【INTERVIEW】黒崎レイナ/初出演映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』について語る

【INTERVIEW】黒崎レイナ/初出演映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』について語る


『セブンティーン』の専属モデルとして活躍中の黒崎レイナ。モデル活動をしながら、女優として『幽かな彼女』『35歳の高校生』などのドラマにも出演。その当時「次の目標は映画」と言っていた通り、2月27日公開の『黒崎くんのいいなりになんてならない』で映画初出演を果たした。映画の撮影エピソードを振り返るほか、リアルな現在の高校生活について聞いた。

 撮影/吉田将史 文/今津三奈

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――ドラマに出演していたころ、次は映画に出演したいと発言していましたが、『黒崎くんの言いなりになんてならない』への出演おめでとうございます。レイナさんが演じたあや役は、オーディションですか?

「そうです。オーディション会場でふたつの台本を渡されて。読む時間もなく始まったのでセリフが頭に入ってなくて。 “今のでよかったのかな? やらかした?”という感じで自信はなく、終わったあとは凹みました」

――では手応えがあった訳ではなかったんですね。

「取り敢えず堂々と演じようと心がけ、ベストを尽くした感じではありました。冷静にやったつもりだったんですけど、焦ってセリフを噛んだところもあったので」

――では受かったと聞いた時の気持ちは?

「私でいいのかな? でも選んで頂いたんだから頑張ろう! と思いました」

――レイナさんが演じたあや役は、学校に必ずいるミーハーな女の子ですが、役柄のイメージはすぐにつかめましたか?

「学校の友達はかっこいい男の子や芸能人が好きでいつもキャーキャー言っているので、そういう感じなのかなと思って。でも私はキャーキャー言うことがないので、クラスメイトの子をイメージしてテンションを作りました。由宇(小松菜奈)と自分の好きな男の子がイチャイチャし始めると、「チッ」と嫉妬する、女性の黒い部分も、自分には恋愛経験がないからイメージがわかなくて…」

――これまで全く恋愛のチャンスがなかったんですか?

「ないんです………」

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――好きな度合いは色々だと思いますが、小学校の時など子供のころに“いいな”という感情を抱いたこともないですか?

「弟がいるので、そういう感情になったことがなくて。みんな友達で、ワイワイとサッカーしようぜ! という感じでした。今、友達との恋バナにも全然ついていけず『あの子かっこいいよねー』と言われても、『え、どこがかっこいいの?』という感じなんです」

――それではあやの感情を表現するのは難しかったですね。

「友達に『どうしてキャーキャー言うの?』『この人のどこがいいの?』と聞いたりしましたが、実は私、マンガでは萌えるタイプなんです。壁ドンとか、こんなに近くでされたら無理無理…って。そういう感情はわかるんです。以前原作を読んだことがあったのですが改めて読んで、あやちゃんの性格を自分なりに想像してから現場に入りました」

――月川翔監督からすんなりOKは出ましたか?

「リハーサルは大人数でやったんですけど、やっぱり『キャーキャー』言うのが難しくて。これまでの役やレッスンでも、闇を持つ役ばかりだったので。でも頑張ってテンションあげてOK頂きました」

――自分に経験のない役を今後もたくさんやることになると思いますが、そういう状況は楽しいですか?

「楽しいです。自分にはない、自分じゃない感情を出して、それを表現するのが楽しいです」
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――一方で、役の気持ちが出来ないとその感情を表現するのは難しいと思います。

「レッスンでも自分の考えのまま演じると、先生から『そこは違うでしょ』と指摘を受けることがあります。その時も、納得出来ることもあれば出来ないこともあって、難しいですね。やっぱり自分の意見だけだと悪い方向に進んでしまうので、マネージャーさんやお父さんの意見を聞いて、最終的に自分はこれでいいなと思えたら、その通りに演じます」

――マネージャーさんだけではなく、お父さんの意見も聞くんですね。

「この世界に入りたいと相談したのもお父さんですし、そしたら『全力で応援するから真面目に頑張れよ』と言ってもらったので、お父さんの意見は大事にしたいです。私の芝居を見て『下手くそ、なんでこの表情なの?』と言われることもあるし、意見は辛口なんですが、納得出来ることをアドバイスしてくれるので頼りにしています」

――お父さんが応募してこの世界に入られましたが、女優さんをやってみたいと思ったきっかけは?

