【ペルー日記】南米でも特に治安が悪い地区での防犯対策

【ペルー日記】南米でも特に治安が悪い地区での防犯対策



人生初の中南米一人旅の真っ最中に、新型コロナウイルスが蔓延。
国境は封鎖され、飛行機はキャンセルになり、異国の地でのロックダウン生活。
街中がパニック、一人心細く、早く帰国したいと願う毎日……になるかと思いきや、
彼女は「いっそのこと、ここに住もう!」と決め、ペルーで生活を始めた。

ペルーで暮らして、早4年。
現地からお届けする、予想外で刺激的な日々。


 

前回、初めて南米にやって来た時のリマでのエピソードを紹介したが、2024年9月末、再びリマを訪れる機会があった。ペルーでの滞在許可の延長をするため、日本大使館まで行く必要があったのだ。
愛犬のマチルダとは片時も離れたくなかったけど、仕方がない。一人、リマへ遠征することにした。
節約と健康のために、空港まで50分ほど歩く。徒歩50分で空港まで行けるのだから、クスコという街は本当に狭い。

リマに到着し、まずは治安が特に悪いらしいCallao(カヤオ)地区に、コロニアル建築探訪に出かけた。ペルーで暮らす私流の防犯対策は、鞄を持たず、スマホと財布、分散した現金は、すべてポケットと縫い付けてきた内ポケットに入れて、上着でふんわり隠すというもの(ちなみに、ポケットには落下防止のためにボタンを追加済み)。水や小物はビニール袋に入れ、地元民っぽく見えるようなドレスダウン。このやり方で南米各国巡ってきたけれど、今のところ問題は起きていない。

さらなる防犯対策として、サッカーペルー代表のユニフォームを着用。サッカー愛が強い南米では、サッカーファンには手を出さないだろうという目論みだ。ペルー人は普段着としてもユニフォームを着ているくらいなので、街中で着ていても問題ないだろう。
私はサッカーには疎いが、大家さんたちとTVで一緒にサッカー観戦をしたかったので、ちょうどユニフォームを買っておいたのだ。まさか防犯に役立てる日が来るとは思っていなかったが。

Callaoの終点のバス停で降りると目にしたのは、コロニアルな町並みと存在感のある旧車。
警戒しながらもブラブラしていると、行列の出来るセビーチェリアを発見。Hueveraという、見たことのない名前のサンドイッチをテイクアウトしてみると、魚卵のフライが挟まっていた。どうやら「Huevo=卵」をもじった言葉がメニュー名になっているようだ。ピリ辛ソースとよく合って、おいしい。日本人も好きな味だと思う。

次は魚が食べたくなり、ペルーの有名シェフで、ドキュメンタリー映画にもなったガストン・アクリオがプロデユースするセビーチェリア、La Marにやってきた。南米ベストレストラン50の常連だ。
予約ができないので開店20分前に着くように行くと、一番乗り。考古学者の友人3人組がちょうどドイツからペルーに来ていたので、合流して一緒に食事することに。友人のドイツ人の旦那さんは海産物が一切食べられないそうだが、この店に来たことを自慢したいからと同行し、肉抜きの焼きそばを食べていた。
沢山の料理とペルー産の白ワインをシェアして楽しい時間を過ごし、いつも一人旅なので、友達と過ごす楽しさを改めて感じた一日だった。


△黄色いソースのTiraditoは特にオススメ。

続いて、日本のメディアではおそらく紹介されていないであろう、新しめなレストランClonへ。ベネズエラ人のシェフが手掛ける多国籍料理は、ペルー料理に飽きたときに有難い。基本的に小皿料理なので、一人旅にもおすすめだ。
前日でも予約もでき、洗練された店内と、宝石のようなおいしい料理にうっとり。

リマの物価はクスコの1.5倍で、円安もあり日本と大差ないのだが、何よりおいしいものがたくさん! クスコでは買えない味噌や蕎麦、油揚げなど日本の食材や海の幸を、ここぞとばかりに爆買いした。

幸せを噛みしめて帰路に向かうと、ストライキでバスが動いていないという事態が! 何やら、みかじめ料を支払わないバスドライバーが殺害され、それに対するストライキだそうだ。慌ててタクシーを捕まえて帰ったが、南米らしい物騒さも健在のリマ遠征だった。

 

今月のスペイン語

*次回は1月10日(金)更新予定です。

イラスト・写真/ミユキ


Written by ミユキ
ミユキ

旅するグラフィックデザイナー、イラストレーター
広島出身、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、在学中よりフリーランスとして広告、ロゴ、エディトリアルデザインなどを手掛ける。
ロンドンに2年間の語学留学、オランダ・セントヨースト・マスターグラフィック卒業後、個人事業主ビザを取得しアムステルダムに12年居住。
ヨーロッパ全域を含む訪れた国は50カ国以上、旅先では美術と食を軸に、ダイビングや運転もする。
主な作品:ギリシャ・クレタ島の大壁画、ハイネケン Open Your World、モンスターズインク・コラボイラスト、豊島復興デザイン等、15年前からのリモートワークで、世界のあらゆる場所で制作。
HP:http://miyuki-okada.com
X(旧Twitter):@curucuruinc
Instagram:@curucuruinc

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