか?

イギリスで生活していると、日本食の魅力に気づかされます。お寿司屋さんのテイクアウトのお店はロンドン市内各駅にありますし、お弁当も「BENTO」としてスーパーで売られています。
嬉しかったのは、オシャレな高めのイギリス料理店に行くと「柚子」や「わさび」がソースなどに使われているのを見かけることです。イギリスの人からすれば、日本の食品は、とてもおしゃれで高級なイメージがあるそうです。
日本食がイギリスで愛されているのを見ると、嬉しいですね。

イギリスに住んでみてわかった魅力

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イギリスではお客さんと店員さんが対等なんです。
例えばお店に入った時、店員さんが「こんにちは」と言うとお客さんも「こんにちは」と挨拶をします。
そして、お会計の時もお客さんが店員さんに「ありがとう」と言います。レストランでも、店員さんが食器をさげてくれたり、お水をたしてくれたり、料理をもってきてくれた時、店員さんにお礼を言うのが普通になっています。

以前、ドン(イギリスで出会った彼)と美術館に行った時、チケットをもぎってくれた店員さんにお礼を言い忘れてしまったことがあります。
その時、ドンに「なんで今店員さんにありがとうを言わなかったの? カナのチケットをきってくれたんだよ」と少し怒られてしまいました(苦笑)。
日本ではあまり見かけませんが、店員さんとお客さんの間で挨拶があるって、すごく魅力的だと思います。

書籍についてのお話も。書き下ろしの漫画やイラストをたくさん描いていただきましたが、書籍化の作業で、大変だったことはありますか?

一番大変だったのはネタ作りでした。
もともと日常の出来事を4コマ漫画にしてブログで公開していたので、書籍化が決まった時はまとまった漫画の数が必要だと思い、ネタ作りを一番に心配しました。

その時に編集部の方から、せっかくだから日常生活以外にも、今まで行ったイベントや食のことなど、私の経験したイギリスネタを交えた漫画も入れたらどうかとご提案いただきました。そうすることで、ただのブログ本でなく、イギリスの豆知識が詰まったとても中身のある本に仕上がりました。

出来上がった書籍を手に取ってみて

はじめて本を見た時は、「本当にブログが本になったんだ!」と実感がわいてきました。
そして、嬉しくてやっと誰かに伝えたい気持ちでいっぱいになりました。
表紙もイギリス国旗カラーにあわせて、赤青白といった大人かわいい感じになって大満足です。

本って、ページをめくる楽しみがあっていいですね。
本の最後の「あとがき」ページを見た時は、なんだか作家になったようで感動的でした。

読者の方に向けてメッセージ

30歳なんてまだまだ先だと思っていたけど、あっという間にやってきました。
テレビや雑誌で他人事のように見ていた「崖っぷち三十路」も、いつしか“他人事”から“自分事”に変わっていました。そんな崖っぷち女が渡英を決め、そこで体験したイギリス生活を漫画にしました。

同じ人間なのに、国が違うだけでこんなにも自分の“当たり前”が、イギリスでは“当たり前”でないことに驚かされたり、時には日本ってこんなに恵まれていたんだと、初めて海外に行って気づくこともあると思います。

海外に興味がある方、いつかやりたいと思っていることがある方などに、『三十路だけどロンドン暮らし』を読んでいただき、異文化に驚いて、人の温かさにほっこりしていただければ嬉しいです。

『三十路だけどロンドン暮らし』

Kanaさんのブログ『三十路だけどロンドンライフ』
http://ameblo.jp/kanacomic/


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