「小5の夏休みの宿題で日記を書かなければならなかったんですけど、何もしてなくて。取り敢えずコンテストみたいなものに出て、それを書こうと考えたんです」

――えっ、日記のネタとしてオーディションを受けたんですか?

「そうなんです。大勢の中でモデルウォークをしたら、それが楽しくて。元々ドラマや映画を見るのも好きだし、積極的に意識して見るようになってからは、女優さんが色んな役に入りこんで演じる姿が凄くて、私もやってみたいなと思うようになりました」
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――ハマった映画、ドラマは?

『スカイハイ』『女王の教室』が好きでした。ガラスが割れるシーンなど、どうやって撮るんだろうという技術的な面も気になって。作品の中に自分もいたくなりました」

――事務所が決まってレッスンをしてみて、自分が思っていたお芝居の世界と近いものでしたか?

「想像とは全く違っていました。まずセリフを言う以前の問題なんですが、腹式呼吸から始めて。腹式呼吸はなんとなく出来たんですが、活舌の練習、台本の読み方は全く出来なくて先生に怒られてばかりで(笑)」

――なんでこんなことし始めちゃったんだろうって……。

「まさにそうです(笑)。今も注意されてばかりです」

――それでも続けたいと思う楽しみはなんですか?

「まず負けず嫌いなんです。自分が頑張っていても、周りから頑張っていないと否定されるのが凄く嫌でもっと熱くなっちゃうんです。やると決めた以上、ずっとやり続けなきゃと思うし、この仕事を始めてからファンの方が出来たりして応援してくれる人もたくさん出来ました。プレッシャーがあったほうがいいんです」

――ダイエットも相当頑張って今も続けていると聞きましたが、頑張れるのはそんな理由なんですね。

「でもダイエットが一番きつかったです。台本を読むのは自分が好きでやり続けられるんですけど、ダイエットは別。痩せてスタイルをキープしなくちゃいけない。ご飯食べるのが好きだし、眠くなるとだらけちゃうから…。元々はやせ型だったのに体脂肪率が高くなっちゃって。中1くらいから多重が増えて顔や体型にまで出て。マネージャーさんからも『痩せなきゃね』と言われて運動や食事制限をしていたんですが、周りからのストレスで更に太っちゃって(笑)。頑張っているのに結果が出なくてつらかったです。私は食事制限が向いていなかったので、運動を増やしてしっかり食べています」

――ダイエットはどのくらい続けているんですか?

1年半続けてます。学校から帰ってきたら筋トレ、ランニング、キックボクシング。事務所に来た時も周辺を走ったりしてます」

――凄い。頑張ってますね。

「自分でも褒めていいと思います。なかなか痩せないからイライラしてた時、お父さんが自転車で並走してくれて一緒に走ったりしたんですが、お父さんに見えないところでずっと泣いてました(笑)」

――その甲斐もあってセブンティーンの専属モデルに選ばれました。

「本当に嬉しかったです」

――モデルの仕事はすでに『ニコラ』でも経験済みでしたが、モデルの仕事の楽しさ、大変さを教えて下さい。

「私は八重歯を気にして口を隠す癖があって、笑顔を見せるのが恥ずかしくて。そうなると気にしちゃって自然に笑えなくなってしまって。改善するために鏡の前で笑顔の練習をしてますが、まだまだ難しいですね。あと、私服のファッションセンスを磨かなきゃいけないし、体型をもっと絞らなきゃいけない。周りのモデルさんは全員努力をしていて凄く綺麗なのに、私はボテーー、ステーンって感じなので早くみんなに近づかないと」
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――プライベートな面も聞かせて下さい。学校でははしゃぐタイプではないようですが、普段どんな風に過ごしているんですか?

「昔から変に落ち着く癖があります。周りからは“男っぽい”“干物系女子”“おっさん”と言われることも。食べ物の趣味も、みんなは女の子らしいグミとかアイスが好きなのに、私はスルメやちくわ、かまぼこが好きで、そういうのばかり食べていて。マンガも『刃牙』や『北斗の拳』など少年マンガが好き。私が好きなものと、周りの女の子が好きなものが若干ズレているせいか、『変わっている』『天然じゃないし、考えていることはわかるんだけど、なんでその発想?』と言われることが多いです(笑)」

――では夢中になってることや好きなものはなんですか?

