桜の咲くころ

桜の咲くころ


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季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事。
杉浦さやかさんがスケッチする折々の暮らし。
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APRIL

 

0401桜の咲くころ         
はじまりの月、4月。
その最初の日が、私たちの結婚記念日です。
友人関係からのスピード婚でまわりを驚かせたので、エイプリルフールなんてぴったり(?)。
そして毎年桜のころが記念日なんていいなぁと思い、この日に入籍しました。

新婚の2年間だけ暮らした、静かな下町の住宅街。あちこちにあるお寺に見事な桜が咲き、古いおうちの庭先は春の風で満ちていました。夫のオンボロ自転車のうしろに乗りながら、「20年先も、この日の気持ちは忘れないでおこう」と思ったっけ。大きなけんかもしたし、すっかり子ども中心の生活だけど……桜が咲くと、あの日のしあわせな二人を思い出します。

1年目の記念日に骨董市に出かけて、たまたま苗字の書かれた古い瓶を買ったので、結婚記念日にはちょっとしたいいものを買おう、ということに決めました。
そして入籍した日も、区役所からお店に直行したほど二人ともとんかつが大好物。お花見散歩をして、とんかつを食べるのが決まりのようになりました。

来年はどこの桜を見て、どこでとんかつを食べよう。
記念日をちゃんとお祝いするって、楽しいものです。

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Written by sugiura sayaka
sugiura sayaka

杉浦さやか(すぎうら・さやか)/1971年生まれ。日本大学藝術学部美術学科卒。大学在学中の1993年よりフリーのイラストレーター。 独自のタッチと視点で描くイラストエッセイが人気を博し、街歩き、旅、映画、おしゃれなど様々なテーマで執筆。『週末ジャパンツアー』『上海を歩こう』『はじめてのハワイ』(小社)、『スクラップ帖のつくりかた』(KKベストセラーズ)、『レンアイ滝修行』(祥伝社)、『うれしいおくりもの』(池田書店)、『おきにいりと暮らす ABC』(白泉社)など著書多数。最新刊は『マーマリング・トーク おしゃべりなつぶやき』(二見書房)。

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