ふたごと飛行機 【後編】

ふたごと飛行機 【後編】


 

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舞台や雑誌などエンタメ業に携わる
YURIさんが、双子の子育てを
あったかくもちょっとコミカルに綴ります。
子育て1年生さんにも役立つ実用もお伝えします。

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こんにちわ。

今回は、前回の続き、飛行機に初めてふたごを乗せたときのお話です。

子連れフライトの必需品を手荷物で用意し、おむつや現地で使う物は事前に宅急便でホテルに送っておくという、準備万端で挑んだ当日。

羽田に到着し、一通り登場手続きをすませた後、広々とした空間にはしゃぎまくるふたごをパパさんに押し付け、飲み物を買いにゲート内のショップへ行くと、お土産コーナーに並ぶ飛行機型のおもちゃたちが目にとまり、新しいおもちゃはすでに用意済みなものの、まだ不安だったので、そこでNEWおもちゃを2個追加購入しておきました。

そして、いざ搭乗。

子連れは優先的に搭乗させてもらえるのですが、ここでも、事前に集めた裏ワザの出番です。

搭乗者が列をなす中、いそいそと先に乗りたくなる気持ちをこらえ、子連れなのに優先搭乗のアナウンスを無視してる背徳感を感じつつ、ギリギリで乗ります。

それは、子連れは“飽き”との戦いなので、ちょっとでも機内の滞在時間を短くするため。

な、なるほど、たしかに!

優先搭乗より、“子連れギリ乗りサービス”を JALに提案したいくらいです。

そして、ギリで機内に乗り込み、さっと色々取りだせるよう荷物をセッティングし、離陸待ち。

ここまでは順調。よし、次は、離陸のときにジュースを飲ませるといい、という情報の元用意しておいた耳抜き用ジュースだ!と、気持ちが焦り、離陸のアナウンスが聞こえたと同時にジュースを取りだしてしまったのが運の尽き。

ジュースの紙パックが見えてしまった瞬間から「ジューチュ、ノム~~!」と大騒ぎ。

早々におとずれた不測の事態。離れた席の人にも一瞥されるくらい大きな声で騒ぎ始めたので、とりあえず黙らせようと即刻ジュースを手渡すと、一瞬にして静寂。チューチュー美味しそうに飲む2人。

ひぃ~~、早く、飛行機、早く離陸して~~~~

「チューチュー・・・ジュジュジュー・・・ジュッ、ジュッ・・」

はい。まさかの、離陸前にジュース終了。

耳抜き効果一切ナシ。
ただの嗜好品としてジュースを飲んだふたごでしたが、耳を痛がる素振りはまったくなく、一安心。

その後、ここぞとばかりに新しいミニカーを差し出すと、夢中で遊び始めました。

「ブンブーン! ハッチャ(発車)シマスッッ!」

「ママ―ッ!! コレナニ!?コレナニ!?」

「ア゛ア゛ッ~~! ソレ、オウチャンノツ!」

「ハルチャンモォ~ッ!」

「♪イッヌノ~、オマワリシャン~」

声のボリュームなんて2歳児には理解してもらえるわけもなく、家と同じトーンで遊び、歌い、しゃべりだす2人。 

忘れていました。女子高生だっておばさんだって、単数ではおとなしくても、複数になった瞬間に騒音。
という法則。子どもが出す騒音も、2人いれば倍。いや、それ以上。

慣れない状況に泣いたりグズる2人。という図ばかり想像していた私は、この、“機内という特殊な環境まったく無視で、饒舌なふたごがしゃべりまくる”という想定外の状況に軽くパニック。

とにかく2人をしゃべらせないために、絵本を読んだり、お菓子を食べさせたり、動画を見せたりするも、努力むなしく、まわりから冷たい視線を浴び、咳払いされたりし始めた頃、先ほど買った飛行機のおもちゃを思いだし、ダメ元で投入。すぐに食いつく2人。そして、程なくおとずれた静寂・・・。

おおっ!!なんだこの神オモチャは!

それ、こちら。

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黄色いポッチを押すと、プロペラ(スポンジ素材)が回り、中央がピカピカと光るというシロモノ。
その名も「ひこうきせんぷうき」

何気なく買ったこのおもちゃ、“回る・光る・棒状”という、子どもが食いつく三大要素をすべて網羅している優れモノだったのです。

何度もボタンを押し、光りながらクルクルと回るプロペラを、しゃべるのも忘れじ~っと見つめている2人。
それから、ほぼ静か~に、回るプロペラをほっぺたで止めてみたり、それぞれ夢中。

長時間はもちませんが、ひとときの静寂や、気分転換には万能選手です。これからフライト予定がある方、ぜひ。確か700円くらいだったと思います。

余談ですが、写真下の丸っこい方は、フライトの記念にと乗務員の方から貰ったもの。これも隣に売っていたので、危うく被るところでした。ちなみに騒音抑制効果はほぼゼロ。

そして、この度発覚した教訓。

“乳幼児には空の景色なんて関係ない”

景色を見せたいから窓際で、とか、景色見せたら気分も変わるかな、などの淡い思いは一瞬で打ち砕かれますので、あしからず・・・

もちろん、現地でもお気に入りで常に携帯。

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はるちゃんの目に入ったゴミを、プロペラの風でとってあげようとするおうちゃん。無理。

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Banner design&Illustration:CHALK BOY
http://chalkboy.me/

 

Written by YURI
YURI

YURI(ゆり)/ライター・舞台演出家 学生時代からストリートダンスをはじめ、ダンサーとして活動。ケガにより現役引退後、ダンサーとしての経験を活かし、演出・制作など、数多くのダンス公演に関わる。2005年からダンス舞台の演出家として活動。ダンス舞台のプロデュースなども手掛ける傍ら、ダンス専門誌の編集・ライターをはじめ、さまざまな分野の、書籍、web、などのライターとして活動中。 2014年3月。アラフォー真っ只中、二卵性の男子ツインズを36週で出産。

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