【後編】映画『サブイボマスク』ファンキー加藤&一雫ライオン

【後編】映画『サブイボマスク』ファンキー加藤&一雫ライオン


加藤「朝6時に起きて、ずっと監督に河川敷を走らされましたからね(笑)。何回も何回も」

ライオン「しかも、撮影時期は真夏でしたもんね」

加藤「でも、完成した映像を見たら、足のくるぶしくらいしか映ってなくて。誰でもよかったんじゃないか!? っていう(笑)。田んぼの中を走ってるシーンの撮影なんて、うしろから撮影隊の軽トラックが追いかけてくるから、転んだら轢かれるなって思って死ぬ気で走りました(笑)」

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加藤にとって、春雄は理想の人間像。そういう人物を自身で演じるうちに「春雄という人間が自分の中に入りすぎてしまった」と加藤は撮影を振り返る。

加藤「大分県に1か月間いましたからね。普段の自分にとっては非日常の商店街でも、春雄にとっては生まれ育った場所じゃないですか。それが段々自分の中でゴチャゴチャになってきて。撮影の後半になると、本当に自分がその商店街で生まれ育ったみたいな感覚になったし、顔なじみのお店のおばちゃんとも気軽に『ういっす!』とか挨拶したり。あまりにも春雄が入りすぎて、カメラが回ってないところでも春雄だったらしいんですよ。マネージャーと飯を食いに行って『加藤さん、サラダとか頼みます?』とか聞かれても『おうっ!』って返事してたって。普段の自分は絶対そんな返事はしないのに」

 

笑顔が伝染する応援映画
泣いて笑って、最後には元気が出る

両者ともに様々な苦労を経て、ついに映画は完成。試写を見て感じたことは?

ライオン「自分が書いた作品って子供みたいなもので、周りにも『かわいいでしょ?』って言いたくなるんですよ。どの作品もそうなんですけど、間違いなく言えるのは、僕は『サブイボマスク』は今まで自分が書いた作品の中で一番好きということ。脚本としてというより出来上がった映画として。加藤さんを始め、ほかの俳優さんが演じてくださったものをエンドロールまで全部観て、『これはいい映画だ!』って思ったんですよね。こんなに気難しくなく、子供からお年寄りまで、観る人がみんな笑って泣いて楽しめるって、エンターテイメントの基本だなと。加藤さんのライブもそうでしょうけど、多分、観終わった人はいい気持ちになって帰れるんじゃないかな。僕にとって、墓場に持っていく1本が出来ました」

加藤「僕の中では、ムービーに形を変えた応援ソングなのかなって想いがあります。でも、まだ自分の演技だけは客観的に観れないんですよ。気恥ずかしさとか、当時の色んな思い出が蘇ってきちゃって。胸が熱くなる一方で、俯瞰で観れない。でも、共演者のみなさんはとても素敵ですし、現場は凄く楽しくて、まるで合宿所みたいでした。演者さんもスタッフさんも隔たりなくて。まさにこの映画にふさわしく元気と活気に溢れていました。それが凄く作品に反映されていると思います。観た人はきっと、笑って、ちょっと涙もポロッとこぼして、最後には元気が出るんじゃないかな」

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言ってしまえば、この映画自体も“全自動応援機”。荒唐無稽なコミカルな面白さを持ちながらも、観終わったあとにはみんなにスイッチを入れるような、前向きでさわやかな後味が待っている。

ライオン「この映画は、ファンキー加藤さんの生きざまそのものなんだと思いますよ。誰か笑顔になれば、その人が家に帰るとそこでも笑顔が……」

加藤「伝染する!」

ライオン「そう! 台本では『笑顔の伝染病だ』ってセリフになってるんですけど、最初『笑顔のネズミ講だ!』って書いたら監督に『その表現はやめて』って言われたんですけどね(笑)」

加藤「あはは。その裏話、監督から聞きました(笑)」

ライオン「でもね、笑顔が繋がっていくってことはいいことですからね!」

加藤「そうですね。ひとりでも多くの方に観て頂きたいです! ロケ地の大分県には先日地震という大変なことがありましたが、是非、この映画で元気を届けられたらいいなと思います」

 (撮影/吉田将史 文/本嶋るりこ)

■『サブイボマスク』
監督/門馬直人
脚本/一雫ライオン
主演/ファンキー加藤
出演/小池徹平 平愛梨 温水洋一 斉木しげる いとうあさこ 小林龍二(DISH//)武藤敬司(特別出演)大和田伸也/泉谷しげる 
配給/東映

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寂れた地方都市・道半町(みちなかばまち)。地元に活気を取り戻そうと奮起した熱血漢の青年団員・春雄(ファンキー加藤)は、客足が途絶えた商店街で定期的に“1人ライブ”を始めることに。しかし、盛り上がるのは幼なじみで自閉症の権助(小池徹平)だけ。そんな中、春雄は覆面レスラーだった父の形見をかぶって歌うことを思いつき、謎のシンガー“サブイボマスク”として活動を始める。元カノで出戻りのシングルマザー、雪(平愛梨)の協力により、SNSを使った宣伝が功を奏してサブイボマスクの人気は爆発。商店街に人が戻り始めるが、それもつかの間、春雄には身に覚えがない泥棒の疑いがかけられることに。

http://www.sabuibomask.com/

6月11日全国ロードショー

©サブイボマスク製作委員会

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小説版『サブイボマスク』
一雫ライオン/著
出版社:集英社
税込価格:626円 

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プロフィール

ファンキー加藤/ふぁんきーかとう
1978年12月18日生まれ。東京都出身。2004年、地元・八王子でFUNKY MONKEY BABYSを結成。06年にメジャーデビュー後は、『Lovin’ Life』『あとひとつ』などヒット曲を連発したが、2013年に惜しまれながらグループを解散。その後、ファンキー加藤としてソロ活動を宣言し、14年にソロデビューシングル『My VOICE』をリリース。ソロ初のワンマンライブを武道館で開催し、大成功を収め、更に全国ツアーでは約9万人以上を動員するなど、精力的に活動中。本作品で本格的に演技に初挑戦。
http://funkykato.com/

一雫ライオン/ひとしずくらいおん
1973年7月12日生まれ。東京都出身。俳優としての活動を経て、2008年に自身が脚本と演出を手掛ける演劇ユニット『東京深夜舞台』を結成。11年の映画『前橋ヴィジュアル系』で注目を集め、『TAP〜完全なる飼育〜』などの脚本を担当。本作の門馬直人監督とは、SHORT SHORT FILM FESTIVAL & ASIA2013のミュージックSHORT部門でUULAアワードグランプリを受賞した『ハヌル』(13年)、監督の長編デビュー作『ホテルコパン』(16年)で組んだ長年の盟友。『たべるダケ』(13年)『AKBホラーナイト アドレナリンの夜』(15年)などドラマも数多く手掛ける。また、今秋公開の映画『イイネ イイネ イイネ』でも門馬直人監督とタッグを組んでいる。

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