「炎上」や「デマ」に踊らされない方法/シークエンスはやとも
“あなたがもしかすると見えていない世界”を、
視えすぎ芸人シークエンスはやともが毎月お届けしていきます。
第1回「「おとなこども」ってなんだろう?」はこちら
https://www.wanibookout.com/160019/
第2回「「考える力」を弱くするもの」はこちら
https://www.wanibookout.com/162613/
「親子ゲンカ」が社会問題になる時代
先日、とあるプロ野球チームの監督が、自身の娘に対する暴行容疑で逮捕され(翌日釈放)、監督を辞任するという衝撃的なニュースが世間に波紋を広げました。いまだ真相は薮の中ですが、決して他人事とは思えないばかりか、まさに起こるべくして起きた事件だと感じています。
普段から“心霊”という見えないものを取り扱っている身としてつくづく思うのですが、人間は目に見えないものをなかなか想像できません。以前、この連載の「プロローグ」でも“一億総ネタバレ社会”として、何でもスマホでわかってしまう現代人の考える力・想像する力の欠如について指摘させていただきましたが、今回の事件、そしてそれを取り巻く報道は、まさにこれらを象徴するような出来事ではなかったでしょうか——。
ということで、ここでは現段階(2026年6月現在)での事実関係に加え、さまざまな意見やデマが飛び交うなか、あくまで個人的な見解となりますが、少し掘り下げていきたいと思います。
報道では、暴力を受けたときの対処法をChatGPTに聞いた娘さんが、その回答に従って児童相談所に相談。児童相談所の通報によって、警察が駆けつけたとされています。
一般的に、18歳くらいの年頃の娘さんともなれば、父親という存在に対して、手放しに「大好き!」とはならないですよね。多くの娘さんが「お父さんなんて、ウザいしクサい」と感じるなかで今回のような親子ゲンカに発展した場合、子ども側の感情として「やり返してやりたい!」という強いフラストレーションが生まれるのは、当然のことかと思います。
そんなとき、「すぐに相談できる相手」であり、「現実的な手段」を簡単に教えてくれるAIという存在があらわれた。加えて「実際に児童相談所に電話をかけたら、家族はどうなるか?」「普段、お父さんが自分のことをどう思っているか?」といったことを考えられない“想像力の欠如”が重なり、あのような事件に発展したように思うのです。
言うまでもありませんが、決して娘さんを責めているわけではありません。むしろ、彼女たちの年代で考えれば、スタンダードな思考プロセスだったと思いますし、児童相談所や警察側が即座にお子さんの身柄を保護したことも、目指すべき方向の動きだったと思います。また、真実はわかりませんが、日頃から父親に感じていた何かしらのストレスも、トラブルを助長する引き金となったかもしれません。
一方で、輪郭のはっきりしないあれこれのなか、僕が唯一、確信したことがあります。それは、社会が一度「悪」だと認識したものは決して許されることがなくなった、という事実です。つまり、ここでは仮に——蓋を開けてみればただの大きな親子ゲンカだったとしても、いかなる「悪」も許されない、「悪」に過剰反応する時代になったということです。
時代が「悪」を許さないわけですから、ひとたび今回のような事件が起これば、みなが寄ってたかって袋叩きにし、大した事実確認もせず、想像力を働かせることもなく「みながこう言っているから正しい/悪い」と騒ぎ立てる……。いわば「許せない人」が増えているといえるでしょう。事件が起きてから二転三転する報道に、逐一“許せない”と反応する世論を見ていても、確信は強くなるばかりです。
これは、昨今の芸能人による“炎上”についても同じ。SNSで「許せない人」たちが、ああだこうだと攻撃的な発言ばかりくり返すのを、みなさんも見かけることはありませんか——?
世界は「点」でなく「線」で見る!