「メイク道具を集めるのが好きだし、マグカップやガラスのものも好きで集めています。メイク道具はみんなも共感してくれるんですが、ほかは共感してもらえません(笑)」

――マグカップやガラスのどこに惹かれますか?

「キラキラしたものが好きなんです。だからキャンドルも好きで、見ていて落ち着きます。落ち着きたい時は部屋を暗くして、キャンドルをつけて気分を切り替えます」

――マグカップも、気分に合わせて選ぶんですね。

「そうです。でも、多過ぎてもう置けないからとお父さんに半分くらい捨てられちゃったんです。集めるのをやめてもらいたいのかな? でもめげずに買い足してます(笑)。実はお父さんもそういうものが好きらしくて、性格もお父さんとそっくりなんですよ」

――学校の友達は芸能界に興味があるとのことでしたので、その世界にいるレイナさんは憧れの対象でしょう。周りの友達はどんな風に言ってくれますか?

「そこは言わせません(笑)。そういうことを言われるのが好きじゃないからか、“言わないで、聞かないで”というオーラが出ていると言われます(笑)」

――では、自分が出演する作品を宣伝したりしないんですか?

「全然しません。聞かれたら答える時もありますが、人に言うのは苦手で、恥ずかしいという思いがあります。親友は全部知っているので、イベントに来てくれたりして、その子達は色々と感想を言ってくれます」

――その親友とはどんな風に過ごしますか?

「お喋りしたり、お買物をしたり。お互い家に行って遊ぶことも多いです。いつの間にか寝ちゃうんですけど」

――お友達も寝ちゃうんですか?

「いえ、私だけです(笑)。マンガを読んでいると、ついウトウトしてしまって。でも起こしてくれないので。うちに遊びに来た時なんかは、私が寝ている間にメイク道具を出して勝手にメイクをしていたり、服を見て、『これかわいい!』と言っていたり(笑)。そのほか、カラオケやバッティングセンターへ行くのも好き。4歳違いの弟とはケンカもするけど凄く仲がよくて。『レイナのところほど仲のいい姉弟は見たことがない』と昔からよく言われます。好きなものが同じで会話が合うので、ご飯を食べに行ったり、お買物に付き合わせたりすることもあります」

――中1の弟が買い物に付き合ってくれるなんて、いい姉弟ですね。

「嫌だと言うこともあるけど、『お菓子をおごるよ』と言うと、『じゃあ、行く』と。結局付き合ってくれます」

――そろそろ時間なので、最後の質問を。今年はどんな年にしますか?

「お芝居、美容などあらゆる意識を高めて行こうと思っています。4月には高3になるので、高校も最後。1年後にはもう大学生で自立しなきゃいけないので、そういうことも意識していきます。早く東京に出て一人暮らしをしたいという気持ちも強くて。そのぶん、家族との時間を大切にしつつ、今よりも映画やドラマに出られたらと思っています」

 /プロフィール/
くろさき・れいな
1998年11月11日生まれ。愛知県出身。2011年ドラマ『ハガネの女 season2』で女優デビュー。その後ドラマは『ブルドクター』『DOCTORS~最強の名医』『幽かな彼女』『35歳の高校生』に出演。11年~15年は雑誌『nicola』専属モデル、現在『セブンティーン』の専属モデルを務める。
 
『黒崎くんの言いなりになんてならない』
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原作/マキノ「黒崎くんの言いなりになんてならない」(講談社「別冊フレンド」連載中)
監督/月川翔
脚本/松田裕子
出演/中島健人 小松菜奈 千葉雄大 高月彩良 岸優太 岡山天音 中村靖日 池谷のぶえ 川津明日香 鈴木裕乃 北村優衣 長谷川里桃 黒崎レイナ 鈴木美羽 

新しい高校へ通い始め、冴えない過去の自分にサヨナラしようと頑張る赤羽由宇(小松菜奈)。転校初日に“黒悪魔”と恐れられるドS男子、黒崎晴人(中島健人)と出会い、奴隷のように無理難題を突き付けられるも、芽衣子(高月彩良)と親友になり、“白王子”こと白河タクミ(千葉雄大)とデートをしたりして、次第に変化していく。ある日、芽衣子の黒崎への想いを知った由宇は、タクミから積極的にアプローチされながらも、やがて自分の本当の気持ちに気づいていく。
2月27日(土)から全国ロードショー

C)「黒崎くんの言いなりになんてならない」製作委員会