小さな庭
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季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事。
杉浦さやかさんがスケッチする折々の暮らし。
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寒さが抜けた4月は、庭の手入れがお楽しみ。
駅前に出ては花屋さんでお花を仕入れ、
せっせと植えたり、鉢に入れて配置したり。
ミニバラ、チェリーセージ、ゼラニウム、デイジー、安い苗ばかりだけど、冬越しですっかりさみしくなった庭が、みるみる春色に塗り替えられていきます。
小さな前庭は北向きなので、日当たりはあまりよくなく、放っておくと地面にゼニゴケがびっしり生えてしまう。
家の前の道がもともとは川で、今も道路の下に水の流れが残っているせいで、湿気が多いのです。
毎年蚊にも悩まされていて、5月からの半年間は庭に長いこと出られないほど。
蚊が匂いを嫌う、ローズゼラニウムをドア付近に植えているけれど、とても追いつきません。
なかなか厳しい条件だけれど、やっぱり土と木と草花がすぐそばにあるのは、とびきりうれしいこと。
ひとりで世話するには十分な大きさで、小さいながらも愛するわが庭です。
整っている庭より、雑草も元気に生える自然な雰囲気が好きなので、カタバミもドクダミも生やしっぱなし。
これから初夏に向けて
バラが咲いてアジサイが咲いて……
茂っていく庭にワクワクする季節の、はじまりです。