望海風斗、3度目の全国ツアー開幕&メジャーデビュー曲を初披露!


ミュージカル界のトップ女優、望海風斗さんが全国コンサートツアー『Hello,』を3 月20 日(水祝)より日本青年館ホールにてスタート。自身3 度目となる全国ツアーで、東京公演は3 月25 日(月)まで8 公演が満員御礼、東名阪福で全22 公演を開催し2 万人以上を動員します。

さらに、ツアー初日より配信されたメジャーリリース曲「Breath」は、アンジェラ・アキさんが復帰後初の楽曲提供を行ったこともあり、注目を集めています。
ここでは、コンサート前に行われた囲み取材の様子を少しだけお届けします。

 

感情をさらけ出し、五感を解放するコンサートツアー

――今回のコンサートツアー『Hello,』のコンセプトや見どころ、そして19曲の選曲についてお聞かせください。

春の開催ですので、新たな出会い、新たな一歩を踏み出すみなさまに素敵な出会いがあったらいいなという思いを込めて、『Hello,』という題名をつけました。

自分のコンサートを振り返ると、初めてのコンサートが宝塚在団中でコロナ禍が始まった時期でもあったので、一番大変だったと思います。客席も空けて座り、声を出せない状況でした。それから退団後、コンサートや舞台を行う中で、ちょっとずつちょっとずつ光が見えてきて。だから今回は、知らない間に心に凝り固まった部分、何かずっと我慢している部分っていうものを解放してもらいたいと、「五感の解放」をテーマにしているんです。

ポジティブな感情はもちろん、怒りや悲しみだったり、(みなさまの日常の中に溜まっている)いろんな感情があると思うんです。そういった感情も全てこのコンサート中にバーッと出してもらえたらいいなと思い、選曲しました。
でもそうしたなかでも最終的には、歌いたい歌を選択していきました。本当に多くの曲の中からどう残していくかということが試行錯誤でもありました。ミュージカルの曲や、ポップス、海外の曲もあり、いろんなジャンルのものもちゃんと歌い分けられたら面白いかなと思っています。

見どころは、どの曲にも思い入れはありますけど、でもやっぱりみんなで盛り上がれる「お祭りマンボ」とか「Hound Dog」はエネルギッシュで、会場全体で汗をかきながら楽しめるんじゃないかなと(笑)。今回は客席降りもあるので、お客様を巻き込んで盛り上がっていけたらいいなと思います。

――初日を迎えるにあたって、苦労したところは?

一番苦労したのは歌詞です。やっぱり歌詞を覚えるのは大変ですね。私の場合は、ひたすら書いて、何回も唱えて覚えているのですが、もう手が痛くなるぐらい(笑)、書いてます。
やっぱりちゃんと皆さんの顔を見ながら歌いたいので、歌詞が抜けないことを今は祈って(笑)。あとは、歌って踊るシーンもあるので、息切れにならないようエネルギーの維持にも気を付けていきたいです。

 

アンジェラ・アキさんによる新曲『Breath』は
新鮮な空気で体が満たされていくような気持ちに

――初披露された新曲の『Breath』という作品に関してお聞かせください。

初日にお客様の前で歌い、どんな反応が返ってくるのかというのは非常に楽しみです。この曲に込めた大切な想いを、きちんと自分の言葉で劇場に来てくださったみなさんにお伝えしたいなと思っています。

どんな人でも生きていればいろんなことがあって、楽しかったり、喜びだったりという瞬間よりも、悲しかったり苦しかったり、何かちょっとむなしかったり、孤独だったり、そういう時間の方が多いんじゃないかなと思うんです。

大人になると、ただ単にずっと毎日楽しく過ごせることが、子供のときほど多くないなと思うようになって。でも、そんなときでも「今」という時間があって未来に繋がるし、過去があって「今」というものがある。
その「今の自分」というものをしっかり抱きしめてあげられるのは自分自身しかいないと思うので、そんな曲になったらいいなという思いを書いて、アンジェラ・アキさんにお伝えしました。

アンジェラさんがそこからこの曲を生み出してくださって、初めてデモを聞いたとき、すごく心が洗われたというか、新鮮な空気で体の中が満たされていくような体験をしたんです。しばらく無音のまま、余韻だけで自分の内側とずっと向き合う。そういう時間を、この曲を聞いた皆さまにも過ごしてもらえたらいいなと思います。自分の呼吸を感じて、本来の自分に立ち返るきっかけにしてもらえるような、そんな願いを込めました。

――アンジェラさんからのコメントに「望海さんの心深くにあるものを聞いて、その思いに寄り添えるような楽曲を目指しました」とありました。望海さんの特にお気に入りのフレーズや、思い入れのある部分はありますか?

