【台湾土産】間違いないお茶が安心価格で買える、ツウにも初心者にもストライクな台北のお茶屋さん

【台湾土産】間違いないお茶が安心価格で買える、ツウにも初心者にもストライクな台北のお茶屋さん



優美でおいしい台湾茶。
淹れ方やお作法のハードルが高そうだけど、実は自由に楽しめるもの。好きなところをつまみながら自分の茶道を探す、台湾在住コーディネーター・青木由香さんのお茶ごとエッセイ。


台湾茶に興味がある人には、日本でもよく知られている沁園(シンエン)というお茶屋さん。ビギナーからツウまで欲しいものが見つけられる、いいお店です。連載数回目で、まずいことに真打ち登場です。今後、まだお茶屋さんを紹介していかねばならないのに大丈夫か、私。

沁園のお茶は我が店「你好我好(ニーハオウォーハオ)」でも2~3種類ほど扱わせてもらっていますが、日本から来た知人に「お茶を買いたい」と言われると、うちを通さずつい自ら案内してしまいます。私にも商魂はありますが、適正価格で買えるいいお茶をちゃんと知ってもらいたいという想いから、つい沁園に連れてっちゃうのです。


△使いやすい茶器(左)や、カジュアルな袋入り茶葉(右)、ティーバッグが購入できます。

「食いしん坊の勧めるお茶は美味しい」という私の持論がありまして、持論というか判別法ですが、店の主の食に対する熱量やセンスに触れると、お茶をただの商売としているのか、愛を持ってやっているのかが透けて見えてきます。

沁園の店主、廖(リャオ)さんも食べ物の話を本当に美味しそうに語り、彼女に教えてもらったものは間違いなく美味しい。食べる方面のお勧めでも、私が厚く信頼している方です。


△真ん中が店主の廖さん。脇は、ご主人と娘さんです。みんな頑張って日本語でお茶を説明してくれます。

沁園のある永康街(ヨンカンジェ)は、鼎泰豊(ディンタイフォン)やマンゴーかき氷の店、行列ができる小吃(シャオチー)などが連なるグルメ密集地帯。そんな場所にありながら、朝昼晩3食外食が珍しくない台湾で、廖さんは自分と家族の健康を考えて、ほぼ自炊をしている逆に珍しいタイプ。

そのこだわりはお茶にも現れていて、お店のお茶はどれも残留農薬検査済み。それも2か所の検査機関でダブルチェックしています。かなり懐が痛むと思い、以前、どうしてそこまでやるのか聞いたことがありますが「お客さんはもちろん、自分たちも毎日試飲して口に入れるものだから。」というお考えでした。皆様、どうぞ「沁園のお茶は、美味しくて安全」と脳裏に刻まれてください。


△シンプルで、誠実な感じのパッケージ。持ち帰りにも便利な軽さ。観光客向けのお茶は、過剰包装で価格の底上げがえげつない中、本質でいくならダントツです。

沁園で扱っているお茶は、当然のことながらどれもこれも選び抜かれた精鋭部隊。ここで細かくは説明いたしませんが、主に凍頂烏龍茶、梨山茶、阿里山金萱茶、東方美人茶、高山蜒茶、普洱茶、日月潭紅茶、鐡観音茶など。
凍頂、梨山、阿里山は産地名で、高山茶の中でもお茶の名産地のブランド茶です。

普洱茶のみ中国雲南省のもので、他はみんな台湾茶。台湾茶の代表格である包種茶は、廖さん自身が飲まないので置いていません。売れるなら何でも扱う、という商いをしないところも私的に共感です。

(※)標高の高い山で収穫されたお茶全般を指す。


△鐡観音茶(ティエグァンインチャー)。第5回目の「今日の一杯。」で紹介した正欉(ヂェンツォン)の方。お高いですが、香ばしさの中にライチのような香りが素晴らしい、私がこのお店で一番好きなお茶。150gあたり1,630元(日本円で約7,700円)。


△阿里山金萱茶(アーリーシャンジンシュェンチャー)。ミルクのような香りのする台湾の品種で、あちこちで作られていますが、特に阿里山産は、香りが長く楽しめる。150gあたり650元(日本円で約3,000円)。60gで295元(日本円で約1,380円)と買いやすい袋入りもあり。


△日月潭紅茶(リーユェタンホンチャー)。台湾で生まれた紅茶で渋みがなく甘い香りが強く、適当に淹れても美味しく、うちの店でも取り扱い中。販売文句は「買って後悔させません」です。50gあたり470元(日本円で約2,200円)。お土産に便利なティーバッグ5個入りは、140元(日本円約660円)。

間違いないお茶を買いたいと、気になりましたら、ぜひ沁園へ。お茶よし、立地よし(鼎泰豊とセットで行くもよし)、言葉も問題ありません。昔、廖さんは茶芸館をやっていので、お茶の淹れ方もとっても丁寧です。買う気のない冷やかしはご遠慮願いますが、買う気満々の場合は、ぜひ試飲をお願いしてみてください。

そして、我が店「你好我好」では凍頂烏龍茶と日月潭紅茶、東方美人茶を扱っています。台北の西にいて東寄りの沁園に行くお時間のない方は、ぜひ! 真面目に茶業を営む方の、値段に相応したクオリティのいいお茶、手に取ってください。

 

今日の一杯。沁園の極品凍頂烏龍茶(ドンディンウーロンチャー)

沁園には2種類の凍頂烏龍茶がありますが、極品凍頂烏龍茶は廖さんが自ら焙煎しています。焙煎度は中焙煎。最初は花のように香り、後味に甘さを感じます。香ばしくて、何ともたまらない味わいです。

凍頂烏龍茶は台湾中部南投(ナントウ)に位置する凍頂山の、鳳凰村、永隆村、彰雅村という3つの村で作られたものを指します。今は、その近隣のものも凍頂の名前を使い始めていますが、沁園では、正真正銘、3つの村で育った茶葉のみ使用。茶葉は100gあたり450元(約2,100円)。お手軽な袋入り茶葉は60g で290元(約1,360円)。バラマキ用のお土産にぴったりなティーバッグは5個入りで110元(約510円)。

「沁園」
住所 台北市大安區永康街10-1號
営業時間 12:00~20:00
定休日 無休
TEL (+886)-2-2321-8975
公式HP(ENG)  https://www.sinyuan.com.tw/

 

*次回は2月3日(月)に公開予定です。

\青木さんのお店もチェック!/
『你好我好(ニーハオウォーハオ)』
https://www.nihaowohao.net/
日本から購入できるオンラインストアも!
https://nihaowohaostore.com/

\好評発売中!/
暮らしの図鑑 台湾の日々
著:青木由香
発行:翔泳社


Written by aokiyuka
青木 由香

台湾在住20数年。コーディネイト、執筆、Podcastを通して、日本に台湾を紹介している。台北でセレクトショップ「你好我好(ニーハオウォーハオ)」を経営。
Instagram @taiwan_aokiyuka 
ショップ&アートギャラリーSTORE「你好我好」 @nihaowohaostore
お茶ブランド「香香臺灣」  @xiangxiangtaiwan
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