さて、こうした「許せない人」たちに共通するポイントとして、物事をミクロな単位でしか考えられない、つまり、世界を「点」で見ているということが挙げられます。この人たちは、言い方を変えれば「情報弱者」となりますし、ほとんど奇跡に近いような偶然の出来事を真実だと思い込む「陰謀論者」とも、ほぼ同種かもしれません。
ここで、ぜひとも頭に入れておいていただきたいことがあります。世界を多角的に捉えることができず、ひとつの「点」だけで見る人たちは、一部のずる賢くお金のある人たちの“カモ”になりやすい、ということ。たとえば「○日に地震が起きる」「△は体に悪い」というような「点」を仕掛けることは、彼らにとって造作もないこと。言い方は悪いですが、こうしたずる賢い人たちの良い“カモ”になってしまうんですね……。
そこで、 “カモ”にならず、世界を「線」で見るための対策法をご紹介したいと思います。これらを意識的に取り入れていくことで、くだらない「炎上」や「デマ」に踊らされることもなくなるはずですよ。
少額でいいので「株」を保有する
元金は数千円でもいいので、自分の証券口座をつくってみましょう。投資したお金が上下していく様子を“体感”することが、ここでは大切なポイントになります。アプリなどで株価が推移していく様子を追っていくうちに、ひとつの出来事で株価が上下することはなく、複合的な世の中の流れによって物事(ここではお金)が推移していくことがよくわかるはず。ちなみに、株式市場で結果を残せている人たちのなかに、物事をミクロな単位で見ている人はひとりもいません。
「本当のオタク」になってみる
昨今、オタクという言葉がすっかり市民権を得て、「わたし、○○オタクなんです」とおっしゃる方も多くなりました。しかし、ただ好きなアニメやキャラクターのグッズだけを集めて熱狂する……だけでは“本当のオタク”とは言えないかもしれません。たとえば宮崎駿監督の戦闘機の描き方などはオタクそのものですが、ひとつのアニメ作品を愛するにあたり、その歴史的背景から作画の作り方、あるいは声優の起用理由や、なぜその作品を創ろうとしたのか……ここまで徹底的に調べ上げてはじめて、かつては“本当のオタク”と呼ばれたのです。
僕はディズニーが好きで、息子が今『カーズ』にハマっているのですが、よく観ていると信じられないくらい大人向けの内容。じつは、当時監督を務めていたピクサーのジョン・ラセター氏が何もかも嫌になって、仕事を投げ出して家族とドライブに出かけた先がルート66だった。そこで、「人生において、本当に大切なものは何か?」ということをじっくり考え、ようやく仕事に戻った際に創られたのが『カーズ』だったというわけです。
作品が創られた背景を「なぜ、創られたのか(過去・背景)」「なぜ自分は惹かれたのか(今・未来)」と、「線」として繋げることで、物事を多角的に、より立体的に見ることができるようになるだけでなく、さらに深く作品を楽しむことができるはずです。
——芸能界の事件や炎上、はたまたデマに踊らされ続ける人生なんて、まっぴらごめんですよね。ご紹介したような方法で世界を「点」でなく「線」で見ることを心がけていけば、自分の頭で考える力もつき、くだらないことに巻き込まれることもなくなるでしょう。
今回はここまで。それでは、幸も不幸も楽しめる人生を!
ひらけ!視えない扉

今年の夏も厳しい暑さが続きそうですね。そろそろ肌を見せるファッションを楽しんでいる人も多い頃では?
先日行ったアメリカ……とくにロサンゼルスでは、胸元がぱっくり割れたファッションの女性や、ピチTを着たマッチョな男性を多く見かけました。しかし、不思議なことにどれだけ露出が多いファッションでも、いわゆる“いやらしさ”がゼロなんです。
僕は「これも文化の近いかな〜」などと思っていたのですが、同行した友人のひと言に目から鱗。「日本人は比較論で(他者目線を意識して)洋服を着ているから打算的な感じがするけれど、こっちの人は自分に自信を持って“ありのままの自分”を楽しんでいるからいやらしさがないんだね」——。
そう、あくまで自分が着たいから着ているのであって、太っている痩せているなどは関係ない。むしろ「今の自分が一番好き!」というテンションが強いので、おじいちゃんおばあちゃんになっても、みなさん平気でプールで素敵なビキニを着ているわけです。
日本人は若さを尊ぶ傾向にありますが、それでは年を経るごとに自信をなくし続けることになってしまいますし、何より、つまらないですよね。
今年の夏は「歳だから」「太っているから」などと他人の目を気にせず、ぜひ、自分の好きなファッションを楽しんでみましょう!
構成・文/国実マヤコ
*第4回は、7月31日(金)に配信予定です。
シークエンスはやとも
1991年生まれ、東京都出身。吉本興業所属。
子どもの頃、とある事件現場を目撃したことから霊が見えるようになる。芸人として活動開始後、先輩芸人などの霊視を行っていたところ、的中率の高さに霊視依頼が止まらなくなる。以降、“視えすぎ芸人”としてテレビ番組などに出演し話題を呼ぶ。著書に『ヤバい生霊』(光文社)、『霊が教える幸せな生き方』(KADOKAWA)、『霊視ができるようになる本』(サンマーク出版)など多数。YouTubeチャンネル『シークエンスはやともチャンネル〜1人で見えるもん。〜』の登録者数は50万人を超える(2026年3月時点)。
X(旧Twitter) @HayaTaka78
Instagram @takahayatomo
YouTube シークエンスはやともチャンネル〜1人で見えるもん。〜