「何を目指して走っているの、ゴールのないレースで」という歌詞ですね。
ふと自分に立ち返ったときになんでこんなに一生懸命、何かに追われるように、必死でやってきているんだろうと思う瞬間が私自身にもあって。その思いを、この言葉にして書いてくださったことで、とても心に刺さるフレーズになったと思います。

また最後の
「生きてるって それだけでいいんだって 自分をそっと抱きしめてみる」
という歌詞は、当たり前のことかもしれないんですけど、なかなかできなかったり、人によっては、やらずにこれまできたことだったりすると思うので、歌った瞬間に心が震えました。

――全国ツアー、メジャーリリース第一弾配信となりますが、手ごたえを教えてください。

まず、この『Hello,』に関わってくださったみなさんが、すごく素敵な作品を作ってくださって。本当に面白くてそれぞれ個性があり、素敵なメンバーたちとコンサートができることを、すごく嬉しく思っています。
手ごたえを感じるのは、お客様が入ってからなので、早く皆さんに見ていただきたいなと。やればやるほど、きっといろんな発見があると思いますし、またその土地での出会いもあると思いますので、楽しみにしています。

 

女優と歌手、二つの道への挑戦

――新生活の時期ですが、望海さん自身も新しく始めたいことはありますか?

 新しく始めたいこと! 自転車に乗りたいですね。かれこれ10年近く乗ってないのですが、東京に引っ越してきて、自転車に乗っている人を見かけるうちに、私も欲しいなという気持ちになりました。
ちょっとした所に出かけるときや、稽古場に自転車で来る方もいて、いいなぁと思っていたのもあって、今いろいろ調べています。風を切って走るのが気持ちよさそうですよね。

――今回歌を出されたということで、今後は女優と歌手の二刀流で頑張っていかれるんでしょうか?

そうですね(笑)。二刀流で頑張っていきたいですけれども、やっぱり二刀流って難しいですね。
でも、二つやるからこそ見えてくるものもあるはずだと思っていて。今はずっと舞台に立っていたので、ポップスの難しさをすごく感じているんです。でもポップスをやってみたからこそ、気づけるミュージカルのことや、また新たな喉の筋肉も手に入れられるんじゃないかなと。二刀流になれるよう、頑張って育てていきたいと思います。

――宝塚時代の曲は「男役スイッチが入る」とのことでしたが、今回はどうでしょうか。

 舞台上にも男性がいて、その中でカッコつけるってなかなか難しいなと思っていたんですね。
でもいざ音楽がかかって踊りはじめると、すごく滾ってくるというか、歌うよりも踊る方がわくわくしちゃうなと、今回このコンサートで感じています。
特に「摩天楼のジャンル」などは踊っていてすごく楽しくて……この男役スイッチね、ずっと持ち続けて、たまにパッと付けられたらいいなと。これからもいろんなスイッチを手に入れて、使い分けていきたいと思います。

撮影/吉原朱美

公演情報

望海風斗ドラマティックコンサート『Hello,』
https://nozomi210.com/hello/intro/

演出・振付:桜木涼介
音楽監督:武部聡志
プロデューサー:渡辺ミキ

【東京公演】
2024年3月20日(水)~3月25日(月)
会場:東京・日本青年館ホール

【福岡公演】
2024年3月30日(土)・31日(日)
会場:福岡・キャナルシティ劇場)

【愛知公演】
2024年4月20日(土)・21日(日))
会場:愛知・東海市芸術劇場大ホール)

【大阪公演】
2024年4月24日(水)~28日(日))
会場:大阪・SkyシアターMBS)

望海風斗

2021 年に退団するまで宝塚歌劇団雪組のトップスターとして活躍。2022 年度の第30回読売演劇大賞では優秀女優賞を受賞するなど、数多の作品で主演を務めミュージカル界のトップ女優として人気を拡大中。2023 年には『ドリームガールズ』『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』、2024 年も『イザボー』など次々と大作の主演を務めている。類まれなる歌唱力を武器に、本格的な歌手活動が始動し、ツアー初日の3 月20 日(水祝)にポニーキャニオンより音楽配信をスタート。

オフィシャルサイト https://nozomi210.com/
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